科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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有機化学4 | 講義 | 3年 | 前期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※忍足鉄太(創薬化学), 田畑英嗣(創薬化学) |
これまで学んできた有機化学を復習しながら、特に医薬品の構造に含まれる官能基や特徴的な部分構造(エステルやアミド、アミン、複素環など)の化学的性質及び反応性についてより深く学びます。また、生体内成分の構造と作用を有機化学の観点から学びます。これらをもとに、医薬品の化学構造と薬理作用が深く関わっていることを理解しましょう。
医薬品と生体成分との相互作用を理解する観点から、
1)カルボン酸及びその誘導体の構造的な特徴と化学的な性質を説明できる。
2)アミンなどの含窒素塩基性化合物の構造的な特徴と化学的な性質を説明できる。
3)ヘテロ環化合物の構造的な特徴と化学的な性質を説明できる。
教科書及びプリントを併用して講義を行います。出席状況と講義内容の理解度を把握するために原則として毎回、講義の終わりにLMSを利用して小テスト(ポストテスト)を実施するため、講義の際にタブレットやノートPCなどの携帯可能な端末を持参するようにしてください。また、必要に応じて演習的な内容も加味します。なお、プリントは教科書の内容を理解するための手段であり、基本的には教科書を精読して理解することが大切です。
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | カルボン酸の構造・物理的性質・酸性度 | カルボン酸の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) カルボン酸の酸性度を比較して説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④2 C3(3)⑥1 C3(3)⑦1 |
2 | カルボン酸の反応 | カルボン酸の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④2 C3(3)⑥1 |
3 | カルボン酸誘導体の性質と反応 (1): カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物、エステル | カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド)の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④3 C3(3)⑥1 |
4 | カルボン酸誘導体の性質と反応 (2): アミド、カルボニルα位での反応、ニトリル | カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド)の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) ニトリル類の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④3 C3(3)⑥1 C3(3)⑦2 |
5 | アミン類の構造と塩基性 (1) | アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) 含窒素化合物の塩基性度を比較して説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)⑤1 C3(3)⑦2 C3(3)④3 |
6 | アミン類の構造と塩基性 (2)、アミン類の求核性 (1): 総論 | アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)⑤1 C3(3)⑦2 C3(3)④3 |
7 | アミン類の求核性 (2): 求電子的な炭素原子との反応、求電子的な窒素原子との反応 | アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④1 C3(3)④3 C3(3)⑤1 C3(3)⑦2 |
8 | アミンの性質と反応 (3): アミンの酸化反応、アミンの脱離反応 | アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる(知識) 官能基が及ぼす電子効果について概説できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)⑤1 C3(3)⑦2 |
9 | アミンの合成法 | アミンの代表的な合成法について説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(3)④3 C3(3)⑤1 C3(3)⑦2 |
10 | 生体内アミン、ヘテロ環化合物 (1):総論 | 代表的な生体内アミンを列挙し、化学的性質を説明できる(知識) 生体内に存在する代表的な芳香族複素環化合物を列挙し、構造式を書くことができる(知識) 代表的な芳香族複素環化合物の性質を芳香族性と関連づけて説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C4(1)①1 C4(1)①2 |
11 | ヘテロ環化合物 (2):π過剰芳香族ヘテロ環 | 代表的な芳香族複素環化合物の性質を芳香族性と関連づけて説明できる(知識) 代表的な芳香族複素環化合物の求電子置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明できる(知識) | 忍足鉄太 | C3(2)③4 C3(2)③5 C4(1)①1 C4(1)①2 |
12 | ヘテロ環化合物 (3):π不足芳香族ヘテロ環、核酸塩基 | 代表的な芳香族複素環化合物の性質を芳香族性と関連づけて説明できる(知識) 代表的な芳香族複素環化合物の求電子置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明できる(知識) 生体内に存在する代表的な芳香族複素環化合物を列挙し、構造式を書くことができる(知識) | 忍足鉄太 | C3(2)③4 C3(2)③5 C4(1)①1 C4(1)①2 |
