Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:  
文化財科学実習 藤澤 明
選択  2単位
【日本史・文化財学専攻】 18-1-3083-4091-006

1. 授業の概要(ねらい)

 文化財を保存・活用し、歴史を考えるための資料とするためには、自然科学的な手法が不可欠です。材質や技法の分析、原材料の産地や製作地の推定、年代の測定、遺跡出土遺物の保存処理などの分野で、様々な自然科学的な方法による取り組みが行われ、多くの成果をあげています。また文化財は金属・土・岩石・鉱物などの無機物に加え、木材・漆・骨角・貝殻などの有機物といった多様な原材料で構成されているため、それぞれの素材に適応した調査法や保存処理法が必要となります。
 この実習では、火山灰(テフラ)・石器・土器などを構成する岩石や鉱物を観察する方法、機器を用いて文化財の形状や構造を可視化して調べる方法、遺跡から出土した金属製品や木製品の保存処理法、発掘現場での文化財対処法などについて、実際に作業を体験します。

2.
授業の到達目標

 岩石や鉱物を観察する分野では、肉眼観察、ルーペ、実体顕微鏡、偏光顕微鏡などの観察を通し、石器や土器などの文化財の特徴について基礎的知識を習得できる。機器実習では、一連の操作を実体験して、各種測定法を評価できる。遺物の保存処理と現場対処法の分野では、基本的な技術と知識を習得できる。

3.
成績評価の方法および基準

 毎日の授業に関するレポートの内容(50%)と授業に取り組む態度(50%)で評価します。

4.
教科書・参考書

 授業ごとに資料を配布します。

5.
準備学修の内容

 文化財の研究は、歴史的な知識に加え自然科学的な知識が要求されます。理解しづらい理系の用語については、そのままにせず、こまめに調べる習慣を普段からつけてください。

6.
その他履修上の注意事項

 文化財の仕事は、実際にモノに接することが重要な要素となります。実践的なこの実習を一つの機会として、文化財をみる目を養い、造詣を深めてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 岩石・鉱物を野外で観察・採取し、その産状を学ぶ。
【第2回】
 岩石・鉱物を室内で観察し、光学性や組織の特徴から分類を学ぶ。
【第3回】
 関東ローム層試料からテフラを洗い出し、顕微鏡観察でテフラの特徴を学ぶ。
【第4回】
 石器の観察から石材の岩石分類を学ぶ。
【第5回】
 土器の観察から構成岩石鉱物の分類と産地推定の方法を学ぶ。
【第6回】
 機器実習1 X線透過装置を用いて写真撮影と現像法を学ぶ。
【第7回】
 機器実習2 カメラや赤外線スキャナー等を用い、各種光学調査方法を学ぶ。
【第8回】
 機器実習3 顕微鏡を用いた文化財の研究方法を学ぶ。
【第9回】
 金属製品の保存処理1 可搬型蛍光X線分析装置やフーリエ変換赤外分光分析装置を用い文化財の材質分析方法を学ぶ。
【第10回】
 金属製品の保存処理2 金属器のサビ取り方法を学ぶ。
【第11回】
 金属製品の保存処理3 真空含浸装置による鉄器の樹脂含浸法を学ぶ。
【第12回】
 木製品の保存処理1 ポリエチレングリコール法による処理法を学ぶ。
【第13回】
 木製品の保存処理2 トレハロース法による処理法を学ぶ。
【第14回】
 現場での文化財対処法1 遺跡の地層断面はぎ取り法を用いて断面をはぎ取る。
【第15回】
 現場での文化財対処法2 はぎはぎ取った断面の後処理法を学ぶ。