担当者 | 佐藤 剛生 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-304 |
社会はどのように変化するのか、近代とはいかなる時代なのか。社会秩序の大きな変化をめぐるこうした問いについて、社会システム論の立場から考察を加える。人類の歴史を振り返ると、社会は全体としてより良い方向にむかって進歩を遂げているように見える。こうした社会の進歩は一体どのようにして生じたのであろうか。また近代という時代を考えてみると、古代・中世までの社会とは異なり、それまで渾然一体としていた宗教や政治、経済、法などの社会の各領域がそれぞれ分化を遂げているように見える。近代社会に特有のこうした分化は一体なぜ生じたのであろうか。ルーマンの社会システム論、とりわけ「社会進化論」と「社会分化論」の議論を学ぶことで、社会の変化をめぐる諸問題について考察を深めていく。また授業の後半では、近代社会を構成する政治、経済、法といった各領域の機能と特徴を学ぶことで、我々が生きる近代という時代について理解を深めていく。
「社会進化論」の基本発想を身につけ、社会全体の変化とその歴史的展開について自分なりに考察できる。
近代社会の成立と特徴を「社会分化論」の立場から説明できる。
近代社会を構成する政治、経済、法といった領域の機能と特徴をそれぞれ理解する。
レポート70%: 授業内容の理解度と応用力(2000字程度の中間・最終レポートを計2回)
平常点評価30%: 授業への参加度(質疑応答、ディスカッションなど)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 使用しない。 | ||
参考文献 | 『思想としての社会学』 | 富永健一 | 新曜社、2008年 |
参考文献 | 『現代の社会科学者』 | 富永健一 | 講談社学術文庫、1993年 |
参考文献 | 『ルーマ——社会システム理論』 | ゲオルク・クニール、アルミン・ナセヒ | 新泉社、1995年 |
参考文献 | *それ以外の参考文献については、授業初回に一覧を配付する。 |
授業初回に各回の参考文献一覧を配付するので、その一覧と各回の配付資料をもとに各自で予習・復習を行うこと。授業外学習の目安は、各回4時間。
特に、各回の配付資料には授業の「まとめ」を記載するので、その内容をよく理解し、自らの言葉で十分に説明できるようにしておくこと。中間・最終レポートではこの「まとめ」に対する理解度・応用力を問う。
前期の「社会システム論Ⅰ(ミクロ)」と合わせて受講することが望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション(社会システム論Ⅰの復習) |
第2回 | 社会進化論⑴:創造論と生物学的進化論 |
第3回 | 社会進化論⑵:社会学的進化論 |
第4回 | 社会分化論⑴:アダム・スミス、スペンサー、デュルケーム |
第5回 | 社会分化論⑵:ジンメル、パーソンズ、ルーマン |
第6回 | コミュニケーション・メディア論 |
第7回 | ゼマンティク論 |
第8回 | 中間まとめ |
第9回 | 政治システムの機能と特徴⑴ |
第10回 | 政治システムの機能と特徴⑵ |
第11回 | 経済システムの機能と特徴⑴ |
第12回 | 経済システムの機能と特徴⑵ |
第13回 | 法システムの機能と特徴⑴ |
第14回 | 法システムの機能と特徴⑵ |
第15回 | まとめ(オンライン開講) |