科目名分類学年卒業認定との関連
薬学実務実習実習5年各期必修・20単位
担当者(※は責任者)
※渡辺茂和(薬学実習推進研究センター), 薬学部教員, その他教員

授業の概要

 豊かな人間性と医療人としての高い使命感を有し、生命の尊さを深く認識し、生涯にわたって薬の専門家としての責任を持ち、人の命と健康な生活を守ることを通して社会に貢献するため、4年までに学んだすべてを駆使して、医療現場における薬剤師業務を参加・体験型で実践します。大学教員だけでなく、患者さんやその家族、医療スタッフ、地域における関係者の指導の下、臨床における実践的能力を身に付ける参加・体験型学習です。薬剤師の果たすべき使命の一端を感じ取っていただければと思います。大学の講義室、実習室とは異なり、社会の中で学びますので、社会性、責任感の必要性、大切さを感じ取ってください。本科目は、実務経験(薬剤師)のある教員が担当する授業が含まれます。

授業の到達目標

① 薬の専門家として、人の命と健康な生活を守る使命感、責任感及び倫理観と、豊かな人間性と生命の尊厳について深い認識をもち、薬剤師の義務及び法令を遵守する。
②常に患者・生活者の立場に立って、患者の人権を尊重し、患者及びその家族の秘密を守り、これらの人々の安全と利益を最優先する。
③患者・生活者、他職種と良好なコミュニケーションをとり、情報を適切に収集し、こらの人々に有益な情報を提供する。
④医療機関や地域における医療チームに積極的に参画し、地域医療の推進に向けた行動をとる。
⑤医薬品を供給し、調剤、服薬指導、処方設計の提案等の薬学的管理の実践を通して、薬物療法を総合的に評価し、安全で有効な医薬品の使用を推進する。
⑥地域の保健、医療、福祉、介護及び行政等に参画・連携して、地域における人々の健康増進、公衆衛生の向上に貢献する。

授業形式

 薬局実習(11週間)を行った後、約2週間の振り返り、準備期間を経て、病院実習(11週間)を行い、薬局、病院で学んだ成果を2月に実施予定の成果発表会で共有します。
薬局、病院で医療スタッフの直接の指導の下、大学と連携して実習を行います。実習は原則として、薬局→病院の順で実施します。

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
11.薬学臨床の基礎(1)1)臨床における心構え 薬学部教員
その他教員
F(1)②4,F(1)②5,F(1)②6,F(1)②7
21.薬学臨床の基礎(2)2)臨床実習の基礎薬学部教員
その他教員
F(1)③6,F(1)③7,F(1)③8,F(1)③9,F(1)③10,F(1)③11,F(1)③12,F(1)③13,F(1)③14,F(1)③15
32.処方箋に基づく調剤(1)1)法令・規則等の理解と順守薬学部教員
その他教員
F(2)①2,F(2)①3,F(2)①4
42.処方箋に基づく調剤(2)2)処方箋と疑義照会
3)処方箋に基づく医薬品の調整
薬学部教員
その他教員
F(2)②7,F(2)②8,F(2)②9,F(2)②10,F(2)②11,F(2)③9,F(2)③10,F(2)③11,F(2)③12,F(2)③13,F(2)③14,F(2)③15,F(2)③16,F(2)③17,F(2)③18
52.処方箋に基づく調剤(3)4)患者・来局者応対、服薬指導、患者教育薬学部教員
その他教員
F(2)④9,F(2)④10,F(2)④11,F(2)④12,F(2)④13,F(2)④14,F(2)④15
62.処方箋に基づく調剤(4)5)医薬品の供給と管理
6)安全管理
薬学部教員
その他教員
F(2)⑤9, F(2)⑤10,F(2)⑤11、F(2)⑤12,F(2)⑤13,F(2)⑥8,F(2)⑥9,F(2)⑥10,F(2)⑥11,F(2)⑥12,F(2)⑥13,F(2)⑥14
73.薬物療法の実践(1)1)患者情報の把握
2)医薬品情報の収集と活用
薬学部教員
その他教員
F(3)①5,F(3)①6,F(3)①7,F(3)①8,F(3)②2,F(3)②3,F(3)②4,F(3)②5,F(3)②6
83.薬物療法の実践(2)3)処方設計と薬物療法の実践(処方設計と提案)
4)処方設計と薬物療法の実践(薬物療法における効果と副作用の評価)
薬学部教員
その他教員
F(3)③7,F(3)③8,F(3)③9,F(3)③10,F(3)③11,F(3)③12,F(3)③13,F(3)③14,F(3)④4,F(3)④5,F(3)④6,F(3)④7,F(3)④8,F(3)④9,F(3)④10,F(3)④11,F(3)④12,F(3)④13
94.チーム医療への参画(1)1)医療機関におけるチーム医療薬学部教員
その他教員
F(4)①4,F(4)①5,F(4)①6,F(4)①7,F(4)①8,F(4)①9
104.チーム医療への参画(2)2)地域におけるチーム医療薬学部教員
その他教員
F(4)②3,F(4)②4
115.地域の保健・医療・福祉への参画(1)1)在宅(訪問)医療・介護への参画、
2)地域保健(公衆衛生、学校薬剤師、啓発活動)への参画
薬学部教員
その他教員
F(5)①4,F(5)①5,F(5)①6,F(5)②3,F(5)②4
125.地域の保健・医療・福祉への参画(2)3)プライマリケア・セルフメディケーションの実践、
4)災害医療と薬剤師
薬学部教員
その他教員
F(5)③5,F(5)③6,F(5)③7,F(5)③8,F(5)③9

