科目名分類学年卒業認定との関連
衛生化学講義3年前期必修・1.5単位
担当者(※は責任者)
※荒田洋一郎(衛生化学)

授業の概要

 医療法で医療チームの一員に位置づけられている薬剤師には、健康と環境に関する薬学の学問領域である衛生薬学に関する正確な知識を身につけていることが求められています。衛生薬学は、保健衛生、栄養化学、食品衛生、環境衛生、毒性学など様々な分野からなっていますが、「衛生化学」では、特に、食品衛生に関する事柄(食品衛生行政と関連法規、食品の変質、食中毒、食品添加物、食品に生成する発がん物質、化学物質による食品汚染、遺伝子組換え食品、保健機能食品など)を中心に講義します。

授業の到達目標

①食生活が健康に与える影響を科学的に理解するために、食品機能・食品衛生に関する基本的事項を修得する。

授業形式

教科書とプリントを使った講義

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1食品衛生行政と関連法規食品衛生法、JAS法、食品安全基本法、リスク分析、食品衛生管理、HACCPについて概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)②7
2保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品、遺伝子組換え食品 保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品概要、遺伝子組換え食品の種類、表示、問題点、法規制について概説できる(知識) 荒田洋一郎
D1(3)②6,7
3食品の変質 腐敗、褐変現象、油脂の変質、食品の保存法について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)②1~3
4食品添加物(1)保存料、殺菌料、防かび剤、酸化防止剤、調味料、 香料について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)②5
5食品添加物(2)合成着色料、天然着色料、発色剤、甘味料について概説できる(知識) 荒田洋一郎
D1(3)②5
6食中毒(1)食中毒の分類・統計・事例、細菌性食中毒について概説できる(知識) 荒田洋一郎
D1(3)③1
7食中毒(2)ウイルス性食中毒、寄生虫、食中毒の予防について概説できる(知識) 荒田洋一郎
D1(3)③1
8経口感染症主な経口感染症とその病原体、食中毒との比較、BSE、プリオン病、寄生虫について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)③1
9食中毒(3)動物性食中毒、植物性自然毒について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)③2
10食中毒(4)マイコトキシン、アレルギー様食中毒、食物アレルギー、表示について概説できる(知識) 荒田洋一郎
D1(3)③2,3
11化学物質による食品汚染(1)
食品に生成する発がん物質、有機性有害食品汚染、農薬による食品汚染について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)②4,D1(3)③3
12化学物質による食品汚染(2)有害性金属による食品汚染、放射性物質による食品汚染、食品汚染化学物質の試験法および代謝について概説できる(知識)荒田洋一郎
D1(3)③3

成績評価の方法および基準

定期試験100% マークシートによる客観試験のほか、筆記・論述試験も併用して評価します。
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他出席点は加味しませんが、受講態度が不良な場合には減点することがあります。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書衛生化学詳解(下)第3版大塚文徳 他7名京都廣川書店
参考書なし
その他プリント

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1衛生化学は、“生を守る”ための化学を基盤とした学問領域である衛生薬学の一分野です。その対象は多岐にわたり、薬剤師として当然知っておかなければならないことがたくさん含まれています。しっかり勉強して、重要な事柄は確実に覚えるように心がけましょう。栄養化学や、環境衛生、毒性学など他の衛生薬学分野の科目とは、密接な関係にありますので、関連づけて勉強しましょう。生化学、微生物学、分析化学等の教科書やプリントなども、必要に応じて参照する必要があります。
2事前学修について
①前回の講義内容を復習し、用語の意味等を教科書の該当ページ(具体的には講義中に指示します)を見直して理解しておいて下さい。
②次回の講義で扱う教科書の該当ページ(具体的には講義中に指示します)をあらかじめ読んでおいて下さい。
以上を各講義ごとに最低1時間は行ってください(何日かに分けても構いません)。
事前学修の時間は合計で12時間以上となります。
3事後学修について
①講義ノート、プリント、板書のメモを見直し、講義で扱った教科書の該当ページを再度読み直して理解を深めるとともに、講義中の疑問点を解決しておくこと。
②講義プリントで扱った練習問題を再度自分で解き直し、解答だけでなくなぜそのような解答になるかの過程も復習しておいてください。
以上を各講義ごとに最低2時間は行ってください(何日かに分けても構いません)。
また、講義全体が終了後、本講義で扱った内容全体をもう一度振り返り、再度練習問題を解き直し、さらにプリント・教科書の該当部分を読み直してください。(講義1回分について最低でも1時間は行い、合計12時間以上)
以上で事後学修の時間は合計で36時間以上となります。
4履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。

その他の注意事項

1衛生化学は生活に密着した学問領域なので、取り扱う事柄の中には、最近のニュースなどで話題になっているものがたくさん出てきます。普段から新聞を読んだりニュース記事に目を通し、衛生薬学分野でどのようなことが話題となっているか、注意するように心がけましょう。
2衛生化学の講義では、食品添加物から食品汚染物質まで、様々な構造式が出てきます。構造式を丸ごと暗記する必要はありませんが、重要なものは、構造式を見たら分かるようにしておきましょう。
3試験やレポート等に対し、解説等のフィードバックを行います。
4この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。

主な関連科目

講義1年生命科学1
2年栄養化学、エコサイエンス、生化学1
3年毒性学、環境衛生学、感染免疫学
4年保健衛生学
5年
演習1年
2年
3年
4年薬学演習
5年
実習1年
2年
3年薬学実習6(衛生薬学)
4年
5年

メモ