科目名分類学年卒業認定との関連
感染免疫学講義3年前期必修・1.5単位
担当者(※は責任者)
※本間光一(病態分子生物学), 青木直哉(病態分子生物学)

授業の概要

 私たちの健康は巧みな防御機構(免疫機構)に守られています。本講義では、細菌・ウイルス・真菌などの構造や性状と微生物が引き起こす感染症について学びます。そして、私たちがこれらの病原微生物から身を守るための免疫機構と代表的な病気・薬について学びます。

授業の到達目標

感染症および免疫微生物学の基本をマスターすることを目的に、細菌・ウイルス・真菌などの構造や性状とこれらの微生物が引き起こす感染症、免疫機構と代表的な病気・薬を概説できる。

授業形式

教科書とプリントを使った講義、問題演習

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1免疫学総論(1)
細菌感染に対する防御反応と抗体産生
保菌と感染、炎症、マクロファージ、マスト細胞、樹状細胞、炎症性サイトカイン、ケモカイン、脂質メディエーター、抗体とその役割、細菌防御のストーリー、自然免疫と抗体による体液性免疫、リンパ管、B細胞、抗原提示細胞、T細胞、抗原提示と補助刺激因子、CD4陽性ナイーブT細胞の分化、ヘルパーT細胞のサイトカイン、IgG産生について説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(1)①1~4
2免疫学総論(2)
ウイルスに対する防御反応
細菌とウイルスの違い、ウイルスの細胞内侵入、ウイルス感染における自然免疫と細胞性免疫、ウイルス感染細胞の抗原提示、細胞傷害性T細胞の増殖と活性化、活性化マクロファージ、体液性免疫と細胞性免疫、中和抗体について説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(1)①1~4
3免疫学総論(3)
免疫に関わる物質・細胞
補体、抗体の構造と働き、IgMからIgGへ、IgAと局所免疫、抗原、白血球、好中球、単球・マクロファージ、樹状細胞、NK細胞とNKT細胞について説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(1)②1~3
4免疫学総論(4)
リンパ球
B細胞の分化とメモリーB細胞、B細胞とクラススイッチ、T細胞の発生と分化、ヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞、Th1とTh2の関係、Th17とTregの関係、細胞傷害性T細胞による細胞破壊、胸腺によるT細胞の教育、B細胞・T細胞の多様性について説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(1)②1~5
5免疫学総論(5)
免疫と病気1
炎症のメカニズム、アレルギー反応、I型・II型アレルギーについて説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(2)①1~6,C8(2)②1~4
6免疫学総論(6)
免疫と病気2
III型・IV型アレルギー、先天性免疫不全、AIDS、がんと免疫、SIRSと敗血症について説明できる(知識)。問題演習青木直哉
C8(2)①1~6,C8(2)②1~4
7感染微生物学総論(1)
感染微生物総論
微生物の種類、歴史、感染症と生体防御システムの概略について説明できる(知識)。問題演習本間光一
C8(3)①1
8感染微生物学総論(2)
細菌感染症(1)
細菌の性質と細菌感染症について説明できる(1)(知識)。問題演習本間光一
C8(3)②1~6,C8(3)⑤1~2,,C8(3)⑥1~3,C8(4)①1~2,C8(4)➁3~7
9感染微生物学総論(3)
細菌感染症(2)
細菌の性質と細菌感染症について説明できる(2)(知識)。問題演習本間光一
C8(3)②1~6,C8(3)⑤1~2,,C8(3)⑥1~3,C8(4)①1~2,C8(4)➁3~7
10感染微生物学総論(4)
ウイルス感染症(1)
ウイルスの性質とウイルス感染症について説明できる(1)(知識)。問題演習本間光一
C8(3)①1,C8(3)➂1,C8(4)①1~2,C8(4)②1~2
11感染微生物学総論(5)
ウイルス感染症(2)、真菌感染症
ウイルスの性質とウイルス感染症について説明できる(2)(知識)。真菌の性質と真菌感染症について説明できる(知識)。問題演習本間光一
C8(3)①1,C8(3)➂1,C8(3)④1,C8(4)①1~2,C8(4)②1~2,8
12感染微生物学総論(6)
原虫感染症、プリオン感染症、抗微生物薬、微生物の活用
原虫の性質と原虫感染症について説明できる(知識)。プリオンとプリオン感染症について説明できる(知識)。感染症からヒトを守る戦略と微生物の利用について説明できる(知識)。問題演習本間光一
C8(3)④2,C8(4)②9

成績評価の方法および基準

定期試験100% マークシートによる客観試験にて評価します。
中間試験0%
小テスト0%
レポート0%
その他出席点は加味しません。
教科書を必ず持参するようにしてください。予習課題と復習課題を必ずやるようにしてください。遅刻、途中退席、打刻忘れ、指定された席以外での受講は、欠席扱いとなるので注意して下さい。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書休み時間の免疫学 第2版齋藤 紀先講談社
教科書イラストでわかる微生物学超入門 病原微生物の感染のしくみ齋藤 光正南山堂
参考書イラストレイテッド微生物学(第2版)櫻井 純南山堂
参考書ベーシック薬学教科書シリーズ15 微生物学・感染症学土屋 友房 編化学同人
参考書ベーシック薬学教科書シリーズ10 免疫学山元 弘 編化学同人
その他プリント

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1免疫・微生物学に関する基本的知識は、皆さんが薬剤師として生命現象を正しく理解できる鍵となります。毎回の講義内容の予習と復習をそれぞれ2時間ずつするようにしてください。
2履修についての【1】単位制についてを参考に予復習が必要になります。
3次回の授業内容を予習し、専門用語の意味等を理解しておいてください。
4授業中の疑問点をまとめ、教科書、プリント等を利用し、次回の授業までに解決しておいてください。

その他の注意事項

1微生物学では、微生物の名前と構造、機能を関連付けて理解するように努めましょう。食中毒や感染症関連の新聞記事やニュースを積極的に視聴しておきましょう。
2抗生物質は、作用点別に整理するとよいでしょう。抗ウイルス薬や抗真菌薬の種類は少ないので、知識として定着できるようにしましょう。院内感染や薬剤耐性菌を扱った科学特集記事やテレビ番組などがあったら講義前に内容を把握しておきましょう。
3免疫学は、理屈抜きに暗記しても役立ちません。生命現象の流れを意識して理解するようにしてください。1年生の生命科学の講義内容を事前に復習しておきましょう。
4試験やレポート等に対し、解説等のフィードバックを講義内に行います。
5この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し理解すること。

主な関連科目

講義1年基礎生物学
2年生理学2
3年分子生物学
4年基礎薬学特論3(生物系薬学)
5年
演習1年
2年
3年
4年薬学演習
5年
実習1年
2年
3年薬学実習7(がん、感染症、代謝性疾患)
4年
5年

メモ