科目名分類学年卒業認定との関連
薬学実習9実習4年前期必修・1.5単位
担当者(※は責任者)
※鈴木亮(薬物送達学), 黄倉崇(製剤学), 宮田佳樹(薬物治療学), 日下部吉男(薬物治療学), 黒澤俊樹(薬物動態学), 小俣大樹(薬物送達学), 長田洋一(薬学教育研究センター), 中谷絵理子(製剤学), 赤下学(製剤学), 宗像理紗(薬物送達学), 藤井智彦(中央RI), 三本拓也(中央RI), 出口芳春(薬物動態学), 小佐野博史(薬物治療学)

授業の概要

 薬剤学および薬物治療学に関わる総合的な実習を行う。①薬物の生体膜透過性に及ぼすpHの影響および油水分配係数、代表的な注射剤等の配合変化について理解し説明できる。②個別化薬物治療を計画・立案するため、TDMの知識と技能、注射薬の調製法を通して、チーム医療における薬剤師の役割を学ぶ。③処方箋の処方意図を判断し、適正な薬物治療に貢献するとともに、リスク管理、過誤事例の対応方法を討論する。④放射性医薬品の安全な取扱いと管理を体験する。⑤院内製剤の必要性を理解し調製する。⑥注射剤・輸液の使用における基本的手技と注意点を理解する。
本科目は、実務経験(薬剤師)のある教員が担当する授業が含まれます。

授業の到達目標

①薬物の生体膜透過性を概説できる。
②放射性医薬品の安全な取扱いを実践できるようになる。
(以下、実務実習で実践できる基礎を十分に身に付ける)
③投与計画とチーム医療におけるTDMを実践できるようになる。
④代表的な処方箋の処方意図を説明できる。
⑤院内製剤の調製、輸液の処方設計を実践できるようになる。

授業形式

全体を4グループに分け、それぞれのグループが薬物送達学、薬物治療学、薬物動態学、製剤学の各実習を2回ずつ行います。薬物治療学担当の処方解析とリスク管理はSGDで行い、放射性医薬品は地下2階の中央RI教育・研究施設で実施します。(放射線管理区域内での実習は本学独自の方略の一つです) 

授業計画

項目内容担当コアカリ
番号
1薬物の生体膜透過性モデル薬物(安息香酸、アスピリン)のpH2〜7の緩衝液中での分子形とイオン形の割合を測定し、Henderson—Hasselbarch式と生体膜透過性について理解する。(技能)鈴木亮
小俣大樹
E4(1)①1,E4(1)②3
2配合変化・DDS製剤代表的な注射剤・散剤・水剤等の配合変化の組み合わせとその理由を理解する。アドヒアランス向上にむけたDDS製剤の製剤設計について理解する。(技能)鈴木亮
小俣大樹
F(2)③5,F(3)③3
3TDMに基づいた投与計画1抗菌薬のTDMを通して、個別化投与計画法(薬物選択、生体試料の取り扱い、測定法、動態学的計算法)を習得する。(技能)出口芳春
黒澤俊樹
C1(3)①2,4,E4(2)②1〜3,
E3(3)⑤1,
F(2)③6, 7,
F(2)⑥5
4TDMに基づいた投与計画2TDMに基づいた注射剤調製(手洗い、無菌操作、抗悪性腫瘍薬の調製)、およびチーム医療における薬剤師の役割を理解する。(技能)出口芳春
黒澤俊樹
F(3)③2,
F(4)①1
5処方解析とリスク管理実際の処方例から、効果、副作用、アドヒアランスの向上を討論する。インシデント、アクシデントの実例を解析し、その原因、リスク回避とその後の対応を討議する。(技能・態度)小佐野博史
宮田佳樹
日下部吉男
F(2)⑥3,
F(3)③3,
F(2)⑥7
6放射性医薬品の安全な取扱い放射性同位元素の安全な取扱い、放射線防護に必要な方法、および放射性医薬品の調製方法について理解する。(技能)宮田佳樹
日下部吉男
長田洋一
藤井智彦
三本拓也
C1(3)①2,4,F(2)⑤5実際の線源を用いる部分は、大学独自の実習
7院内製剤院内製剤の意義、調製上の手続き、品質管理を理解し、調製する。(技能)黄倉崇
中谷絵理子
赤下学
F(2)⑤6
8注射剤・輸液輸液などの注射剤使用のために必要な知識、基本的手技と注意点について習得する。(技能)黄倉崇
中谷絵理子
赤下学
F(2)⑥6,
F(3)③4,
F(3)③5

成績評価の方法および基準

定期試験50% マークシートを用いた客観試験を実習終了後に実施。
中間試験0%
小テスト0%
レポート各パートで採点し、その他の12.5%に含まれる。
その他原則として欠席を認めません。
50%(12.5%x4 パート) 各担当パートで実習態度のルーブリック評価、レポートの採点を行う。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書実習書
教科書治療薬マニュアル高久史麿、矢崎義雄 監修医学書院
教科書薬の生体内運命丸山一雄 編集ネオメディカル
教科書放射薬品学著者・編者:小佐野博史、志村紀子、原武衛、坂本光、奈良場博昭、岸本成史、小原東也南江堂
参考書なし
その他実務実習に行く前に(DVD) 帝京大学薬学部

事前事後学修の内容およびそれに必要な時間

1この実習は1.5単位ですので、予習・復習等の準備学修に必要な最低限の時間数は19.5時間であり、1回の実習あたり2.438時間となります。
2事前学修:講義該当箇所の「実務実習に行く前に(DVD)」を観てください。前回の授業内容(プリント等)を復習し、用語の意味等を理解しておくこと。事後学修:授業中の疑問点をまとめ、教科書、プリント等を利用し、次回の授業までに解決しておくこと。

その他の注意事項

1この事前学習を通じて基本的な薬剤師職務を理解し、医療人として一定レベルの技能、態度を身につけてから医療現場での実習に臨んでください。
2実習を通して医療において薬剤師が果たすべき役割についてよく考えてください。
3試験やレポート等の対し、解説等のフィードバックを行います。
4この科目と学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連)について、カリキュラム・マップを参照して理解すること。

主な関連科目

講義1年
2年製剤学1、製剤学2、物理薬剤学
3年生物薬剤学、薬物動態学、放射薬品学
4年薬物治療学2(臓器別治療2)、薬物動態制御学
5年
演習1年
2年
3年
4年
5年
実習1年
2年
3年
4年薬学実習8(実務実習事前学習)、薬学実習10(実務実習事前学習)
5年薬学実務実習(病院・薬局)

メモ