成績評価の方法および基準

定期試験行わない
中間試験行わない
小テスト行わない
レポート実習日誌、週報が該当する(後述)
その他単位認定のための評価は、実務実習実施計画書の資料6に記した「概略評価表」に基づいて評価する。1つでも「D」評価があった場合、原則として、単位を与えない。
具体的な評価項目は、①実習先からの概略評価、実務実習記録による評価、②大学における準備学習、③日誌、④週報、⑤成果発表会。
単位認定に当たり、実習先の認定実務実習指導薬剤師の意見を参考にすることがある。実習期間中に医療人として社会的、道徳的に反する行動をとった場合、実習を中止することがある。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書薬局実務実習指導の手引き2018年版日本薬剤師会編薬事日報社
参考書病気とくすり2018(薬局増刊号)最新版でも可日本病院薬剤師会 編集南山堂
参考書治療薬マニュアル 最新のもの高久史磨,矢﨑義雄 監修医学書院

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1 実習期間は、大学との連携のもと、実習施設の指導薬剤師の指導に従うこと。毎日の実習終了後の日誌の記入、振り返り、週末に実施する1週間の振り返りには、十分な時間をかけ、決められた期限内に必ず実施すること。また、実習期間中は、毎日、スケジュールを確認し、必要な情報と知識の整理は事前に十分に行っておくこと。毎日の継続した事前、事後学習を必ず行い、気づいたこと、十分できたこと、できなかったことについて、具体的に日誌、週報に記載すること。
2 日誌、週報への記載事項は、別に定める直前ガイダンス資料に記載された内容に従って記入すること。週報は期限内に必ずWebシステムを通じて学生担当教員に送ること。
3 実習は、現場の業務に合わせて実施されるため、必ずしも授業計画の1-12の順番で実施されるわけではない。実習内容(特に薬局における実務)と実務実習モデル・コアカリキュラムの目標との対応については、教科書に指定した「薬局実務実習指導の手引き2018」を毎回、熟読してどの目標に見合った業務での実習であるかを、事前事後にしっかりと確認すること。
4 この講義は20単位なので、予習・復習等の準備学習に必要な最低限の時間数は300時間であり、1日の実習あたり2.727時間となる。予習・復習の目安とするように心掛けること。

その他の注意事項

1 欠席は履修要項に従って判断する。
2 社会人としてのマナー、医療人としてのマナー、身だしなみ等に十分注意して実習に臨むこと。不適切な行動により、患者さんだけでなく、医療スタッフにも細心の態度で臨み迷惑をかけないように。
3 個人情報、薬局・病院の法人機密情報の保護を行うこと。薬局・病院等実習施設の定める規則、心得等を遵守し、実習指導者の指示に従うこと。態度不良、注意に対して改善がみられない場合は、実習を中止することがある。
4 この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連について、カリキュラム・マップを参照して理解すること。

主な関連科目

講義1年チーム医療論、医学概論(症候・OTC)
2年病態・薬理学1(精神・神経・筋)、病態・薬理学2(内分泌・生殖器・骨)、製剤学1、製剤学2
3年病態・薬理学3(呼吸器・消化器)、病態・薬理学4(代謝・血液)、病態・薬理学5(腎・循環器・高血圧)、病態・薬理学6(免疫・アレルギー、感覚器)、医薬品情報学
4年薬事関係法規・制度、医薬品安全性学、薬物治療学4(感染症・統合演習1)
5年
演習1年
2年
3年医療コミュニケーション2
4年医療コミュニケーション3、薬学統合演習1
5年医療コミュニケーション4
実習1年
2年
3年
4年薬学実習8、薬学実習9、薬学実習10
5年

メモ