科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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製剤学2 | 講義 | 2年 | 後期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※黄倉崇(製剤学) |
製剤学は治療効果をもつ有効成分を投与可能な製剤にするための学問です。製剤学を含む薬剤学は医療者の中で薬剤師のみが修める学問で、有効で安全な薬物治療を追求する薬剤師にとって欠かすことはできません。製剤学2では、注射剤や点眼剤など液状製剤を中心に、理論編と実践編に分けて学びます。理論編(教科書第1章~4章、第1回~第6回授業)では日本薬局方における各剤形の定義、製法、試験法、容器や貯法について学び、実際の製剤の添付文書に基づいて添加剤や組成、使用上の注意事項について学びます。実践編(教科書第5章~9章、第7回~12回授業)では、輸液の処方設計や注射剤の配合変化など、より実践的な内容について学びます。これらの授業を通して、それぞれの患者に最適な剤形や製剤を提案・説明するための知識を学びます。卒業後、薬剤学的視点から問題意識を持ち、自ら判断して解決のために行動でき、その結果に責任が持てるよう、製剤学2の授業を通して薬剤師として活躍するための基礎能力を磨くことを期待します。
①患者の状態および医薬品の用途に応じた適切な製剤を用いた薬物治療を実践するために、注射剤や点眼剤などの液状製剤について日本薬局方で規定されている剤形の種類、定義と特徴、製造法と添加物、試験法、貯法・容器について説明できる。
②液状系製剤について、製剤学的特徴と添加物の役割り、代表的な製剤例について説明できる。
③輸液を含めた無菌製剤、血液製剤、消毒薬、院内・薬局製剤を臨床で用いる際に必要な基本的知識、等張化や輸液の処方設計、生物学的同等性を説明できる。
教科書を使った講義と問題演習を行う。事前学修用講義プリントを配信し、授業後LMSテストで事後学習課題を実施、質問等を受け付ける。
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | 製剤学と日本薬局方(教科書第1章) | 薬剤師の職能発揮に不可欠な製剤学を含む薬剤学の学問体系について理解し、日本薬局方の意義と構成、通則、製剤総則について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | B(2)②8,E5(2)①1 |
2 | 目、耳、鼻に適用する製剤(教科書第2章2-1~2-4) | 目、耳、鼻に適用する製剤の定義と特徴、製造法と添加物、試験法、貯法・容器、製剤例について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | E5(2)①3,E5(2)②1~4 |
3 | 等張化計算(教科書第2章2-5) | 点眼剤の等張化計算ができる。(知識・技能) | 黄倉崇 | E5(2)①3 |
4 | 注射により投与する製剤(教科書第3章3-1-1~3-1-4) | 注射剤の定義と特徴、注射剤の投与経路による分類と製剤学的分類、製造法と添加物について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | E5(2)①4,E5(2)②1~4 |
5 | 注射剤試験法、注射剤小分類剤形、透析に用いる製剤(教科書第3章3-1-5~3-3) | 注射剤の試験法、注射剤小分類剤形と透析に用いる製剤の定義と特徴、製造法と添加物、試験法、貯法・容器、製剤例について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | E5(2)①4,E5(2)②1~4 |
6 | 様々な部位に適用する液状製剤と生薬関連製剤(教科書第4章) | 経口液剤、吸入剤など様々な部位に適用する製剤のうち主に液状製剤と生薬関連製剤の定義と特徴、製造法と添加物、試験法、貯法・容器、製剤例について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | E5(2)①2,3,5,6,E5(2)②1~4 |
7 | 輸液の基礎知識と輸液製剤の種類(教科書第5章5-1~5-2) | 輸液処方設計に必要な輸液の基礎知識、輸液製剤の種類について概説できる。(知識) | 黄倉崇 | F(3)③5,6 |
