科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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社会と医療 | 講義 | 1年 | 半期 | 選択・2単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※皆吉淳平(医療共通教育研究センター) |
「科学技術と人間・社会」をテーマとして、講義形式で進めます。
科学技術は私たちの夢を実現してくれるものです。またそれは、私たちの命を救ってくれるものでもあります。しかしながら、私たちの命を奪うものでもあります。そして、このような科学や技術を抜きに現代社会を語ることはできません。現代社会における人びとの生活は、科学技術とさまざまに深くかかわりあっているのです。そして現代医療は、科学技術と人間そして社会とが深くかかわりあっている場だと言えるでしょう。
そこでこの授業では、科学技術を背後から秩序づけている文化の多様な形態、そして科学技術によって秩序づけられる人間の様相を析出してゆきます。現代医療と科学技術を、人間・社会という視角から考えることを目指す授業です。。
①科学技術と社会との関係について、保健医療分野にとどまらず幅広い知識を獲得すると同時に、相互に影響を与え合う関係であることを説明できる。
②科学技術と社会との関係を扱う社会学の基礎的概念や考え方についての概略を説明できる。
③科学技術と社会との境界で生じる諸問題を、社会学的概念を用いて説明できる。
講義
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | 社会と医療で学ぶ内容を総論的に説明できる。 | 皆吉淳平 | ||
2 | 現代社会の科学・技術:モード論から考える | ・「科学」「技術」「社会」の関係は単線的ではないことを説明できる。 ・現代社会における知識生産の様式の変化について説明できる。 | 皆吉淳平 | |
3 | 科学技術の社会学(1):研究はどのように評価されるのか | ・R.K.マートンの科学社会学における「科学のエートス」論について説明できる。 ・研究の評価の根幹に位置づく「ピアレビュー」について説明できる。 | 皆吉淳平 | |
4 | 科学技術の社会学(2):なぜ「研究不正」が起きるのか | ・「ピアレビュー」の限界について知る。 ・「研究不正」や「研究倫理」の問題を、研究評価の仕組みという観点から考える。 | 皆吉淳平 | |
5 | 科学技術の社会学(3):科学知識の「正しさ」は絶対か | ・科学知識の社会学の根幹をなす社会構築主義にもとづく「科学」の捉え方についての知識を獲得する。 ・「科学の正しさ」に対する社会からの影響について説明できる。 | 皆吉淳平 | |
6 | 科学と社会:「イグ・ノーベル賞」から考える | ・「イグ・ノーベル賞」の精神を知り、その意義について説明できる。 ・現代社会における「科学」がどのような状況に置かれているかを説明できる。 | 皆吉淳平 | |
7 | 技術と社会:聴診器と自転車 | ・技術と社会の関係として技術決定論と技術の社会的構成論について説明できる。 | 皆吉淳平 | |
8 | 技術と人間:ルイス・マンフォードをめぐって | ・マンフォードが先駆的に示した技術と人間との相互作用論について説明できる。 | 皆吉淳平 | |
9 | 科学技術とリスクと信頼 | ・現代社会におけるリスクの特性を説明できる。 ・社会学における「リスク」概念と「信頼」概念について説明できる。 ・「リスク」と「信頼」の関係を社会学的に説明できる。 | 皆吉淳平 | |
10 | 専門家としろうと:チェルノブイリと牧羊農夫たち | ・公衆の科学理解をめぐる議論から専門知識とは何かを説明できる。 ・「専門家としろうと」の関係について、専門知識の観点から説明できる。 | 皆吉淳平 | |
11 | 医療技術と人間・社会(1):生殖補助技術と人間の願望 | ・テクノロジーと願望との関係性を生殖補助医療という問題で説明できる。 | 皆吉淳平 | |
12 | 医療技術と人間・社会(2):改造される人間とテクノロジー | ・テクノロジーと願望との関係性をエンハンスメントという問題で説明できる。 | 皆吉淳平 | |
13 | 「そう遠くない未来」をめぐって | ・テクノロジーと人間の関係を映像作品を通して説明できる。 | 皆吉淳平 | |
14 | 科学技術をめぐる社会と倫理 | ・これまでの授業のまとめ | 皆吉淳平 | |
15 | 習熟度確認および解説 | 皆吉淳平 |
定期試験 | 期末試験(60%)・・・授業内容の理解度と社会学的概念を用いた議論の展開力を確認する。 |
中間試験 | 中間テスト(小テスト)(25%)・・・授業内容の理解度を確認する。日程は授業内で発表する。 |
小テスト | |
レポート | |
その他 | 平常点(15%)・・・授業内課題およびコメントペーパーの提出状況等にもとづく。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 指定教科書はない | ||
参考書 | 『科学技術社会論の技法』 | 藤垣裕子編 | 東京大学出版会、2005年 |
参考書 | 『文化の社会学』:とくに「科学と技術」についての章 | 井上俊・伊藤公雄編 | 世界思想社、2009年 |
参考書 | 『科学論の現在』 | 金森修・中島秀人編 | 勁草書房、2002年 |
参考書 | 『科学の社会史 ルネサンスから20世紀まで』 | 古川安 | ちくま学芸文庫、筑摩書房、2018年 |
参考書 | 『科学技術社会学の理論』 | 松本三和夫 | 木鐸社、1998年 |
参考書 | 『ルイス・マンフォード』 | 木原武一 | SD選書189、鹿島出版会、 1984年 |
その他 | 必要に応じて資料を配布する。 |
1 | 【事前学修】 次回講義で取り上げる歴史的な出来事(過去の事例)や用語・人物について調べてくる課題を示す。 【事後学修】 授業中の疑問点をまとめ、配布資料等を利用し、次回授業までに解決しておくこと。 【必要時間】 当該期間に30時間以上の予復習が必要。 |
1 | ・授業内容に関する質問や相談については、授業終了後に対応します。 ・「医療や科学技術のことは専門家に任せておけばよい」あるいは「医療や科学技術は一方向的に社会に影響を与えるもの」と言って思考停止しない学生を歓迎します。 ・試験やレポート・コメントペーパー等については、講義の中での解説等のフィードバックを行います。 ・この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解すること。 ・学部・学科により開講学期が違います。時間割等で確認してください。 |
講義 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 |
学部・学科により開講学期が違う場合があります。時間割等で確認してください。