科目名分類学年卒業認定との関連
薬学実習3(有機化学・分析化学)実習2年前期必修・1単位
担当者(※は責任者)
※橘高敦史(薬化学), 杉山亨(代謝化学), 高野真史(薬化学), 忍足鉄太(創薬化学), 田畑英嗣(創薬化学), 髙橋由佳(創薬化学), 馬渡健一(医薬品分析学), 安田誠(医薬品分析学), 山岡法子(臨床分析学), 福内友子(臨床分析学), 森谷俊介(代謝化学), 川﨑茜(薬学実習推進研究センター), 川越文裕(薬化学)

授業の概要

 薬学における基礎教科の基盤である「有機化学」および「分析化学」について、実験を通して実地教育をします。「有機化学」では、医薬品を化合物として正確に理解するため、それらの性状、化学合成法、構造確認法をあわせて教育します。また、医薬品の立体構造を理解するため、分子模型とコンピュータを利用した3D教育を取り入れます。さらに、生薬学の講義で学ぶ生薬・薬用植物を観察し、触れることにより、漢方薬などの理解を深めます。「分析化学」では、各種実験器具や分析機器の取り扱い法を体得しつつ、物質の定量と化学反応に親しんでもらいたいと思います。本科目は、実務経験(薬剤師)のある教員が担当する授業が含まれます。

授業の到達目標

① 実験器具の正しい使用法を説明できる。
② 代表的な医薬品の合成法を概説できる。
③ 各官能基の性質に基づき、医薬品の官能基を調べることができる。
④ 化学物質の定量分析に関する基本的な知識と技能を有している。

授業形式

「有機化学」では、実験を1グループ4名程度で行い、実習用の講義と実習室での実験を連関させて行います。生薬については、実物の全形標本を用いて観察を行います。
「分析化学」では、滴定実験について、個人単位の実験となります。吸光度測定は4人グループで行い、試料調製や測定は分担して行います。

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1有機化学実験の基本事項
実験操作法の基礎と原理の理解。器具や装置の取り扱いの習得。廃棄物の処理、実験の記録について。(知識・態度) 橘高敦史
杉山亨
高野真史
忍足鉄太
田畑英嗣
森谷俊介
髙橋由佳
川越文裕
C3(1)①1,2,9
2有機化合物の物性
有機化合物の性状と性質の理解。(知識) 忍足鉄太
田畑英嗣
杉山亨
森谷俊介
髙橋由佳
C3(3)①1,C3(3)②1,C3(2)①1,C3(3)③1,2,C3(3)④1,2,3
3アスピリンの合成
O-アセチル化反応(エステル化)の実地に基づく理解。再結晶。(知識・技能) 忍足鉄太
田畑英嗣
杉山亨
森谷俊介
髙橋由佳
C4(3)②1,C3(3)②2,C3(3)④2,3,C3(4)①1,5,C3(4)②1,2,C3(4)③1,2,4,C3(4)④1,C2(5)①5
4未知化合物の同定
振り分け実験における有機化合物の分離及び同定。(技能) 忍足鉄太
田畑英嗣
杉山亨
森谷俊介
髙橋由佳
C3(3)①2,C3(3)⑥1,C3(3)⑦1,2
5官能基の検出法
含有元素及び官能基の検出。(技能) 橘高敦史
高野真史
川越文裕
C2(3)①2,C3(3)①1,C3(3)②1,C3(3)③1,C3(3)④1,3,C3(3)⑤1,C4(3)②1
6分子の構造の三次元的理解パソコンと分子模型を用いる分子構造の構築の実例と理解。(技能) 橘高敦史
高野真史
川越文裕
C3(1)②5,7,8,C3(2)①2,3,4,5
7生薬の性状 代表的な全形生薬、特に外形の類似する生薬を重点的に肉眼で鑑別できる能力を養う。刻み生薬を用いた漢方薬の調剤を行うことで生薬の性状を知る。(技能)山岡法子
高野真史
川﨑茜
C5(1)④3
8定量分析の基本操作と重量分析 定量に用いる実験器具の名称及び「正確に量る」、「精密に量る」操作の学習と確認、重量分析を行う。(技能) 馬渡健一
安田誠
山岡法子
福内友子
C2(1)①1,2,C2(3)②7
9酸化還元滴定 日本薬局方標準液の標定法と標定実験の理解、日本薬局方医薬品パラアミノサリチル酸カルシウムの定量実験を行う。 (技能)馬渡健一
安田誠
山岡法子
福内友子
C2(2)②3,C2(3)②4,5
10紫外可視 吸光度測定法 ランバート・ベールの法則を実験的に確認し、検量線法を用いる医薬品の定量を行う。(技能)馬渡健一
安田誠
山岡法子
福内友子
C1(1)③1,C2(4)①1,6

成績評価の方法および基準

定期試験70% マークシートを用いた客観試験を実習終了時に実施します。
中間試験0%
小テスト0%
レポート30% 実習レポートを提出してもらいます(締め切り厳守)。
その他原則として欠席を認めませんが、やむを得ない欠席と判断した場合には、補充実習を行います。
実習態度(遅刻厳禁、積極性など)も評価します。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書実習書(薬学実習3)
帝京大学薬学部医薬化学講座 編帝京大学薬学部
参考書第17改正 日本薬局方解説書日本薬局方解説書編集委員会 編廣川書店
参考書ベーシック薬学教科書シリーズ5
有機化学
夏苅英昭、高橋秀依 編化学同人
参考書薬学テキストシリーズ
分析化学Ⅰ、Ⅱ
中込和哉、秋澤俊史 編朝倉書店
参考書構造式手帳伊藤 喬 編京都廣川書店
その他プリント

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1この講義は1単位ですので、予習・復習等の準備学習に必要な最低限の時間数は30時間であり、1回の講義あたり3時間となります。
各回の実習内容について、実習書の内容を事前学修することが必要です。事後学修として各回の実習内容のレポートをまとめることが必要です。

その他の注意事項

1レポートを返却し、重要事項についてのフィードバックを行います。
2この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。
3化学物質の取り扱い、安全性などを十分に認識し、安全に実習にとりくむ努力をしてください。

主な関連科目

講義1年基礎化学、有機化学1、薬品分析化学
2年有機化学2、有機化学3、応用分析化学、機器分析学
3年臨床分析学、有機化学4、医薬品化学1、生薬学・天然物化学
4年医薬品化学2、基礎薬学特論1(物理・分析系薬学)、基礎薬学特論2(化学系薬学)
5年
演習1年
2年
3年
4年薬学演習
5年
実習1年薬学実習1(薬学実習入門)
2年
3年
4年
5年

メモ

実習の場所:薬学部実習室1、2、3および講義室ほか