8 | 栄養療法と中心静脈栄養処方設計(教科書第5章5-3~5-4) | 栄養療法と中心静脈栄養処方設計について概説し、投与エネルギー量を計算できる。(知識・技能) | 黄倉崇 | F(3)③5,6 |
9 | 注射剤調製と配合変化(教科書第6章) | 注射剤の無菌調製と配合変化、その理由について説明できる。(知識) | 黄倉崇 | F(2)③5,6,15,17 |
10 | 血液製剤(教科書第7章) | 血液製剤の種類と特徴、取り扱いについて説明できる。(知識) | 黄倉崇 | F(2)⑤4, B(2)②9 |
11 | 院内製剤・消毒薬の供給と管理(教科書第8章) | 院内製剤・薬局製造販売医薬品(薬局製剤)・消毒薬の供給と管理について説明できる。(知識) | 黄倉崇 | F(2)⑤6,7,F(2)⑥6, |
12 | 投与経路と生物学的利用能(教科書第9章) | 適用部位や剤形により異なる吸収過程を理解し、生物学的利用能と生物学的同等性について説明できる。(知識) | 黄倉崇 | E5(2)③1 |
定期試験 | 100点 マークシートを用いた客観試験により授業の到達目標の到達度を評価し、等張化や輸液の処方設計等の知識については計算問題として1~2割程度出題します。 |
中間試験 | 0点 中間試験は実施しませんが、第1回から6回まで授業内容(教科書理論編、第1章~4章)を学んだあとに日本薬局方収載剤形まとめの演習問題を配信します。 |
小テスト | 0~12点 各回授業後、事後学修のための課題をLMSテストで実施します。各回の課題の取り組みと質問内容等に応じて加点(最大12点)することがあります。 |
レポート | 0点 |
その他 | 0点 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 液状系製剤学 | 黄倉 崇 | 京都廣川書店 |
参考書 | 第17改正日本薬局方解説書 | 第17改正日本薬局方解説書編集委員会 | 廣川書店 |
参考書 | HANDY INTELLIGENCE 日本薬局方 | 平野裕之、市川秀喜 | 京都廣川書店 |
参考書 | 製剤学・物理薬剤学 | 坂根稔康・唐澤健・栄田敏之編集 | 廣川書店 |
1 | 製剤学2の理解には、2年前期に学んだ物理薬剤学と製剤学1の知識が必要ですので、復習して製剤学2の授業に臨んでください。 |
2 | 事前学修について:事前学修のため、講義資料を配信します。該当ページの教科書を読み、配信資料の空欄を埋めて授業に臨んでください。必要な時間は各授業当たり2時間程度です。 |
3 | 事後学修について:事後学修のため、課題をLMSテストで実施します。各回の課題の取り組みと質問内容等に応じて加点することがあります。必要な時間は各授業当たり2時間程度です。 |
4 | この講義は1.5単位ですので、予習・復習等の準備学習に必要な最低限の時間数は43.5時間であり、1回の講義あたり3.625時間となります。 |
1 | 製剤学を学ぶには、日本薬局方の知識が欠かせませんので、日本薬局方を参照してください。 |
2 | なぜ、同じ薬物に対して複数の剤形があるのか、なぜ、数多くの剤形が治療において使い分けられているのかを考えながら授業を受講してください。 |
3 | 製剤学で学ぶ製剤の多くは、5年次の実務実習で、実際に手にする製剤です。これら製剤が患者にとって有益であるばかりでなく、医療従事者にとっても安全かつ簡便に扱えるような様々な工夫が込められています。製剤に込められた様々な工夫を学んでください。 |
4 | 事後学修のための課題、演習問題に対し、解答、解説資料を配信し、フィードバックを行います。 |
5 | この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し理解すること。 |
講義 | 1年 | |
2年 | 物理薬剤学、製剤学1 | |
3年 | 調剤学、薬物動態学、生物薬剤学 | |
4年 | 薬物動態制御学 | |
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | 薬学演習 | |
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | 薬学実習4(物理化学、生化学、薬剤学) | |
3年 | ||
4年 | 薬学実習8(実務実習事前学習)、薬学実習9(実務実習事前学習) | |
5年 |
第17改正日本薬局方をダウンロードしてください。