科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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環境衛生学 | 講義 | 3年 | 前期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※山本秀樹(環境衛生学), 下山多映(環境衛生学) |
「環境衛生」とは「環境」から「いのち(生)をまもる(衛)」ことにある。人類は発祥以来、飢餓や感染症をはじめとした危機に対して、文明や科学技術により生き延びてきた。一方、西暦2020年を迎え新型コロナウイルス感染症に代表されるような新たな人類への健康危機に対して、いのちをまもり、健康を維持するためには、生活環境中の諸因子と生体との関係を理解し、それら環境因子を制御する技術や法規を知ることが必要である。本講義は2年後期に開講された「エコサイエンス」の内容をふまえ、人類の健康の維持に最も基本的な水や大気などの生活環境を、良好な状態に維持するための知識や技術を習得し、専門職である薬剤師に求められる「公衆衛生」および「環境」に関する基本な姿勢をSDGs(国連の持続可能な開発目標)の視点を交えて学習する。
①環境中に存在する有害物質の性質を説明できる。
②それらの基準値を定めた環境法規を説明できる。
③それを達成するためのテクノロジーを説明できる。
④①~③が密接に関係しながら機能する必要性をSDGs, 公衆衛生の観点から説明できる。
教科書とLMSによる教材を配信する。別途、各回の講義で課題をLMSを用いて課すので、必ず提出すること。
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | 序論 | 環境と健康、公衆衛生における環境衛生の意義、衛生・環境行政や歴史について概説する(知識) | 山本秀樹 | コアカリ外 |
2 | 大気環境の衛生−1 | ガス状大気汚染物質(硫黄酸化物や窒素酸化物、光化学オキシダントなど)の種類や特徴、発生源および健康影響(知識) | 山本秀樹 | D2(2)④ |
3 | 大気環境の衛生−2 | 粒子状大気汚染物質の種類や特徴、発生源および健康影響(知識) | 山本秀樹 | D2(2)④ |
4 | 大気環境の衛生−3 | 大気汚染防止法などの法規とその規制方式、および環境基準との関係(知識) | 山本秀樹 | D2(2)②,D2(2)④3 |
5 | 室内環境の衛生−1 | 室内環境の温熱条件(気温・気湿・気動・熱輻射)と室内環境評価指標の測定法。室内空気の換気量と換気回数の求め方(計算方法)(知識) | 山本秀樹 | D2(2)⑤1 |
6 | 室内環境の衛生−2 | 室内環境、室内化学物質による健康被害の例(シックハウス症候群、化学物質過敏症)とその対策(室内濃度指針等)、学校薬剤師の職務(知識) | 山本秀樹 | D2(2)⑤2,B(4)②3 |
7 | 水環境の衛生−1 | 水と感染症の歴史、公共水道の意義について(知識) | 山本秀樹 | D2(2)③1,2 |
8 | 水環境の衛生−2 | 原水、水道の種類および浄水工程の流れ、および、より清浄な水を得るための高次浄水処理技術、塩素消毒の原理とその重要性(知識) | 下山多映 | D2(2)③2 |
9 | 水環境の衛生−3 | 水道水が満たすべき水質基準項目とその意義、および主な測定法(知識) | 下山多映 | D2(2)③3 |
10 | 水環境の衛生−4 | 典型的な水質汚濁指標(BOD、COD、TOCなど)の意味、および水質汚濁に係る環境基準について(知識) | D2(2)③5,6 | |
11 | 水環境の衛生−5 | 微生物の生分解を用いた下水・排水処理技術(活性汚泥法を中心に)(知識) | D2(2)③4 | |
12 | 水環境の衛生−6 | 水質保全を目的とする水質汚濁防止法を始めとする法規と規制方式、および環境基準との関係(知識) | 山本秀樹 | D2(2)② |
定期試験 | 90% マークシートによる客観試験と筆記・論述試験を併用して評価する。 |
中間試験 | 0% 中間試験は行わない。 |
小テスト | 0% 各回の講義の後に、課題(講義内容に関する問題)をLMSで配信するが、受講生各自の自己学習の機会とする。各回の課題の正答率は最終成績の評価対象とはしない。12回の講義のうち提出回数が10回を下回った場合、減点を行うことがある。 |
レポート | 10% 各回の講義の後に、課題(講義内容に関する問題)をLMSで配信するが、2回ほどレポートを課す予定である。 |
その他 | 新型コロナウイルスのパンデミックのため、対面の講義ができるかどうかシラバス作成時には未定であるが、オンライン講義に変更になった場合は別途指示する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 衛生化学詳解 第3版(下) <主として第6章 環境衛生学> | 大塚文徳 他7名 著 | 京都廣川書店 |
参考書 | “パザパ”薬学演習シリーズ11 衛生薬学演習 第3版 | 緒方文彦、川崎直人、渡辺徹志 著・編 | 京都廣川書店 |
参考書 | 環境・循環型社会・生物多様性白書 令和3年度版 | 環境省 | 環境省(ホームページで公開予定) |
参考書 | 必携・衛生試験法 第2版 | 日本薬学会編 | 金原出版 |
参考書 | スタンダード薬学シリーズ5 健康と環境 | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |
参考書 | 薬学領域の環境衛生学 | 石井一行、松野康二、三好伸一 編 | 廣川書店 |
その他 | 教科書を中心に講義を進める。必要に応じて講義内容に関する資料をLMSに配信する。印刷物は配布しないので、必要に応じて各自印刷して持参すること。場合によって講義中にた演習を行うことがあるので、原則としてノートパソコンまたはタブレット(iPad等)を持参すること。 |
1 | 環境衛生学は総合的な学問である。その内容を理解するためには2年後期の「エコサイエンス」の内容(特に生物を介する物質循環)を事前に復習して下さい。また1年次に修得する基礎的な化学・生化学などの知識も必要です。我々の生活に密着した常識的な内容を科学的な論拠に基づいて説明できるように努力すること。 |
2 | 事前学習:予習として、教科書の指定された部分を読み、講義の内容をあらかじめ頭に入れ、問題意識・疑問点を明確にして講義に臨むことが重要である。 |
3 | 事後学習:講義毎にLMSに配信する課題(小テスト/小レポート)に答えることを義務とする。予習の際に生じた疑問点が解消されたかどうか、どこの部分が重要であるのか、もう一度教科書・講義資料を熟読してしっかりと確かめること。 |
1 | 環境保全に関わる法律的な内容や項目について、単に覚えるのでなく、なぜそのような法規制があるのか歴史的・科学的な根拠に基づいて理解することが重要である。 |
2 | 講義の復習(次の講義の予習を含めることもある)として、毎回の講義の後にLMSで該当する問題演習(小テスト)を行うので、各自復習をすることが重要である。(正答率は成績の評価に含めない) LMSにアップする課題に対して、解説等のフィードバックを行う予定。 |
3 | 環境衛生学の講義で扱う各種環境測定の方法およびその原理を理解する必要がある。本講義とほぼ同時期に行われる3年次の薬学実習6(衛生薬学)で実際に行うので、測定法の原理をしっかり理解すること。 |
4 | この科目とディプロマポリシー(学位授与方針)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。 |
講義 | 1年 | |
2年 | エコサイエンス、栄養化学 | |
3年 | 衛生化学、毒性学 | |
4年 | 保健衛生学、衛生薬学特論(健康と環境) | |
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | 薬学実習6(衛生薬学) | |
4年 | ||
5年 |