科目名分類学年卒業認定との関連
日本国憲法講義1年半期選択・2単位
担当者(※は責任者)
※大滝恭弘(医療共通教育研究センター), 加藤大裕(医療共通教育研究センター)

授業の概要

本講義では、憲法の人権分野における重要な判例を取り扱います。
本講義の主な目的は二つあります。
一つは、受講者が普段あまり触れることのない憲法の概要を理解することです。憲法は、我が国の法体系の頂点に位置しますが、あまりその本質について学んだことはないと思います。まずは、憲法とは何かについて学習しましょう。
もう一つは、受講者の法的素養を涵養することです。医療は法律と複雑に絡み合っているにもかかわらず、医療従事者はこれまで法的素養を養う機会に恵まれませんでした。司法の考え方に触れてみましょう。
本講義では、主に医療に関連した判例を取り扱います。
受講者は、事案を自らの頭で十分に考察し、自分なりの結論を導いてみてください。

授業の到達目標

①憲法の本質について説明できる。
②私人間効力について説明できる。
③幸福追求権について説明できる。
④平等原則(平等権)について説明できる。
⑤精神的自由権について具体的に説明できる。
⑥経済的自由権について具体的に説明できる。
⑦社会権について具体的に説明できる。
⑧参政権について説明できる。
⑨国家賠償請求権について説明できる。

授業形式

講義

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1憲法総論立憲主義の基本から憲法を概観できる。大滝恭弘
加藤大裕
2私的自治と私人間効力私的自治の原則と憲法の私人間効力を具体的事例を説明できる。
参考判例:三菱樹脂事件(最高裁昭和48年12月12日)
大滝恭弘
加藤大裕
3幸福追求権(自己決定権)自己決定権に対する裁判所の考え方を具体的事例を説明できる。
参考判例:輸血拒否訴訟事件(最高裁平成12年2月29日)
大滝恭弘
加藤大裕
4幸福追求権(名誉権・プライバシーの権利)プライバシー権の内容について具体的事例を説明できる。
参考判例:「石に泳ぐ魚」事件(最高裁平成14年9月24日)
大滝恭弘
加藤大裕
5平等原則平等原則の概念について具体事例を説明できる。
参考判例:非嫡出子相続分差別事件(最高裁平成25年9月4日)
大滝恭弘
加藤大裕
6信教の自由信教の自由について具体的事例を説明できる。
参考判例:剣道受講拒否事件(最高裁平成8年3月8日)
大滝恭弘
加藤大裕
7表現の自由表現の自由について具体的事例を説明できる。
参考判例:立川テント村事件(最高裁平成20年4月11日)
大滝恭弘
加藤大裕
8表現の自由知る権利について具体的事例を説明できる。
参考判例:レセプト情報公開請求事件(最高裁平成13年12月18日)
大滝恭弘
加藤大裕
9経済的自由権精神的自由権と経済的自由権の異同について具体的事例を通じて学習する。
参考判例:薬局開設距離制限事件(最高裁昭和50年4月30日)
大滝恭弘
加藤大裕
10経済的自由権職業選択・遂行の自由について具体的事例を説明できる。
参考判例:医業類似行為の禁止(最高裁昭和35年1月27日)
大滝恭弘
加藤大裕
11財産権財産権について具体的事例を説明できる。
参考判例:予防接種事故訴訟(東京地裁昭和59年5月18日)
大滝恭弘
加藤大裕
12社会権生存権を主体に社会権について具体的事例を説明できる。
参考判例:朝日訴訟(最高裁昭和42年5月24日)
大滝恭弘
加藤大裕
13参政権参政権について具体的事例を説明できる。
参考判例:外国人の地方参政権(最高裁平成7年2月28日)
大滝恭弘
加藤大裕
14国家賠償請求訴訟国家賠償請求訴訟について具体的事例を説明できる。
参考判例:ハンセン病国家賠償訴訟(熊本地裁平成13年5月11日)
大滝恭弘
加藤大裕
15授業振り返り 習熟度調査大滝恭弘
加藤大裕

成績評価の方法および基準

定期試験試験100%
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他試験は講義内で取り扱った事例を対象とします。
発言を行った者等に対し、加点します。よく考えられた発言に対してはさらに加点します。
授業妨害に対しては厳格に対応し、その者には単位を付与せず、その後の履修も認めません。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考書「憲法(第6版)」芦部信喜(岩波書店, 2015)
参考書憲法判例百選I・II(第7版)長谷部恭男、他(有斐閣, 2019)
参考書はじめての憲法教室-立憲主義の基本から考える水島朝穂(集英社新書, 2014)
その他1回の講義では、原則としてひとつのテーマを検討します。

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1【事前学修】
 講義は、事前にLMS上に掲載する資料に沿って進めるため、受講者は準備して講義に臨んでください。また、各参考判例は裁判所のホームページで検索できるため、参考にしてください。
【事後学修】
 授業中の疑問点をまとめ、教科書等を利用し、次回授業までに解決しておくこと。
【必要時間】
 内容に習熟するためには、当該期間に30時間以上の予復習が必要であると考えます。

その他の注意事項

1試験やレポート等に対し、講義の中で解説等のフィードバックを行います。
この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解しておいてください。
学部・学科により開講学期が違います。時間割等で確認してください。

主な関連科目

講義1年
2年
3年
4年
5年
演習1年
2年
3年
4年
5年
実習1年
2年
3年
4年
5年

メモ

学部・学科により開講学期が違う場合があります。時間割等で確認してください。