科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
---|---|---|---|---|---|
病態・薬理学5(腎・循環器・高血圧) | 講義 | 3年 | 前期 | 必修・1.5単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※小野景義(薬効解析学) |
心臓、循環器系および、腎臓・泌尿器系について、その疾患の病態生理およびそれらの治療薬の薬理作用機序を学びます。それぞれの病態を、生理学で学んだことを踏まえて基本から理解すること、そして、その上に立って、それぞれの疾患に対する治療薬がヒトの体のどの標的に作用し、どのような細胞内機序を介して治療効果を現すのかを学びます。更に、治療薬の重要な副作用や使用上の注意点についても、基本的な知識を修得します。薬の名前を覚えるのが目標ではないことを改めて十分に理解して下さい。
・循環器系、泌尿器系の代表的な疾患がなぜ起こるのかについての理解を深める。
・上記に対する治療薬が体の何処に(臓器、器官、細胞)働き、どのように(細胞膜受容体、イオンチャネル、細胞内情報伝達の動き)して疾患を治すのかについて、しっかりと「説明出来る」ように知識を積み重ねていく。
・上記を通じて、体の正常な働きについて生理学、生化学視点から改めて基本を問い直すことを目標とする。
教科書と配布資料(資料はLMSで配信)を使った講義を行います。各項目につき、問題意識を持って講義に臨めるようにするため、適宜、あらかじめ講義内容を確認問題の形で配信します。また、適宜、講義終了時点でその日の講義内容に対する理解度を測り、学生相互の切磋琢磨を図るため、小テストを実施し、結果を公開します。講義は、予習を前提とします。シラバスに沿って毎回の配信資料と教科書の該当箇所を読んで来ること。新型コロナウイルス感染症の状況次第でZoomを用いたオンライン形式での講義となる可能性があります。
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
---|---|---|---|---|
1 | 循環器系の疾患(1) | 心臓、循環器系の構造、機能の基本を説明出来る(知識)。心不全、虚血性心疾患について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-2,3 |
2 | 循環器系疾患とそれに作用する薬(1) | 心不全の病態を理解し、治療薬の薬理作用機序、適応、副作用について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-2 |
3 | 循環器系の疾患(2) | 虚血性心疾患の病態について説明出来る(知識)。閉塞性動脈硬化症について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-3 E2-3-1-5 |
4 | 循環器系疾患とそれに作用する薬(2) | 虚血性心疾患治療薬の薬理作用機序、適応、副作用について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-3 |
5 | 循環器系の疾患(3) | 不整脈の病態、発生機序について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-1 |
6 | 循環器系疾患とそれに作用する薬(3) | 抗不整脈薬の作用機序について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-1 |
7 | 腎疾患と治療薬(1) | 糸球体腎炎、腎不全、慢性腎臓病(CKD)について説明できる(知識)。ネフローゼ症候群と治療薬について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-3-2,3,5 |
8 | 腎疾患と治療薬(2) | 糖尿病性腎症、薬剤性腎障害について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-3-5 |
9 | 腎臓・尿路の疾患と治療薬(1) | 蓄尿・排尿の生理、過活動膀胱、低活動膀胱と病態について説明できる(知識)。前立腺肥大と治療薬、尿路結石と治療薬について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-3-4,5 |
10 | 尿生成機構と利尿薬 | 腎臓の構造・機能、尿生成の仕組みについて説明できる(知識)。利尿薬の薬理作用、作用機序、主な副作用 について説明できる(知識)。電解質異常の治療薬について説明できる(知識)。 | 小野景義 | E2-3-3-1 |
11 | 循環器系の疾患(4) | 高血圧症の成因、高血圧症の病態について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-4 |
12 | 循環器系疾患とそれに作用する薬(4) | 高血圧治療薬の作用機序について説明できる(知識)。 高血圧症の成因、高血圧症の病態を理解し、治療薬の薬理作用機序、適応、副作用について説明出来る(知識)。 | 小野景義 | E2-3-1-4 |
定期試験 | マークシートによる客観試験と筆記・論述試験を併用して評価します(95%)。授業中に行う小テストの総合点を総合評価に加味します(5%)。 |
中間試験 | 0% |
小テスト | 理解の状況を教員、学生相互に把握するために適宜、講義中に小テストを行う。事前学習が出来ているかを適宜判断し、成績判定に反映させる。このため、授業中に行う小テストの総合点も、成績判定に加味する。(5%成績評価に加味する ) |
