担当者 | 今井 道夫 | |
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学年・開講期 | 1年次 前期 [理工学部 航空宇宙工学科] | |
科目の種類 | 専門基礎 | |
区分・単位 | 選必 2単位 | |
科目ナンバー | 2E101 |
航空機が運用される場である大気は一様ではなく、様々な気象現象を発生します。その影響は、機体の性能、運航そのものの可否を左右することもあり、気象に関する知識は設計者、操縦者だけでなく航空に携わる技術者にとって不可欠なものです。
この講義では、気象に関する基本的な知識として大気の構造、気圧、風等の発生原理、および雲、霧、雷雨等の気象現象を学修し、天気図ならびに気象通報式に関する知識を修得します。この授業は主に講義形式ですが、適宜実習を行います。DP2に関する知識を修得します。
航空機運航に関わる気象の知識、具体的には下記項目の理解、修得することを目標とします。
(1)航空機運航における気象知識の必要性
(2)大気の性質、乱気流を含む風、大気中で発生する気象現象の原理
(3)気象現象を捉えるための視程、気団、前線の性質
(4)天気図、気象通報等の気象情報の意味、見方、利用方法
定期試験(80%)、小テスト(20%)の成績に基づいて評価します。小テストの解答を解説します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書:『気象学のキホンがよ~くわかる本』(岩槻秀明著、秀和システム、ISBN978-4-7980-5367-7) 参考書:『気象学入門』(山岸米二郎著、オーム社、ISBN978-4-274-20989-5) 参考書:『新訂 航空と気象ABC』(加藤喜美夫著、成山堂、ISBN978-4-425-51094-8) 参考書:『図解 パイロットに必要な航空気象』(仁科武雄著、成山堂ISBN978-4-425-51401-4) (前者2冊は気象全般の入門書、後者2冊は航空気象の参考書です。) | ||
参考文献 |
予習として、授業終了時に指示した気象用語の意味を調べてノートに要点を書いてから授業に臨んでください。(1時間)
授業のまとめとして簡単な問題を出題するので、ノートに回答を書いて復習に活用し、講義に持参してください。(2時間)
講義は、高等学校履修レベルの物理(主に熱力学)、地学(主に気象)の知識をベースとします。基本的には講義形式ですが、意見交換や討議など対話形式も適宜取り入れます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 航空と天気、大気:航空機の運航にとって気象知識の必要性、大気の構造を学ぶ。 |
第2回 | 気象情報:天気を調べる手段、気象データの見方、気象通報式の読み方(概要)を学ぶ。 |
第3回 | 天気図:天気図(地上天気図、高層天気図)の見方を学ぶ。 |
第4回 | 気温と気圧:大気における気温の鉛直分布と成層、高度と気圧の関係、気圧高度、気圧傾度力について学ぶ。 |
第5回 | 大気の運動:風の発生原理につながる運動の法則、地球自転の影響(遠心力とコリオリ力)、風の種類(地衡風、傾度風、旋衡風)を学ぶ。 |
第6回 | 運動の法則と大気:大気運動の概念(移流、発散、収束)、ウインド・シアと乱気流について学ぶ。 |
第7回 | 雲と降水(1):雲の分類、積乱雲と航空機への影響、水蒸気の特性、湿潤空気、熱力学的な気象現象の解釈について学ぶ。 |
第8回 | 雲と降水(2):大気の安定度、雲の形成、雨滴の形成など降水の原理について学ぶ。 |
第9回 | METAR,TAFの読み方を学ぶ。 |
第10回 | 地表付近の気象:大気境界層、地表面摩擦、霧と低層の雲、それらに伴う視界と視程への影響について学ぶ。 |
第11回 | 放射と大気の運動:太陽放射、エネルギー収支と大気の運動、気団、ジェット気流について学ぶ。 |
第12回 | 中緯度気団:前線、低気圧近傍の雲と降水、日本付近の気団と前線の性質について学ぶ。台風:熱帯低気圧の構造と発達、そこから発達する台風について学ぶ。 |
第13回 | 中・小規模現象:強制的な擾乱、不安定から生成される現象に起因する中・小規模な気象現象について理解する。 |
第14回 | 予報、警報:数値予報のような気象予報、航空機の運航に関して出される空域予報・警報、悪天予想図等について学ぶ。 |
第15回 | テスト、まとめ |