担当者 | 佐藤 剛生 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-303 |
会話や組織などのさまざまな社会秩序を、コミュニケーション・ネットワークとして捉える「社会システム論」の議論を学ぶ。システム論とは、生物学の影響を受けて20世紀に登場した新しい学問分野である。その目的は、生物や機械などの複雑な統一体をシステムとして捉え、そのメカニズムを解明することにある。この考え方を社会学の領域に応用したのが社会システム論である。本授業では、システム論の歴史、また社会学における社会システム論の成立までの歴史をたどり、社会システム論の基本的な発想を身につけていく。さらに、ルーマンの社会システム論、特にその「コミュニケーション・システム論」を学ぶことで、我々の日常的なコミュニケーションからいかにして社会秩序が立ち上がってくるのかを考察する。
諸学問横断的な「システム理論」の基本発想を理解・習得する。
社会学の歴史における「社会システム論」の位置付けとその基本発想を理解・習得する。
「コミュニケーション・システム論」の立場から、我々の日常的なコミュニケーションをめぐる諸問題を考察・分析できる。
レポート70%: 授業内容の理解度と応用力(2000字程度の中間・最終レポートを計2回)
平常点評価30%: 授業への参加度(質疑応答、ディスカッションなど)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 使用しない。 | ||
参考文献 | 『思想としての社会学』 | 富永健一 | 新曜社、2008年 |
参考文献 | 『現代の社会科学者』 | 富永健一 | 講談社学術文庫、1993年 |
参考文献 | 『ルーマン——社会システム理論』 | ゲオルク・クニール、アルミン・ナセヒ | 新泉社、1995年 |
参考文献 | *それ以外の参考文献については、授業初回に一覧を配付する。 |
授業初回に各回の参考文献一覧を配付するので、その一覧と各回の配付資料をもとに各自で予習・復習を行うこと。授業外学習の目安は、各回4時間。
特に、各回の配付資料には授業の「まとめ」を記載するので、その内容をよく理解し、自らの言葉で十分に説明できるようにしておくこと。中間・最終レポートではこの「まとめ」に対する理解度・応用力を問う。
後期の「社会システム論Ⅱ(マクロ)」と合わせて受講することが望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション |
第2回 | システム理論の歴史⑴:一般システム理論 |
第3回 | システム理論の歴史⑵:サイバネティクス、情報理論、複雑性 |
第4回 | 社会学前史⑴:啓蒙思想の系譜 |
第5回 | 社会学前史⑵:啓蒙批判の系譜 |
第6回 | 社会学の第一世代:コント、スペンサー |
第7回 | 社会学の第二世代:デュルケーム、ジンメル、ウェーバー |
第8回 | 中間まとめ |
第9回 | パーソンズの社会システム論⑴:前期 |
第10回 | パーソンズの社会システム論⑵:中後期 |
第11回 | ルーマンの社会的システム理論⑴:理論と方法 |
第12回 | ルーマンの社会的システム理論⑵:社会学的啓蒙のプログラム |
第13回 | コミュニケーション・システム論⑴:二重の偶発性という問題 |
第14回 | コミュニケーション・システム論⑵:過程と構造 |
第15回 | まとめ(オンライン開講) |