レポート | 0% 原則としてレポートの提出は求めない。 |
その他 | 「確認テスト」を正当な理由なく欠席した場合は、履修要項の規程に則り、追再試験の受験資格を失う。 出席点は加味しないが、寝ている、雑談、無断退出など、受講態度が不良な場合には、欠席扱いとする。 定期試験の成績が平均点を著しく下回る場合、再試験は認めるが相応の減点をするか、再試験の受験を認めないことがある。 出席登録システムを悪用した不正な出席登録、無届けでの早退登録、講義中の無断での不在が判明した場合は、「事情の如何を問わず」、定期試験の受験資格を剥奪し、再試験も認めない。医療者を目指す学生諸君のマナー遵守と真摯な受講を求める。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | ブランニューアプローチ 新釈薬理論(改訂版) | 小野 景義、忍足 鉄太 著 | 京都廣川書店 |
教科書 | 病気がみえるVol.2(循環器) 第4版 病気がみえるVol.8(腎・泌尿器) 第3版 | 医療情報科学研究所 編集 | メディックメディア |
教科書 | パートナー薬理学 改訂第3版 | 石井邦雄、栗原順一、田中芳夫 編集 | 南江堂 |
参考書 | 治療薬マニュアル | 高久史麿、矢崎義男 監修 | 医学書院 |
参考書 | シンプル生理学 | 貴邑富久子、根来英雄 編集 | 南江堂 |
参考書 | 薬がみえるVol. 1(第1版) | 医療情報科学研究所 編集 | メディックメディア |
その他 | 講義プリント(資料配信)。適宜、必要な図表をプリントにて配布する。理解度をチェックし、学生相互で切磋琢磨を促すため、講義途中または終わりに簡単な小テストをLMSで実施する。 |
1 | 履修についての【1】単位制についてを参考に、予習・復習を行うことが必要です。具体的にすべきことは下記を参照のこと。 |
2 | 1、2年次の関連科目(次頁)が、講義の内容を真に「理解する」のに重要です。体のしくみについては1年次の科目を、薬理学の基礎については2年次の科目を、しっかり復習し、用語の意味および概念を正しく理解しておいて下さい。これらの科目の教科書や授業プリントをいつでも参照できるようにしておくことを勧めます。薬理学については、自律神経系を理解することを根幹と位置づけ、受容体、細胞内情報伝達を幹として、薬の「作用機序を理解」しておくこと。授業プリントの練習課題および、該当する国家試験の問題を利用して、事前に授業内容について必要と思われる事項をノートに書き出しておくこと。 |
3 | 事前学修について: 関連すると思われる科目、カリキュラムマップで関連が明示されている科目の対応する箇所を自ら見つけ出し、用語や概念を復習し、十分に理解しておくこと。それなしに授業に臨むと、全くついて来ることは出来ません。また、授業内容に該当する教科書のページを事前に読んでから授業に臨むこと。予め配信する講義資料の練習課題を解き、解答をノートに記入しておくこと。予習2時間程度が必要です。 事後学修について: 講義資料に付加する練習問題を利用して、講義の内容が理解できているかを確認すること。さらに、薬剤師国家試験問題の該当箇所を解いてみることを通じて、講義内容の理解を深めること。復習2時間程度が必要です。 |
1 | さまざまな病態をよく理解するためには、体の正常な機能をしっかり理解しておくことが当然求められる。機能形態学や生理学、生化学など、体の仕組みに関して習った知識を総動員し、活用することが必須です。1、2年次および3年前期の関連する科目の教科書やプリントをその都度復習しておかないと、授業内容を真に理解してついて来ることができなくなります。 |
2 | 薬理学は、薬の名前を覚えるのが目的ではないということを常に意識しておくこと。多くのカタカナの薬名が登場しますが、それを覚えることよりも体の側の標的とそこに働く薬の作用機序を理解することの方が遥かに重要です。 |
3 | 薬の「標的」をまずしっかりと「理解」すること。その上で、それぞれの標的に作用する薬物の名前を覚えること。薬の名前は反復学習によって覚えられます。薬の名前、分類、作用標的、適応のどれからも他を想起できることを目標にして学習を進めて下さい。薬の作用や薬物動態は、その化学構造と密接に関連しています。常に化学構造にも関心を持って下さい。基本的な化学構造の名前と物性(酸・塩基、溶解度など)を、有機化学で習う知識を活用して勉強することを勧めます。主な薬物の化学構造を自分で実際に描いてみることを勧めます。 |
4 | 理解の状況を教員が把握し、学生相互でも把握するために、講義前または講義中に適宜、小テストを行う。また、必要に応じて小テストに対する解説等のフィードバックを行う。これらを通じ、事前学習が適切に出来ているかを適宜判断し、状況に応じて成績判定に反映させる。小テストの総合点も、成績判定に加味する(ただしオンライン授業の状況次第)。 |
5 | この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連をカリキュラム・マップを参照し、理解しておくこと。 |
講義 | 1年 | 生理学1、機能形態学、薬科生物学 |
2年 | 薬理学1(総論・末梢神経)、薬理学2(情報伝達・神経)、生理学2 | |
3年 | 病態・薬理学3(呼吸器・消化器)、病態・薬理学4(代謝・血液・骨)、医薬品情報学、薬物治療学1(総論・臓器別治療1) | |
4年 | ||
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | 薬学演習 | |
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | 薬学実習5(薬理学) | |
4年 | ||
5年 |