担当者 | 内野 茂夫 | |
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学年・開講期 | 1年次 後期 [総合理工学専攻 博士前期課程(修士課程)] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー |
脳の高次機能のもととなる、脳の構造、脳をつくる細胞、細胞同士の連携から生まれる神経回路について学習します。さらに、脳の疾患、その原因と現在の治療法について、最新の総説、原著論文を含めて広く解説します。この講義ではDP1およびDP2に関する知識の習得ならびに総合的思考力の養成を行います。
「神経生物学(Neurobiology)」は脳の機能を理解する上で基礎となる非常に重要な学問です。生命活動の基盤となる認知、記憶、情動、運動等は脳がもつ高次機能によって営まれています。また、現在、痴呆や気分障害、発達障害など脳に関わる疾患は大きな社会問題となっています。本講義では、神経生物学を通して、脳の高次機能、さらには脳の疾患について分子・細胞レベルで理解することを到達目標とします。学生は、専門用語を理解しその内容を記述、また、口頭で説明できる。英語の原著論文については、要旨(abstract)ならびに図表を理解し、口頭で説明できる。
講義中の課題発表(およそ70%)ならびに課題レポート(およそ30%)により、総合的に評価します。課題レポートは採点後返却します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『脳の辞典』(ISBN 978-4-415-30999-6) | 坂井建雄、久光正監修 | 成美堂出版 |
参考文献 | 『脳神経科学イラストレイテッド 第3版』(ISBN 978-4-7581-2040-1) | 真鍋俊也、森寿、渡辺雅彦、岡野栄之、宮川剛 | 羊土社 |
参考文献 | 『脳神経ペディア』(ISBN 978-4-7581-2082-1) | 渡辺雅彦 | 羊土社 |
学部での生化学、細胞生物学、動物生理学、分子生物学の基礎知識を前提に講義します。これらの関連科目について、事前に復習しておいて下さい。講義前に指定した原著論文および下記の各回に示した教科書のページを読み、わからない専門用語をノートにまとめておいてください(およそ2時間)。講義後、各回の教科書のページを読み、予習時にわからなかった専門用語について、その内容をノートにまとめてください(およそ1時間)。理解できなかった点は教員に質問するなど各自の対応が必要になります。
教科書を中心として、必要に応じてプリントを配布します。
英語の原著論文や総説も使用しますので、各自辞書を持参してください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 神経生物学入門: 学部講義の細胞生物学および動物生理学の復習を行います。 |
第2回 | 脳の構造1:脳の基本構造(大脳、小脳、海馬、線条体、視床)および神経系(中枢神経、末梢神経)を学習します。 教科書:脳の構造と機能P8〜P13 神経系の構造と機能 P66〜P67、P76〜P79 |
第3回 | 脳の構造2:脳を構成する細胞(ニューロンとグリア細胞)の構造と機能、および機能的神経回路におけるそれらの細胞の相互連関について学習します。 教科書:脳の構造と機能P20〜P21、P28〜P29 |
第4回 | 脳の構造3:シナプスの構造と機能について学習する。特に、シナプスの形成、成熟過程に関わる分子群について学習します。 教科書:脳の構造と機能P22〜P27 |
第5回 | 神経情報伝達の分子機構:機能的神経回路を形成する興奮性シナプスと抑制性シナプスについて学習します。 |
第6回 | 脳の発生・発達:脳発達過程の大脳皮質におけるニューロンの移動と層形成について学習します。 教科書:脳の構造と機能 P16〜P19、P30〜P37 |
第7回 | 神経回路形成・成熟の分子機構:シナプスの形成、刈り込み、維持に関わる分子メカニズムについて学習します。 |
第8回 | 脳の可塑性の分子機構:グルタミン酸受容体をはじめとするシナプス機能分子の役割、ならびに記憶・学習の分子メカニズムについて学習します。 教科書:脳の高次機能と活動 P110〜P123 |
第9回 | 高次脳機能1:認知、記憶、思考の神経科学 これまでの分子神経生物学的学習に加え、大脳皮質や海馬など組織学的見地から学習します。 教科書:脳の高次機能と活動 P110〜P123 |
第10回 | 高次脳機能2:感覚の神経科学 体性感覚および特殊感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚など)の分子メカニズムについて学習します。 教科書:神経系の構造と機能 P90〜P107 |
第11回 | 高次脳機能3:運動の神経科学 運動機能を制御する小脳の神経回路について学習します。 教科書:脳の構造と機能 P46〜P51 神経系の構造と機能 P80〜P89 |
第12回 | 高次脳機能4:こころの神経科学 大脳辺縁系(扁桃体や海馬)を介した情動の表出メカニズムについて学習します。 教科書:脳の高次機能と活動 P124〜P133 |
第13回 | 脳の疾患1:神経変性疾患と脳血管障害 アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの脳疾患について、神経病態と最新の治療法について解説します。 教科書:脳の病気 メカニズムと治療法 P146〜P155 |
第14回 | 脳の疾患2:発達障害と精神疾患 自閉スペクトラム症や統合失調症などの脳障害について、神経病態と最新の治療法について解説します。 教科書:脳の病気 メカニズムと治療法 P156〜P161 |
第15回 | 神経科学の社会的意義 :モデル動物からみた脳神経科学、再生医学 遺伝子改変技術を用いた病態モデルマウスの作製法、ならびにそれらのマウスを用いた最新の研究について解説します。 |