倫理学
担当者金成 祐人
学年・開講期1年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類総合基礎
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー0B141

授業の概要(ねらい)

 「100人を助けるためなら1人を犠牲にしてよいか」「絶対に嘘をついてはいけないのか」「医療のためなら動物実験をしてもよいのか」等々、あなたが考えたことがあるかもしれない問いは、倫理学者が考えてきた問いでもあります。本講義では、倫理学の基本的な学説である帰結主義、義務論、徳倫理学をはじめとして、応用倫理学の様々なテーマについて学びます。みなさんがあたりまえと思っていたことを問いなおし、これまでよりも深く、別の可能性も考えることができるようにしましょう。
 この授業は主に講義形式ですが、教員からの一方的な情報伝達ではなく、ディスカッションの時間を設けると共に、希望者によるプレゼンテーションを行います。
 なお、この授業は、総合基礎科目の学修目標2、3に関連します。

授業の到達目標

・学生は、講義で取り上げる倫理学者の思想内容を理解し、自分の言葉で説明できる。(知識・理解)
・学生は、論理的・批判的に思考できる。(技能)
・学生は、批判的読解ができる、文献を精査できる、プレゼンテーションができる。(技能)
・学生は、オリジナリティのある問いを提起できる。(技能)
・学生は、論述ができる。(技能)

成績評価の方法および基準

・定期試験:80%、講義への積極的な参加(意見を言う、テクストを読む、発表、総括):20%
・毎回の講義にある考察の時間でフィードバックを行います。また、発表についてフィードバックを行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書講義プリントを配布します。
参考文献『入門・倫理学の歴史——24人の思想家——』柘植尚則編梓出版社、2016年
ISBN:978-4872620382
参考文献『功利主義入門——はじめての倫理学』児玉聡筑摩書房、2012年
ISBN:978-4480066718
参考文献『動物からの倫理学入門』伊勢田哲治名古屋大学出版会、2008年
ISBN:978-4815805999
参考文献『宇宙倫理学』伊勢田哲治、神崎宣次、呉羽真昭和堂、2018年
ISBN:9784812217382
参考文献『新版 論文の教室——レポートから卒論まで』戸田山和久NHK出版、2012年
ISBN: 978-4140911945

準備学修の内容

・第2〜11回:毎回の講義の教材は、前もってLMSに掲載されます。その回の講義内容にある問い(例:絶対に嘘をついてはいけないのか)について考え(10〜30分)、LMSの教材を使って予習をして講義に臨んでください(30分)。また、事後学修として、試験に向けて講義内容を要約してください(60分)。
・第12・13回:自分の関心に合う文献を探し、内容を要約してください(60分)。また、発表希望者は発表準備をしてください(120分)。
・第14回:総括希望者は担当する回の講義内容を要約し、短い考察を用意してください(60分)。

その他履修上の注意事項

前期の「哲学」「技術業倫理」とあわせて受講することが望ましいですが、必須条件ではありません。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション(倫理学とは何か)
第2回帰結主義(100人を助けるためなら1人を犠牲にしてよいか)
第3回義務論(絶対に嘘をついてはいけないのか)
第4回徳倫理学(徳のある人とはどういう人か)
第5回動物倫理(医療のためなら動物実験をしてもよいのか)
第6回ロボット倫理学(ロボットにも責任があるのか)
第7回宇宙倫理学(宇宙にゴミを捨ててもよいのか)
第8回人生の意味(人生の意味とは何か)
第9回生命倫理(本人が望んでいるなら安楽死は許されるのか)
第10回道徳的運(道徳的であることに運は関係するか)
第11回ジェンダー論(男と女を何が分けるのか)
第12回プレゼンテーション①
第13回プレゼンテーション②・総括について
第14回総括
第15回試験とまとめ