科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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薬学実習2(化学、生物) | 実習 | 1年 | 後期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※馬渡健一(医薬品分析学), 根岸文子(基礎生物学), 細山田真(人体機能形態学), 道志勝(人体機能形態学), 富岡直子(人体機能形態学), 山口真二(基礎生物学), 藤田俊之(基礎生物学), 川﨑茜(薬学実習推進研究センター) |
タンパク質や天然生理活性物質の抽出・結晶化などを通して、各種実験器具や機器の取り扱い法や物質の性質に基づく分離・分析法の基礎を修得します。
また、薬学に必須な生命現象の理解の一環として、光学顕微鏡の使い方を修得しつつ、微生物(細菌)の基本的染色法を修得してその形態について学び、無菌操作、消毒、滅菌の方法を修得します。
さらに、哺乳動物の代表としてマウスの各種臓器を実際に解剖して観察し、その名称と位置を把握するとともに、その細胞と組織の成り立ちを顕微鏡で観察して、機能と形態の理解を深めます。これらの実習とは別に、人体解剖見学を並行して行い、人体を構成する器官の形態、体内での位置および機能を学習します。これらの体験を通して、実験動物に対する倫理的な配慮および生命の尊厳を認識し、ふさわしい態度で行動できることを目標とします。本科目は、実務経験(薬剤師、医師)のある教員が担当する授業が含まれます。
①基礎的な科学力として、自然界に存在する物質を医薬品として利用できるようにするために、天然生物活性物質の単離、構造、物性などに関する基本的事項を修得する。
②人体の成り立ちを個体、器官、細胞の各レベルで理解できるようになるために、実験動物と人体の構造、機能、調節および生命体の最小単位である細胞の成り立ちに関する基本的事項を修得する。
③微生物の分類、構造、生活環などに関する基本的事項を修得する。
④以上の体験を通して、献体された方さらに実験動物に対する倫理的な配慮および生命の尊厳を認識し、医療の担い手としてふさわしい態度および行動を身につける。
全体を3グループに分け、各グループが「天然物の抽出」、「微生物を用いた実験」、「哺乳動物の形態と機能」の各実習をローテーションして行います(薬学部実習室)。各グループとも実験は2~4名の班単位で行います。
「人体解剖見学実習」は、これとは別の日程および別の実習室で実施します。グループ単位で実施され、説明・実習・試験を1日で終了します。
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | ガイダンス | 本実習の概要と目的、実習日程の説明を行うとともに、実習上の諸注意を説明する。また、動物実験(実習)に関する教育訓練を実施する。実習日程と場所、および実習における注意点を理解し、実習における適切な行動がとれる(態度)。 | 根岸文子 細山田真 道志勝 富岡直子 | |
2 | 天然物の抽出(1) タンパク質の抽出と定量 | スキムミルクからタンパク質を抽出し、抽出物の呈色反応にもとづいて、タンパク質の性質を確認する。これらの学習を通じて、天然生物活性物質の代表的な抽出法、分離精製法を概説し、実施できる。(知識、技能) | 川﨑茜 | G(1)3, C5(2)③1 |
3 | 天然物の抽出(2) タンパク質の性質 | 紫外可視吸光度測定法の基本的な原理を学び、分光光度計を用いて抽出したタンパク質の紫外線吸収の特性を調べ、標準物質の検量曲線にもとづいてスキムミルク中のタンパク質の含量を求める。これらの学習を通じて、紫外可視吸光度測定法の原理を説明でき、実施できる。(知識、技能) | 川﨑茜 | G(1)3, C5(2)③1, C6(2)⑧1 |
4 | 天然物の抽出(3) カフェインの抽出と結晶化 | 緑茶中のカフェインを有機溶媒を用いて抽出し、昇華性を利用して結晶化し、これを顕微鏡で観察する。これらの学習を通じて、天然生物活性物質の代表的な抽出法、分離精製法を概説し、実施できる。(知識、技能) | 川﨑茜 | G(1)3, C2(4)①1 |
5 | 微生物を用いた実験(1) ガイダンス、薬剤耐性、 殺菌剤、UVの効果 | 実習の意義と注意を説明する。培地づくりを習得し、大腸菌や身の回りの細菌に対する抗生物質の効果と耐性、殺菌剤の効果、UV照射の効果を調べ、その原理を説明できる。(知識、技能) | 根岸文子 山口真二 藤田俊之 | C8(3)②1, 2, C8(3)⑥1 |
6 | 微生物を用いた実験(2) 培養結果の観察、考察 | 実習の結果を観察し、的確にスケッチし、その結果を考察し、説明できる。(知識、技能) | 根岸文子 山口真二 藤田俊之 | C7(1)③3, 4 |
7 | 微生物を用いた実験(3) 細胞の染色と観察 | 光学顕微鏡の構造を学び、使用できる。(知識、技能)さらに各自で細菌の塗沫標本の作成・染色・観察を行い、グラム染色の原理、細菌の表層構造を説明できる。(知識、技能) | 根岸文子 山口真二 藤田俊之 | C7(1)③3, 4 |
