科目名分類学年卒業認定との関連
毒性学講義3年後期必修・1.5単位
担当者(※は責任者)
※鈴木俊英(毒性学), 北加代子(毒性学)

授業の概要

 毒性学では、はじめに生体異物である化学物質の吸収、分布、代謝、排泄の基本過程の理解を目指します。続いて代表的有害化学物質の毒作用とその作用機序および対処法について学びます。また、毒性評価のための試験法並びに安全性評価法について、さらに代表的な中毒起因物質の中毒量、作用器官、症状および解毒処置の基礎を修得します。

授業の到達目標

①有害化学物質の体内動態について説明できる。
②代表的有害化学物質の毒作用と作用機構について説明できる。
③薬毒物の分析法について説明できる。
④代表的な中毒原因物質による中毒とその解毒処置法について説明できる。
⑤化学物質の安全性評価と適正使用について説明できる。

授業形式

TYLASに予め講義資料を配信し、その資料を中心に講義を行います。また、毒性学研究室オリジナルの演習問題冊子を活用し講義の理解を深めます。

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1毒性学総論、化学物質の体内動態毒性学の全体像を理解し、ヒトと毒物の関連について概説できる(知識)
代表的有害化学物質の吸収、分布、代謝、排泄の基本過程について説明できる(知識)
鈴木俊英
D2(1)①1~7, D2(1)②1~5, D2(1)③1~3
2化学物質の代謝(1) 第Ⅰ相反応薬物代謝の第Ⅰ相反応について説明できる(知識)鈴木俊英
D2(1)①1
3化学物質の代謝(1) 第Ⅱ相反応薬物代謝の第Ⅱ相反応について説明できる(知識)鈴木俊英
D2(1)①1
4化学物質による発がん発がんメカニズム、化学発がん物質の代謝活性化機構について説明できる(知識)鈴木俊英
D2(1)
③1~3
5代表的有害化学物質の毒作用と作用機構(1)有機ハロゲン(PCB、ダイオキシン類など)、 農薬類の毒性について説明できる(知識)鈴木俊英
D2(1)
①2~4
6代表的有害化学物質の毒作用と作用機構(2)金属、 内分泌撹乱化学物質の毒性について説明できる(知識)鈴木俊英
D2(1)
①2~4
7代表的有害化学物質の毒作用と作用機構(3)工業用薬品、ガス、【化学兵器】の毒性について説明できる(知識)北加代子
D2(1)
①2~4
8乱用薬物
薬物乱用の推移、麻薬、大麻、幻覚剤、覚醒剤の毒性、代謝、検出法、危険ドラッグについて説明できる(知識)北加代子
D2(1)
①5
9薬毒物の分類薬毒物の分離・分析法について説明できる(知識)北加代子
D2(1)①7
10急性中毒と治療薬毒物中毒に対する基本的対処法と解毒薬について説明できる(知識)北加代子
D2(1)
①6
11有害化学物質の毒性標的および毒作用に対する生体防御要因化学物質による諸臓器障害とその機構、生体防御機構、活性酸素と抗酸化システムについて説明できる(知識)北加代子
D2(1)
①2,4
12化学物質の一般毒性試験法、特殊毒性試験法
化学物質の毒性試験評価法、安全性評価、法的規制
一般毒性試験、特殊毒性試験(変異原試験、発がん性試験など)、量-反応関係、無毒性量、許容一日摂取量(ADI)、実質安全量、化審法、化管法、PRTR法について概説できる(知識)北加代子
D2(1)
②1~5

成績評価の方法および基準

定期試験100% マークシートによる客観試験と筆記・論述試験を併用して評価します。
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他出席点は加味しませんが、受講態度が不良な場合には減点することがあります。
演習問題に対する取り組みを成績に加味することもあります。
その他、試験・単位認定に関しては、シラバスに準じます。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書衛生化学詳解(下)第2版浅野哲 他7名京都廣川書店
参考書スタンダード薬学シリーズⅡ 5
衛生薬学 健康と環境
日本薬学会(編)東京化学同人
参考書必携・衛生試験法 第2版日本薬学会編金原出版
参考書薬毒物試験法と注解日本薬学会(編)東京化学同人
参考書薬物代謝学加藤、山添、横井(編)東京化学同人
参考書急性中毒標準診療ガイド日本中毒学会(編)じほう
その他毒性学オリジナルの問題集を配布します。
講義で使用するファイルをアップロードするので、各自で事前にダウンロードしてください。

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1TYLASにアップされる次回の講義プリントの内容を予習し、専門用語の意味などを理解しておくこと。[30分×12回 計6時間]
指定した教科書の次回講義部分を事前に読んでおくこと。[1時間×12回 計12時間]
2授業中の疑問点をまとめ、教科書などを利用し、次回の授業までに解決しておくこと。[1時間×12回 計12時間]
各講義内容に対応する毒性学問題集の問題を次回の授業までに解きノートにまとめること。[1.125時間×12回 計13.5時間]
3履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。

その他の注意事項

1TYLASに講義で使用するファイルを配信しておくので、各自でダウンロードし、講義内容の理解を深めるため予習・復習に役立ててください。
2試験に対し、解説等のフィードバックをTYLASで配信します。
レポートに対し、解説等のフィードバックを講義内で行います。
3この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。

主な関連科目

講義1年生命科学1、生命科学2、生理学1、機能形態学
2年エコサイエンス、栄養化学、生化学1、生化学2、生理学2、薬理学1(総論・末梢神経)、病態・薬理学1(精神・神経・筋)、病態・薬理学2(内分泌・生殖器)
3年衛生化学、環境衛生学、薬物動態学、病態・薬理学3(呼吸器・消化器)、病態・薬理学4(代謝・血液・骨)、病態・薬理学5(腎・循環器・高血圧)、病態・薬理学6(免疫・アレルギー・皮膚・感覚器)
4年保健衛生学、衛生薬学特論(健康と環境)
5年
演習1年
2年
3年
4年薬学演習
5年
実習1年
2年
3年薬学実習6(衛生薬学)
4年
5年

メモ