科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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放射薬品学 | 講義 | 3年 | 後期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※宮田佳樹(薬物治療学), 長田洋一(薬学教育研究センター) |
現代の医療現場において、放射線や放射性同位元素は診断・治療に汎用されており、薬剤師としてこれらに用いられる医薬品に関する知識は必要不可欠なものとなっています。また、薬剤師は、国民の健康の維持と公衆衛生の向上に貢献する者として、環境中の放射線や放射性同位元素に関する正しい知識を国民に伝える役割も担っています。本科目では、放射線や放射性同位元素の、1)基本的な知識とその取扱い、2)人体への影響、3)環境衛生における問題点と対応、4)医療における利用について学びます。なお本科目では、講義形式だけでなくグループディスカッション(SGD)やクリッカーを用いたチーム基盤型学習(TBL)といった授業形式も取り入れ、本科目の内容を学ぶ意義について考える機会や学んだ内容の理解を深める機会を設けます。
① 放射線および放射性同位元素の基本的事項とその取り扱いについて説明できる。
② 環境衛生分野や医療分野に関わる放射線および放射性同位元素の人体への影響について説明できる。
③ 代表的な画像診断技術を列挙し、その原理と適応、画像診断薬について説明できる。
④ 診断や治療に用いられる放射性医薬品を列挙し、その適応と安全な使用・管理について説明できる。
教科書とプリントを使った講義(10回)、グループディスカッション(SGD)を含んだ講義(1回)、チーム基盤型学習(TBL)による演習(1回)
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | 放射化学の基礎(1) | 原子の構造、放射線の種類、放射能について説明できる(知識) | 宮田佳樹 | C1(1)④1,2 |
2 | 放射化学の基礎(2) | 放射性壊変、放射平衡、ジェネレータによる放射性同位元素の製造について説明できる(知識) | 宮田佳樹 | C1(1)④1,3,4 |
3 | 放射線と物質の相互作用 | 電離放射線と物質との相互作用、放射線量を表す単位について説明できる(知識) | 宮田佳樹 | C1(1)④2 |
4 | 放射線の測定 | 放射線測定の原理、測定器について説明できる(知識) | 宮田佳樹 | C1(1)④5 |
5 | 核反応と放射平衡 | 原子核反応、原子炉および加速器による放射性同位元素の製造について説明できる(知識) | 宮田佳樹 | C1(1)④4 |
6 | 身の回りの放射線と被曝 電離放射線の生体への影響(1) | 環境中の放射線の被曝と人体への影響について討議する(態度) 環境中に存在する主な放射性核種(天然、人工)を列挙し、生体との相互作用を説明できる(知識) | 宮田佳樹 長田洋一 | D2(1)④1,2,4 |
7 | 電離放射線の生体への影響(2) | 人に影響を与える電離放射線の種類を列挙し、生体への影響を説明できる(知識) | 長田洋一 | D2(1)④1,2 |
8 | 電離放射線の防護と関連法規 | 電離放射線に対する防護の方法および放射線に関する法律について説明できる(知識) | 長田洋一 | D2(1)④3 |
9 | 医療における放射線(1) | 代表的な画像診断技術と画像診断薬(造影剤)について説明できる(知識) | 長田洋一 | C2(6)②5 E1(2)②6 F(2)⑤5 |
10 | 医療における放射線(2) | 代表的な放射性医薬品の種類と用途、保管管理方法を説明できる(知識) | 長田洋一 | C2(6)②5 E1(2)②6 F(2)⑤5 |
11 | 医療における放射線(3) | 代表的な放射性医薬品の種類と用途、保管管理方法を説明できる(知識) | 長田洋一 | C2(6)②5 E1(2)②6 F(2)⑤5 |
12 | 総括 | まとめと演習(TBL) | 宮田佳樹 長田洋一 | C1(1)④1~5 C2(6)②5 D2(1)④1~4 E1(2)②6 F(2)⑤5 |
定期試験 | 90% マークシートによる客観試験と筆記・論述試験を併用して評価する。 |
中間試験 | 0% |
小テスト | 8% TBLにおける個人テストとグループテストにより評価する。 |
レポート | 2% SGDの課題に対するレポートで評価する。 |
その他 | 0% |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 放射薬品学 | 小佐野博史、志村紀子、原武衛、坂本光、奈良場博昭、岸本成史、小原東也 | 南江堂 |
参考書 | なし | ||
その他 | プリント |
1 | 各授業回の事前学修として、指定した教科書や講義プリントの次回授業部分に目を通し、これまでに履修した科目(物理化学3、生命科学2、機器分析学、分子生物学など)で学んだ専門用語があればその意味等を改めて理解しておくこと(各授業回につき100分程度)。 |
2 | 各授業回の事後学修として、授業で配布する確認問題を解答して自己採点を行い、理解が不足している箇所や記憶が曖昧な事項について教科書や講義プリントを確認し、理解しておくこと(各授業回につき120分程度)。 |
3 | 履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。 |
1 | 現代社会では、放射線の知識は欠かせません。新聞、ニュースの放射線関連記事に目を通し、社会で何が問題になっているか、自分は何が分からないか、を区別することが学びの出発点です。いたずらに怖がるのではなく、正しく怖がる姿勢を身につけてください。 |
2 | レポート(第6回)やTBL(第10回)については、フィードバックとして授業内に解説を行います。確認テストと午後演習については、実施後に解説プリントを配信します。 |
3 | この科目の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し理解すること。 |
講義 | 1年 | 基礎化学、基礎物理化学、生命科学1、生命科学2 |
2年 | 物理化学3、病態・薬理学1(精神、神経・筋、感覚器)、病態・薬理学2(ホルモン、生殖器、骨)、エコサイエンス、薬理学3(感染症・悪性腫瘍)、機器分析学 | |
3年 | 病態・薬理学3(循環器)、病態・薬理学4(血液・造血器、代謝)、分子生物学 | |
4年 | 薬物治療学3(臨床検査・悪性腫瘍)、薬物治療学4(感染症・統合演習1)、基礎薬学特論1(物理・分析系薬学)、衛生薬学特論(健康と環境) | |
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | 薬学統合演習1 | |
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | 薬学実習9(実務実習事前学習) | |
5年 |
皆さんが放射線についてどこまで正しい知識を身につけているかを認識すると同時に、現代社会における放射線に関する現状と問題点を共有し、今後どのようなことを学び何を解決してゆかなければならないか、問題提起をするSGDの時間を設けました。共有した問題点を理解し解決するために必要な知識を、以降の講義で順次説明してゆきます。放射薬品学は幅広い分野の統合により成り立つ学問です。教科書は自ら学ぶ教材として、予習および復習に有効に活用してください。