科目名分類学年卒業認定との関連
医療界のワーク・ライフ学講義1年前期選択・1単位
担当者(※は責任者)
※大久保由美子(医学部), 大滝恭弘(医療共通教育研究センター), 安達三美(生化学講座), 酒本瑞姫(スポーツ医療学科), 藤原優子(物理薬剤学), 中村英里(薬学実習推進研究センター), 大谷浩樹(診療放射線学科), 関玲子(臨床検査学科)

授業の概要

 2020年10月現在、我が国の労働力人口総数は6,910万人、うち女性の労働力人口は2,990万人で、産業別では医療・福祉の分野が1位であり、医療人材で女性の割合が非常に多くなっている。ところが経済発展の指標となるOECD諸国において女性医師や研究者の割合は日本が最低であり、さらに世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数は、全世界153か国中日本は121位と、昨年の110位からさらに順位を下げている。女性の社会活用が遅れている背景には、人手不足による長時間労働をはじめとする労働環境と女性の性別役割分業といった大きな二つのハンディがあることが知られている。
 全8回で構成される「医療界のワーク・ライフ学 ―将来のキャリアプランを考えるために―」では、医療の分野で、男女共にいきいきと働き、仕事も家庭も両立できる新しい生き方を提案する。行動目標は、医療界で活躍できる人材を育成するために、必要な知識や現場の実態を知ってもらい、将来に備えてどのように人生計画をたてていけばいいのか自ら考える即効性のある実践力を養う。そして将来、自らがロールモデルとなり後進の育成に活力を与え現場でのポジティブな連鎖を創ることを期待したい。受講対象者として医療界の男女共同参画とワーク・ライフ・バランスについて学ぶ意欲のある学生を歓迎する。内容が身近に感じられるように、学生自身が参加するグループワークやグループディスカッションなどアクティブ・ラーニングを取り入れて授業を進める。 本科目は、実務経験(医師・薬剤師・看護師・弁護士)のある教員が担当する授業が含まれる。

授業の到達目標

医療の分野で男女共にいきいきと働き、仕事も家庭も両立できる新しい生き方を提案する。
行動目標は、
①医療界で活躍できる人材を育成するために、必要な知識や現場の実態を知り、将来に備えてどのように人生計画をたてていけばいいのか自ら考える能力を有している。
②自らがロールモデルとなり後進の育成に活力を与え現場でのポジティブな連鎖を創ることに貢献できる。

授業形式

講義

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1男女共同参画の現状と女性活躍推進のための取組1) 男女共同参画の意義について説明できる。
2) 日本の働く女性の現状を説明できる。
3) 女性の活躍推進のための取り組みを知り、自らのキャリアを考えながら、講義の流れを説明できる。
4) 自分が生き生きと過ごす将来についてイメージできる。
KW: ジェンダーギャップ指数、M字カーブ、女性活躍推進法、医学教育、看護教育、薬剤師教育
大久保由美子
2ジェンダーと法1)社会学的な性であるジェンダーについて説明できる。
2)ジェンダーと平等原則について概説できる。
3)ジェンダーと民事法・刑事法の関わる問題について概説できる。
4)ジェンダーと労働のあり方について意見を述べることができる。
KW: ジェンダー、平等原則、不法行為、刑法、労働基準法、育児介護休業法
大滝恭弘
3医療界における女性の就労問題1)医療界における男女の就労機会格差について説明できる。
2)帝京大学における男女共同参画社会の構築の取り組みについて説明できる。
KW: ハラスメント、ワーク・ライフ・バランス、性別役割分業、環境整備、能力向上支援
安達三美
4看護職者のキャリアデザインと個人のキャリアアンカー1)キャリアとはなにか、キャリアデザインとはなにか説明できる。
2)看護職のキャリアについて知識を得、自身の将来について考えることができる。
3)事例をもとにキャリアの主要な段階について説明できる。
4)キャリアアンカーについて知識を得、キャリアを歩む自己に向かい合うことができる。
KW: 看護職、キャリアデザイン、キャリアアンカー
酒本瑞姫
5薬学研究者・薬剤師のキャリアデザイン
-キャリアプラン作成グループワーク演習-
1)大学・大学院卒業後の研究者のキャリア・パスを説明できる。
2)薬剤師のキャリア・パスを説明できる。
3)ワーク・ライフ・バランスを念頭におき、将来に向けて自分自身のキャリアプランを作成できる。
KW: 研究者、薬剤師、ワーク・ライフ・バランス、キャリアプラン
藤原優子
中村英里
6診療放射線技師のキャリアデザイン1)放射線への不安を解消し適切な放射線診療とは何かを考えられる。
2)診療放射線技師の国際的感性と技術について説明できる。
3)診療放射線技師のキャリアについて考えられ、将来展望を描ける。
KW: 診療放射線技師、キャリアデザイン
大谷浩樹
7医療女性人材のキャリアデザイン1)体験談を聴くことによって、自らの進路や将来について考えることができる。
2)大学で学ぶことと社会で働くことの関連性を説明できる。
3)自分の人生を主体的に生きるために必要な要素について考えることができる。
KW: 自己実現、ライフイベント、ワーク・ライフ・バランス、職業理解、理系選択女子、キャリアビジョン
関玲子
8習熟度確認大久保由美子

成績評価の方法および基準

定期試験期末試験を60%
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他授業内課題を40%

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しない。
参考書ワーク・ライフ・バランスのすすめ村上文(著)法律文化社、2014年
参考書仕事のための12の基礎力~「キャリア」と「能力」の育て方大久保 幸夫 (著)日経BP社、2004年
参考書若手医師のためのキャリアパス論-あなたの医師申請を10倍輝かせる方法岡西 徹 著メディカルレビュー社
その他帝京大学女性医師・研究者支援センターHP. http://www.teikyo-u.ac.jp/affiliate/laboratory/support_center/

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1【事前学修】前回授業後に記入した「まとめシート」を確認し、次回授業に向けて意見・問題点をまとめておくこと。
【事後学修】「まとめシート」を参考に授業の疑問点を抽出し、配付資料や参考文献で確認、次回授業までに解決しておくこと。 
【必要時間】当該期間に15時間以上の予復習が必要。

その他の注意事項

11回欠席につき5点を減点。
試験やレポート等に対し、講義の中での解説等のフィードバックを行う。
この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解すること。

主な関連科目

講義1年
2年
3年
4年
5年
演習1年
2年
3年
4年
5年
実習1年
2年
3年
4年
5年

メモ

学部・学科により開講学期が違う場合があります。時間割等で確認してください。