担当者 | 米田 洋 | |
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学年・開講期 | 3年次 後期 [理工学部 航空宇宙工学科] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 2C304 |
前期の授業「航空宇宙自動制御1」では、フィードバック制御の基本、制御対象の動特性の表現方法(微分方程式とラプラス変換)、ブロック線図による制御系表現法、および基本的な制御技術であるPID(比例+積分+微分)制御技術について学び、コンピュータ実習も行ないました。
この講義は「航空宇宙自動制御1」の続編であり、古典的制御技術の基本を一通り学ぶことと航空機制御技術の理解を深めることが目標です。主に制御系解析ソフトMATLABを使用したプログラミング実習形式ですすめます。
この授業では、DP2に関する専門的知識を習得します。
・固定翌航空機の一般的な制御システムについて、概要を説明できる。
・制御対象システムを時間応答・周波数応答により解析できる。
・ボード線図を描き、安定性を判断できる。
・制御対象システムを状態方程式で表現して解くことができる。
・根軌跡やボード線図を使っての補償器による制御特性改善を理解する。
・実機相当モデルを使った縦制御系特性把握・安定化を理解する。
授業では,ほぼ毎回課題を出し、受講者はその答案の提出が必要です。やむを得ない事情が無い限り、期限までに提出されてなければなりません。(止むをえない事情は、教員まで申し出てください。)
問題の解答や質問への答は、次の授業で説明するとともに、受講者の反応や理解度を把握して、授業を進めます。
資料閲覧にLMSを使います。また、講義中、課題にはMATLABを用います。
成績評価は、期末試験(70%)と、授業中に出した課題の答案内容(30%)で行います。
課題答案を欠かさず提出しないと、単位取得が困難になります。欠かさず出してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | はじめての制御工学 | 佐藤 和也, 平元 和彦, 平田 研二 | 講談社 ISBN 978-4065137475 |
参考文献 | 絵ときでわかる機械制御 | 宇津井 諭 | オーム社 ISBN 978-4274202872 |
参考文献 | MATLAB/Simulinkによるわかりやすい制御工学 | 川田 昌克 | 森北出版 ISBN 978-4627917217 |
参考文献 | 航空機の飛行制御の実際 | 片柳 亮二 | 森北出版 ISBN 978-4627690912 |
参考文献 | 航空機の飛行力学と制御 | 片柳 亮二 | 森北出版 ISBN 978-4627690813 |
参考文献 | 航空機力学入門 | 加藤 寛一郎、大屋 昭男、柄沢 研治 | 東京大学出版会 ISBN 978-4130610438 |
制御工学では、制御する対象の特性を数式(数学モデル)で表わして解析を行ないます。制御モデルは通常、微分方程式やそれを「ラプラス変換」と呼ばれる数学的変換により代数方程式に直した式を用います。また「PID制御」では,微分や積分を用います。一方、制御系の「周波数応答」に基づく解析・設計では、入力と出力の関係を複素数で表わし,対数グラフに表示します。
したがって微分・積分・複素数・対数の基礎を理解していることが授業内容の理解に必要であり、理解不十分な場合はこれらの分野を勉強してください。
またこの授業の理解には,3年前期「航空宇宙自動制御1」の基本を理解していることが必要なので,基本事項の復習をしてください。
予習:次回の授業予定を知らせるので,次回授業までに教科書の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べてノートにまとめて授業に臨んでください。(1.5時間程度)
復習:授業ではほぼ毎回、復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出してください。(1.5時間程度)
受講者は、3年前期の「航空宇宙自動制御1」を履修していることを強く推奨します。
授業内容は、進捗状況に応じて変更する場合があります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 制御工学の基礎、航空宇宙自動制御1の復習 |
第2回 | 制御系の時間応答(1):1次遅れ系(標準形、時定数) |
第3回 | 制御系の時間応答(2):1次遅れ系(インパルス応答とステップ応答)、2次遅れ系(標準形、インパルス応答とステップ応答,固有角周波数と減衰係数、減衰係数の値の違いによる応答の変化) |
第4回 | 制御系の時間応答(3):根、極、零点、特性多項式、2次遅れ系の過渡特性,最終値の定理と定常偏差、状態空間表現 |
第5回 | 航空機の運動と制御技術(1):航空機の機体軸と速度・角速度の表現法、制御システムの概要、旅客機の制御システム、運動方程式、機体の運動モード |
第6回 | 航空機の運動と制御技術(2):安定性増大システム(SAS)−−縦安定と横・方向安定 |
第7回 | 航空機の運動と制御技術(3):姿勢制御システム、高度・方位制御技術 |
第8回 | 航空機の運動と制御技術(4):インフライト•シミュレータ、アクティブ制御技術:CCV機の制御方法、フェイル・セイフ、再構成可能制御 |
第9回 | 制御系の周波数応答(1):周波数応答の考え方、周波数伝達関数、ゲイン・位相と周期波形、複素数と対数の計算、dB(デシベル)表現、ボード線図の描き方と特徴 |
第10回 | 制御系の周波数応答(2):基本要素(積分、微分、1次遅れ系、2次遅れ系など)のボード線図、過渡応答と周波数応答の関係、直列接続系(ボード線図の合成) |
第11回 | 制御系の安定性(1):フィードバック系、閉ループと開ループ伝達関数、内部安定性、特性多項式と安定性、ナイキスト安定判別法、位相余裕とゲイン余裕 |
第12回 | 制御系の安定性(2):PID制御、根軌跡特性根と過渡応答 |
第13回 | 制御系の安定性(3):ループ整形法、補償器による制御特性改善、位相余裕/ゲイン余裕の変更 |
第14回 | 飛行制御設計演習(1):実機相当モデルを使った縦制御系特性把握・安定化 |
第15回 | 飛行制御設計演習(2):縦不安定の機体の安定化 |