8 | 哺乳動物の形態と機能(1) 血液細胞の染色と観察 | 光学顕微鏡の構造を学び、使用できる。(知識、技能)血液塗沫標本を各自で作成・染色し、顕微鏡を用いて観察きる。(技能)細胞像のスケッチを通して細胞の多様性を説明できる。(知識) | 細山田真 道志勝 富岡直子 | C8(3)⑤2, C8(3)⑥2, 3, E2(7)①1 |
9 | 哺乳動物の形態と機能(2) 臓器の組織切片の観察 | マウスのいくつかの臓器の組織標本を顕微鏡で観察し、的確にスケッチすることができる。(技能)これにより、組織の成り立ちを説明できる。(知識) | 細山田真 道志勝 富岡直子 | C8(3)⑤2, C8(3)⑥2, 3, E2(7)①1 |
10 | 哺乳動物の形態と機能(3) 解剖による臓器の観察 | 動物の扱い方、麻酔を学び、系統的な解剖を自らの手で実施し、的確にスケッチできる。(知識、技能)生命の尊さと実習の意義を理解する。(態度) | 細山田真 道志勝 富岡直子 | E1(1)②1, 2, C7(1)③2 |
11 | 人体解剖見学 | 医学部教員の説明により、実際の人体の内部および脳の内部を観察することにより、ヒトの主要な器官の名称、形態、体内での位置および機能を説明できる。(知識)献体者への感謝の気持ちと医療人としての責任を自覚する。(態度) | 根岸文子 細山田真 道志勝 富岡直子 山口真二 川﨑茜 藤田俊之 | A(2)①1, C7(1)③1, C7(1)④1 |
定期試験 | 31%: 授業の到達目標にある基本的知識の修得について、マークシートによる客観試験マークシート等を用いた客観試験(25%)を全実習終了後に実施します。この試験を受験しなかった場合は、単位取得は認めません。なお、人体解剖見学に関する試験(6%)はLMSにて実施します。 |
中間試験 | 0%: 実施しません。 |
小テスト | 0%: 実施しません。 |
レポート | 69%: 授業の到達目標にある基本的事項の修得および態度について、実習レポート(各実習終了時に期限を定めて提出)に加え、実習態度(真剣さ、積極性など)を評価します(3パートそれぞれについて23%)。レポートの内容に著しい不備がある場合は、書き直しの上再提出させることがあります。 |
その他 | 0%: 実習を欠席した場合は単位取得を認めませんが、やむを得ない欠席と判断される場合には、補充実習を行うことがあります。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 実習書(薬学実習2) | 帝京大学薬学部(細胞生物学教室、基礎生物学教室、人体機能形態学教室、実習・演習教育研究センター) 編 | |
参考書 |
1 | 履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。 |
2 | 事前学修:必ず前もって実習書に目を通し、生命科学や解剖学の教科書を復習しながら次回の実習の流れと内容を理解し、重要点を指摘しておくこと。(授業1回につき0.5時間) |
3 | 事後学修:実習書にレポートとして提出すべき課題を提示します。これらを適切な教科書、文献により調べてまとめること。(授業1回につき2時間) |
1 | 実習は、技能の修得のみではありません。講義の知識の定着化をはかる絶好の機会です。真剣に取り組んで下さい。 |
2 | 実験動物に対する倫理観を持って実習に臨んで下さい。最初に行うガイダンスでは、動物実験(実習)に関する教育訓練を実施します。 |
3 | 人体解剖見学に際しては、医療の進歩のために自らの身体を献げて下さった方々の尊いお気持ちに応えられるように、それにふさわしい態度とは何かを意識して臨んで下さい。 |
4 | 提出されたレポートに著しい不備がある場合は、その箇所を指摘して再提出させます。また、学期末に、提出されたレポートを返却することにより、本実習のフィードバックを行います。 |
5 | この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し理解すること。 |
講義 | 1年 | 基礎物理化学、生命倫理、機能形態学、薬科生物学、生命科学1、生命科学2、医学概論(症候・OTC)、生理学1 |
2年 | 生理学2、薬理学3(感染症・悪性腫瘍) | |
3年 | 生薬学・天然物化学、病態・薬理学6(免疫・アレルギー、感覚器)、感染免疫学 | |
4年 | ||
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
実習 | 1年 | 薬学実習1(薬学実習入門) |
2年 | 薬学実習3(有機化学・分析化学) | |
3年 | 薬学実習5(薬理学)、薬学実習7(がん、感染症、代謝性疾患) | |
4年 | ||
5年 |
実習の場所:薬学部実習室1~3
人体解剖見学実習については、解剖学実習室(本館地下2階)で行い、実施日は別途伝達します。