科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
---|---|---|---|---|---|
生命と物質のサイエンス | 講義 | 1年 | 後期 | 選択・2単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※大胡惠樹(医療共通教育研究センター) |
これから医学,薬学,医療技術を学ぶものとして,生命の維持や生体の恒常性を保つための優れたメカニズムを学ぶことは必須である。例えば,呼吸性/代謝性のアルカローシス/アシドーシス,イオンチャンネルとシグナル伝達など,様々な機構が生命の維持に関わっている。生体内の恒常性維持のための機構に関して,もう少しミクロな観点から眺めてみると,微量元素の存在や生命維持のために必要な酵素群が見えてくる。ヒトの体は,有機物であるので,その構成元素はほぼ,C,H,N,Oなどの元素であるが,その他に,鉄,銅,亜鉛,マンガンなどの金属元素も微量元素として必須なものが多数ある。これらの金属元素を利用しているのが,金属酵素群である。この金属酵素としてよく知られているものには,鉄を利用するヘムタンパク,フェレドキシン,トランスフェリンや亜鉛や銅を利用するSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)などがあり,呼吸,貯蔵,代謝,電子伝達など,生命活動に必須な多彩な働きを担っている。
そこで「生命と物質のサイエンス」では,これらの生命の維持,恒常性を保つためのメカニズムと物質,分子の関係を学ぶことを目的とする。これらの金属や分子,金属酵素などが関与する疾病の例などをトピックスとして挙げ,基礎科学と臨床医療の関係についても学ぶ。これらのサイエンスの歴史,考え方,原理,技術と先端医療との関係を非常に基礎的なところから学んでいく。
①生体の恒常性を保つメカニズムを説明できる。
②基本的な酵素群の働きを説明できる。
③生体のメカニズムを理解するための基本的な研究の概略を説明できる。
④医学的・薬学的・工業的応用の概略を説明できる。
講義
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
---|---|---|---|---|
1 | 生命と物質のサイエンスで学ぶ内容を総論的に説明できる。生体内の化学の概略を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
2 | 生体を構成する元素と生理作用に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
3 | 酸—塩基と化学平衡の基礎を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
4 | 酸—塩基と呼吸, 代謝に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
5 | 生体において重要な酸化—還元の基礎を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
6 | 生体における酸化−還元の実際を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
7 | 生体反応における反応速度に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
8 | 結晶場,配位子場理論に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
9 | 生体関連金属錯体に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
10 | 呼吸(酸素の運搬と貯蔵)に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
11 | 酸素の活性化と酸素化反応に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
12 | 生体系における金属イオンの輸送に関して説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
13 | イオンチャンネルと機能及び疾病の関係性を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
14 | 医療と生物無機化学の関係性(医学,薬学,工業的応用)を説明できる。 | 大胡惠樹 | ||
15 | 講義のまとめ(生命と物質に関する理解を深める) | 大胡惠樹 |
定期試験 | |
中間試験 | |
小テスト | |
レポート | |
その他 | 毎回、講義内で行う小テストの結果を合算して評価する(100%)。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
参考書 | 生物無機化学 | 増田秀樹・福住俊一 | 三共出版,2005 |
参考書 | 薬学のための無機化学 | 桜井弘 | 化学同人,2005 |
その他 | プリントを配布 |
1 | 【事前学修】 高校化学レベルの知識があることが前提となるので,高校化学未履修の場合は,高校教科書・参考書で事前に化学の学習をしておくことが大切です。 【事後学修】 授業内容が判らないときは,放課後などを利用し,担当教員に質問してわからない部分を明らかにし,以降の学習に役立てることが重要です。 【必要時間】 当該期間に30時間以上の予復習が必要。 |
1 | レポート、課題等に対し、講義の中での解説等のフィードバックを行う。 この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解すること。 |
講義 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 |
学部・学科により開講学期が違う場合があります。時間割等で確認してください。