科目名分類学年卒業認定との関連
有機化学3講義2年後期必修・1.5単位
担当者(※は責任者)
※杉山亨(代謝化学)

授業の概要

 医薬品には実にさまざまな官能基が存在します。医薬品(構造式)に強くなるには一つひとつの官能基の化学的性質を十分に理解しておく必要があります。2年後期では、官能基として、また化学的反応性という観点からも特に重要な位置を占めるカルボニル基の化学を重点的に学びます。また、身近な化学物質であり医薬品の分子構造でよく見られるアルコールやフェノール、チオール、エーテルの特徴について学びます。これらの学習を通して、薬学の根幹となる有機化学の深い理解を目指します。

授業の到達目標

①官能基を有する有機化合物の性質を説明できる。
②有機化合物の反応性に関する基本的事項について説明できる。

授業形式

教科書とプリントを使った講義。毎回、確認問題を解いて知識の定着を図ります。確認問題の解答は講義後にTYLASで配信します。

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1アルコール、フェノール(1)アルコールをIUPAC規則に基づいて命名し、基本的な性質を説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①1,C3(3)①1,C3(3)③1,C3(3)⑦1
2アルコール、フェノール(2)アルコール、フェノール類の基本的な性質と反応を説明できる。特に、アルコール、フェノールの酸性度、アルコールの酸化反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①4,C3(3)③1,C3(3)⑥1,C3(3)⑦1
3アルコール、フェノール(3)アルコール、フェノール類の基本的な性質と反応を説明できる。特に、アルコールの求核置換反応、脱離反応、フェノールの酸化反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①9,C3(3)②2,3,C3(3)③1
4アルコール、フェノール(4)アルコールの合成について説明できる。特に、付加反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(2)②1,C3(3)③1
5エーテル(1)エーテルをIUPAC規則に基づいて命名し、基本的な性質と反応について説明できる。エーテルの合成法について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①1,C3(3)①1,C3(3)②1,2,C3(3)③2
6エーテル(2)エーテル類の基本的な反応を説明できる。特に、エーテルの酸による開裂について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①9,C3(3)②2,3,C3(3)③2
7エーテル(3)オキシラン(エポキシド)の基本的な反応について説明できる。特に、求核置換反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①9,C3(3)②2,C3(3)③2
8アルデヒドおよびケトンの性質と反応(1)アルデヒド類およびケトン類をIUPAC規則に基づいて命名し、基本的な性質と反応について説明できる。特に、求核付加反応、ケト—エノール互変異性について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①1,4,C3(3)①1,C3(3)④1,C3(3)⑦1
9アルデヒドおよびケトンの性質と反応(2)アルデヒド類およびケトン類の基本的な反応について説明できる。特に、還元反応、炭素求核剤による求核付加反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①6,7,9,C3(3)④1
10アルデヒドおよびケトンの性質と反応(3)アルデヒド類およびケトン類の基本的な反応について説明できる。特に、アセタール、イミン、エナミンの生成について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①6,9,C3(3)④1
11アルデヒドおよびケトンの性質と反応(4)アルデヒド類およびケトン類の基本的な反応について説明できる。特に、カルボニル基のα位が関与する反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①6,7,9,C3(3)④1
12アルデヒドおよびケトンの性質と反応(5)アルデヒド類およびケトン類の基本的な反応について説明できる。特に、アルデヒドおよびケトンに対する還元反応と酸化反応について説明できる(知識)杉山亨
C3(1)①6,7,9,C3(3)④1

成績評価の方法および基準

定期試験100% 筆記とマークシートを併用した試験で評価します。
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他出席点は加味しません。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書ベーシック薬学教科書シリーズ
有機化学(第2版)2018年
夏苅英昭、高橋秀依 編著化学同人
教科書構造式手帳伊藤 喬 編著京都廣川書店
参考書知っておきたい有機反応100日本薬学会 編東京化学同人
参考書マクマリー有機化学(中巻)マクマリー 著、伊東ら 訳東京化学同人
その他スタンダード薬学シリーズII3 化学系薬学I.  日本薬学会 編  東京化学同人
スタンダード薬学シリーズ3 化学系薬学Ⅳ. 演習編  日本薬学会 編  東京化学同人
プリントの問題(確認課題プリント)

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。
2事前にプリントと教科書に目を通し、講義内容を把握してから講義を受けてください。2時間
3講義後、次の講義までにプリントの確認問題を解き、配信された解答と比較して自分の理解度を確認しておいてください。2時間

その他の注意事項

1反応機構の矢印を、理解するだけではなく「自分の力」で書けるようにしましょう。不得意な場合は、教科書の第6章と午後の演習プリントを徹底的に学んで下さい。
2練習問題を自分の力で解くことで理解が深まります。疑問点を残さないことに留意し、予習・復習をすれば国家試験レベルの実力は間違いなく付きます。まずは授業前に前回の復習だけでも実行してください。
3「まとめノート作成」や「プリントの問題」を解いて、学習効果を高めてください。
4試験やレポート等に対し、講義時間中に解説等のフィードバックを行います。
5この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。
6関連科目(基礎化学、有機化学1、有機化学2)を復習し、内容をよく理解しておいてください。特に有機化学2のハロゲン化アルキルの項で学ぶ求核置換反応、脱離反応についてよく復習しておいて下さい。

主な関連科目

講義1年基礎化学、有機化学1
2年有機化学2、機器分析学
3年有機化学4、医薬品化学1、天然物化学、生薬学・天然物化学
4年基礎薬学特論2(化学系薬学)、医薬品化学2
5年
演習1年
2年
3年
4年薬学演習
5年
実習1年
2年薬学実習3(有機化学・分析化学)
3年
4年
5年

メモ