定期試験 | 原則として100%:マークシートによる客観試験と筆記試験を併用して評価します。 |
中間試験 | 実施しません。講義の中程で確認テストを行いますが(LMS上で実施予定)、これは皆さんに自分の理解度を認識してもらい、その後の学修に役立てていただくためのものであり、成績評価の対象には含みません。ただし、履修要項に記載の通り、確認テストを未受験の場合、原則として再試験の受験資格を失うので必ず受験するように注意してください。 |
小テスト | 各回の講義終了時に出席状況とその日の講義内容の理解度を確認するためにTYLAS上で小テスト(ポストテスト、正誤問題や多肢選択問題、10問程度)を実施します。この結果は原則として成績評価には用いませんが、小テストに未回答の場合や(例えば、白紙で送信するなど)明らかに真剣に対応していないと考えられる場合には(カードタッチを行っていても)その回の講義に欠席したものと判断するので注意すること。別途、何回かの講義が終わった段階で小テスト形式の課題を実施する予定ですが、それらも成績評価の対象には含みません。ただし、ポストテストへの対応状況が良好な(具体的には、60%以上正解のものを10回以上回答している)者に対して、定期試験の成績が合格点を5点を越えない範囲で下回る場合に限り、5点を超えない範囲で加点をする可能性があります。 |
レポート | 0% |
その他 | 履修要項に記載の基準に従い、定期試験の受験を認めない場合があります。 毎回、講義の終わりに実施するポストテストの結果を出欠確認や受講態度の判断材料として利用することがあります。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ベーシック薬学教科書シリーズ5 有機化学 | 夏苅英昭、高橋秀依 編 | 化学同人 |
参考書 | 知っておきたい有機反応100 | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |
参考書 | 構造式手帳 | 伊藤 喬編著 | 京都廣川書店 |
その他 | プリント(教科書の内容を補足するためのもの)を随時配信し、必要に応じて印刷したものも配布します。このプリントは教科書の内容を補足するためのものです。毎回の講義には必ず教科書を持参するようにして下さい。 |
1 | 初回の講義までに、2年次までの講義内容、特に2年次後期の有機化学3で学修したカルボニル化合物の化学(教科書12章)について充分に復習しておいて下さい。 |
2 | 講義開始後、当面は前回の講義内容を1〜2時間程度復習して、疑問点を解消してから次の講義に臨むだけでも充分かと思います。有機化学が苦手な人に対しては、初回に配布する資料に各回の講義についての教科書の当該ページを示しておきますので、講義の前に通読しておき(教科書の当該範囲の通読だけなら30分から1時間以内で対応可能)、あらかじめよく分からない点を把握したうえで受講して、なるべく講義時間中に疑問点を解消することを強く推奨します。教科書を通読しても理解できなかった内容について、特に注意を傾けて受講することにより効果的な学習が可能になります。(ちなみに、初回の講義では教科書の259〜69頁の内容について、お話しします。) |
3 | この講義は1.5単位ですので、予習・復習等の準備学習に必要な最低限の時間数は.43.5時間であり、1回の講義あたり3.625時間となります。各回の講義後に配信する資料中に、その回の講義の復習や次回の講義に向けて準備すべき事項について言及するので確認するようにして下さい。 |
1 | この講義では毎回きちんと復習をすることが必要不可欠です。講義内容を正しく理解することが大切であり、やみくもに丸暗記をするような学習方法では単位の取得は困難です。疑問点を次回の講義に繰り越さず、なるべく早目に解明するように心掛けてください。講義資料は事前に配信しておくので意欲のある諸君が予習をすることは可能です。また復習として、講義内容をきちんと理解することが重要であり、理解を伴わない暗記のみでは本科目の単位の取得は困難です。不明な点は次回の講義に繰り越さず、毎回、その週のうちに解決するように心掛けて下さい。疑問点があれば、定期試験や追試験の直前にではなく、随時、遠慮なく質問しに来て下さい。また、試験はすべての配信資料に目を通していることを前提に実施しますので、確認漏れの無いように十分に注意して下さい。 |
2 | 医療現場で他職種の方、特に医師や看護士に対して適切な薬物治療について根拠を示して説明するためには、マテリアルとしての薬の本質を把握していなければなりません。「くすり」の名前をカタカナで丸暗記するのではなく、医薬品の「化合物としての構造」を理解し、体内動態を含めた物理的及び化学的性質を類推できるようになることが大切です。薬の大半が有機化合物であることは厳然たる事実であり、有機化学は薬学部で学ぶすべての科目の根幹です。構造式を大切に学びましょう。特に、この講義では後半に医薬品の構造中に多く見られるヘテロ環(複素かん)化合物が登場します。これらの名称と構造式については、特にしっかりと覚えるようにしてください。 |
3 | 有機化学は積み重ねが大切です。1~2年次に学んだ関連科目(基礎化学・有機化学1~3)を復習し、内容をよく理解しておいてください。また、この科目の認定試験の受験対象者(4年生)には課題を課しますが、それと同じものを3年生にもあらかじめ配信しておくので自己学習の際に参考にしてもらうと良いでしょう。(但し、3年生に対しては添削は実施する予定はありません。) |
4 | 試験や小テスト等に対して、解説資料の配布(または配信)、或いは講義時間中や演習時間中の解説などによりフィードバックを行います。また、試験はすべての配信資料に目を通していることを前提に実施しますので、確認漏れの無いように十分に注意して下さい。 |
5 | この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解すること。 |
講義 | 1年 | 基礎化学、有機化学1 |
2年 | 有機化学2、有機化学3 | |
3年 | 医薬品化学1、生薬学・天然物化学 | |
4年 | 医薬品化学2、基礎薬学特論2(化学系薬学) | |
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | 薬学演習 | |
5年 | ||
実習 | 1年 | 薬学実習1(薬学実習入門) |
2年 | 薬学実習3(有機化学・分析化学) | |
3年 | ||
4年 | ||
5年 |