担当者 | 芳谷 直治 | |
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学年・開講期 | 1年次 後期 [総合理工学専攻 博士前期課程(修士課程)] | |
科目の種類 | 総合工学 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー |
「システム」とは、相互に関連する複数の要素で成立している「集合体」を意味し、具体例として自然界の「生態システム」、世界全体の「経済システム」、工場の「生産システム」などがあります。「システム工学」とは、このようなシステムの解析や、システムの計画・設計・運用を行なうための技術であり、種々の数学的手法を用います。システム工学は工学分野だけでなく、たとえばバイオサイエンス、環境学、経済学などの分野でも、システムの解析や最適化のために必要であり、重要性を増しています。システム工学の各種手法ではコンピュータを用いるため、授業ではコンピュータ実習も数回行ないます。
この授業のねらいは、システムの表現・シミュレーション方法、システム最適化手法など、システム工学の重要事項を理解して今後のさらなる発展に対応できるとともに、実システムでの問題解決ができるようにすることです。この授業では,理工学研究科の学位授与の方針DP1に関する知識,技法,態度を習得します。
システム工学の基礎として、数学モデルや図的モデルを用いたシステムの表現法と数学モデルの作り方を習得する。
微分方程式で表わされる連続時間システムや待ち行列などの離散事象不規則システムのシミュレーション方法、システムの最適化方法について理解し,簡単なシステムのシミュレーションや最適化をコンピュータを用いて実行できる。
授業中の小問題の答案を50%、実習レポートを50%として評価します。
問題の解答は後の授業で説明するので、正答できなかった場合は、できなかった理由を必ず把握してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | システム工学(新世代工学シリーズ) | 田村 坦之 著 | オーム社, ISBN-13: 978-4274131677 |
参考文献 | 特になし |
この講義では、どの分野の学生にも、またこれまでシステム工学関連の学習をしていなくても理解できるように、基礎に重点を置いて説明します。
講義では微積分などの数学を用いるので、これらの知識不十分な場合は事前学習をしてください。授業では適宜、復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出するとともに,授業で学んだ内容は必ず復習してください(1時間以上)。 また、次回の授業予定を知らせるので、次回までに教科書等の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べて授業に臨んでください(1時間程度)。
当該期間に30時間以上が,上記の予復習,問題解答,レポート作成に必要です。
システム工学の考え方はほとんどの技術分野で使われており、コンピュータの普及により実用性を増しています。この授業で基本と応用力を身につけましょう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | システム工学とは,システムの表現法--数学モデル(1) システムの定義と分類,システム工学の目的,静的モデルと動的モデル,他 |
第2回 | システムの表現法--数学モデル(2) 微分方程式,伝達関数,状態方程式 |
第3回 | システムの表現法--数学モデル(3) 最小二乗法,重回帰分析 |
第4回 | コンピュータ実習(1):Microsoft Excel 使用((2)-(4)の実習も同じ) 重回帰分析によるモデル式作成 |
第5回 | システムの表現法--図的モデル 状態遷移図,有向グラフと有向経路 |
第6回 | 微分方程式とシミュレーション オイラー法,ルンゲ・クッタ法による数値解計算 |
第7回 | コンピュータ実習(2) 微分方程式のシミュレーション(例題:生態システムにおける動物個体数の変動) |
第8回 | 確率分布(1) 一様分布,正規分布,乱数発生 |
第9回 | 確率分布(2) ポアソン分布と指数分布,例題 |
第10回 | 不規則システムとシミュレーション 待ち行列モデルの構成,理論解 |
第11回 | コンピュータ実習(3) 待ち行列のシミュレーション(例題:入園券販売窓口における待ち行列) |
第12回 | システム最適化(1)--線形計画法(LP) 評価関数と制約条件,LP問題の定式化と図的解法 |
第13回 | システム最適化(2)--非線形計画法の概要 最適解の探索,最急降下法 |
第14回 | コンピュータ実習(4) システム最適化(線形計画法,非線形計画法) |
第15回 | 遺伝アルゴリズム(GA),全体まとめ GAの原理と特徴,応用例 |