科目名 | 分類 | 学年 | 期 | 卒業認定との関連 | |
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ヘルス・コミュニケーション | 講義 | 1年 | 半期 | 選択・2単位 | |
担当者(※は責任者) | |||||
※橋本章子(臨床検査学科) |
ヘルス・コミュニケーションとは、主に医療や公衆衛生領域で健康的な環境作りに貢献できるコミュニケーション能力である。当講座では、健康的な環境作りのキーパーソンとして、倫理的配慮をもちながら社会に貢献できる医療人を育成するためのプレゼンテーション能力や議論する能力、適切な医療情報を提供できる能力を磨く。さらに、気づかずに身に着けてしまった固有の認知スタイルやコミュニケーションの癖を知り、同様に他者にも固有の特性があるという多様性を理解する。基本的な精神療法や心理療法の知識に触れ、日常的に繰り返されるコミュニケーション・パターンが招く難治性の症状や疾患についての理解を深め、症状緩和や症状改善に寄与するコミュニケーションの力についても先行研究や事例から学習する。患者様やそのご家族との良好な関係を築きながら症状改善やアドヒアランス(治療意欲)の向上に寄与するコミュニケーションスキルを身に着ける。最終的に《へルス・コミュニケーションの本質とは何か》を議論し考察する。授業では、なぜ医療の世界に生きたいと考えたのか、動機付けに働きかける作業を行う。医療人としての存在意義を明確にすることは、ヘルス・コミュニケーション能力の向上だけではなく、医学領域の専門家としての意識を高め、チーム医療の担い手として、また公衆衛生の担い手としての心を磨く機会になる。
①ヘルス・コミュニケーションの重要性と意義を説明できる。
②ヘルス・コミュニケーションの本質を理解し、医療者、患者、市民、メディア、政策担当者など全ての人の行動変容に及ぼす影響について説明できる。
③医療人としての自覚をもち、他者との適切な関わりや倫理面の配慮について説明できる。
講義
回 | 項目 | 内容 | 担当 | コアカリ 番号 |
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1 | ヘルス・コミュニケーションとは何か | 保健・医療コミュニケーションの意義と医療リテラシーの重要性について説明できる。描画というコミュニケ―ションツールを使い、学生同士の自己紹介を行い、他者の意見から自己理解を深めることができる。 | 橋本章子 | |
2 | 健康面での適切な意志決定に関わるヘルス・リテラシーを理解し、説明できる。疾患をつくり、治癒させるコミュニ―ション力を事例をもとに考え、議論できる。 | KW:へルス・リテラテシ―、悲哀排除症候群 | 橋本章子 | |
3 | 事例から考えることができる。 | ①何故、希死念慮が生じたのか、②何故、治癒したのか。感情と認知のバランが疾患を招く可能性について考え、議論し、共有した結論を発表できる。事例からへルス・コミュニケーションの本質を考え、説明できる。 | 橋本章子 | |
4 | 心身相関を考える。腹痛、下痢、蕁麻疹、めまいなど・・ | ①疾病利得という考え方を説明できる。②ストレスの身体症状化について説明できる、③曖昧なコミュニケーションやコミュニケ―ション不足が招く症状と、カウンセリング的機能のあるコミュニケ―ションの違いを説明できる。 KW:アサーション、ストレスコーピング | 橋本章子 | |
5 | 内観法を活用できる。自己を知り、他者を知ることで、どのような医療人を目指すのか、仲間に説明することができる。命の尊厳について説明できる。 | KW:内観、自己受容、他者受容、多様性 | 橋本章子 | |
6 | 心理学的な検査法を使った自己理解について意識でき、説明できる。無意識に形成された気づけないでいること (心理学的質問紙と描画から自身のコミュニケーションスタイルを知る)について述べることができる。 | KW:交流分析、無意識、意識 | 橋本章子 | |
7 | 感染症情報(COVID-19など)を考え、医療人として守秘義務と臨床倫理を尊重しつつ重要情報を共有する際に必要な配慮を説明できる。 | KW:臨床倫理、守秘義務 | 橋本章子 | |
8 | 保険・医療情報の担い手と受け手間では、異文化コミュニケーションの理解や多様性(ダイバーシティ)の理解と限界を知り、説明できる。 | ゲストスピーカー:手塚千鶴子先生 KW:異文化交流、コラージュ実践、ミニ内観 | 橋本章子 | |
9 | 妊産婦や弱者を対象とするヘルス・コミュニケーションの方法、課題について説明できる。-遺伝子検査・治療をめぐる諸問題/ドナーとレシピエント- | KW:臨床倫理 | 橋本章子 | |
10 | 小児・子ども・青少年を対象とするヘルス・コミュニケーションの方法、課題について説明できる。子どもの感性は幼いのか、鈍いのか、それとも鋭いのか?-治験・治療に関する同意能力をめぐる諸問題- | KW:治験、アレキシサイミア | 橋本章子 | |
11 | 高齢患者・障碍者を対象とするヘルス・コミュニケーションの方法、課題について説明できる。高齢者と若年者の違いを考察できる。 | KW:認知症、発達障害、知的障害 | 橋本章子 | |
12 | 専門領域の違いとモラルについて | 新薬の治験を考える。COVID-19のワクチン開発を考え説明できる。 KW:臨床倫理 感染対策 | 橋本章子 | |
13 | 疾患によるコミュニケーションスタイルを説明できる。自身の感じていることを率直に、しかし相手にも相手の主張があることを理解して意見を述べることができる。精神的健康を守るためのアサーション技法について説明できる。 | KW:うつ、人格障害、アサーション、基本的人権 | 橋本章子 | |
14 | 医療人としての役割と、倫理をめぐる諸問題について説明できる。医療情報や疾患情報の提供と留意すべきことを説明できる。 | KW:守秘義務 | 橋本章子 | |
15 | へルス・コミュニケーションのまとめ | 成長戦略としての医療イノベーションを説明できる。医療人として、研究者として、研究成果が社会に貢献する側面と、研究成果にとっての弱者に与える影響と、その両面を推し量る力を養い、説明できる。 KW:研究倫理、表裏一体、コンサルテーション | 橋本章子 |
定期試験 | |
中間試験 | |
小テスト | 小テスト 30% |
レポート | 小レポート 30% |
その他 | プレゼンテーション 30% 授業内課題 10% |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しない | ||
参考書 | 特に指定しない |
1 | 【事前学修】 講義の中で参考資料を紹介するので読んでおくこと。 毎回の授業内容を予習・復習しておくこと。 【事後学修】 講義で説明のあった専門用語の意味・概念を覚え、疑問点や感想などを次回授業の議論に役立てること。 【必要時間】 当該期間に30時間以上の予復習が必要。 |
1 | 試験やレポート等に対し、講義の中での解説等のフィードバックを行うので活用すること。 この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解すること。 |
講義 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
演習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 | ||
実習 | 1年 | |
2年 | ||
3年 | ||
4年 | ||
5年 |