担当者 | 芳谷 直治 | |
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学年・開講期 | 1年次 通年 [情報科学専攻 (通信教育課程)修士課程] | |
科目の種類 | 専門 | |
クラス | テキスト授業 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー |
社会の各分野における制御技術の必要性は年々高まっており、制御理論や制御技術をより深く理解して応用することは、重要性を増しつつあります。一方,近年の情報技術(IT, Information Technology)の飛躍的発展に伴い,コンピュータ・ソフトウェアを用いた制御系設計・シミュレーションが個人のPCで容易に実行可能となりました。制御理論や制御技術の習得にこのような情報技術を活用すれば,実際の制御系設計・調整を模擬体験することができ,理解を深めるのに大変役立ちます。
この講義では、制御工学の基本を復習した後,基本的な制御手法であるPID制御を習得します.その後,制御性能の向上・最適化を目指して1960年代以降に発達した状態フィードバック制御,最適制御,状態オブザーバーについて学びます。
受講者は,数値計算・シミュレーション用のフリーソフトウェア「Scilab/Scicos」(サイラブ/サイコス)を自分のWindows PCにインストールして,これを用いてテキストの例題や演習問題,レポート課題を解きながら,内容の理解を深めていきます.Scilab/Scicosの使用法を習得すれば,制御工学以外の種々の解析にも役立ちます。
この授業の第一のねらいは,PID制御,状態フィードバック制御,最適制御,状態オブザーバーの基本を理解して今後のさらなる発展に対応できるとともに、実システムでの問題解決ができるようにすることです。第二のねらいは,Scilab/Scicosを活用できるようになることです。
注)ScicosはScilabに含まれ,ブロック線図作成・シミュレーションソフトウェアです。
この授業では,理工学研究科の学位授与の方針DP1,3に関する知識,技法,態度を習得します。
PID(比例+積分+微分)制御などの古典的な制御技術について理解し,PID制御系の設計・調整ができる。
1960年以降に発展した状態フィードバック制御理論の概念と、その中の代表的手法である極配置制御と最適制御について理解し,制御系設計・調整ができる。
制御系設計・調整をフリーソフトウェア「Scilab/Scicos」を用いて実行できる。
レポート課題の答案を30%,科目習得試験答案を70%として評価します。
レポート答案については,コメントを記入してフィードバックします。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | Scilabで学ぶシステム制御の基礎 | 橋本 洋志,石井 千春,小林 裕之,大山 恭弘 共著 | オーム社,ISBN-13:978-4-274-20388-6 |
教科書 | Scilab/Scicosで学ぶシミュレーションの基礎 | 橋本 洋志, 石井 千春 著 | オーム社,ISBN-13:978-4-274-20487-6 |
教科書 | 演習 制御工学 | 日本機械学会 編 | 日本機械学会,ISBN-13:978-4-88898-114-9 |
参考文献 | 特になし |
本講義の受講には、フィードバック制御・ブロック線図・ラプラス変換・伝達関数・制御系の時間応答・周波数応答などの制御工学の基本と、複素数・微積分・微分方程式・線形代数(行列とベクトル)の基本を理解していることが必要です。前項の主テキストと副テキスト1には,これらの必要事項についての解説もある程度記載されています。これらの知識が不十分な場合は、テキストの他、各分野の参考書などを用いて準備学修をしてください。各回の準備学修に1時間以上が必要であり、当該期間に30時間以上が、準備学修、学んだ個所の復習、練習問題解答、レポート作成に必要です。
受講者は,Scilab/Scicos(フリーソフト&オープンソース,フランスの国立研究所が開発)をWindows PCにインストールして用いることが必要です。
・Scilab/Scicos機能:数値計算,シミュレーション,ブロック線図作成 他
・Scilab/Scicosの紹介:http://www.geocities.jp/rui_hirokawa/scilab/ などに記載.
・Scilab/Scicosのダウンロードとインストール:http://www.scilab.org/ または本科目のLMSサイトにアクセスして行なう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | Scilabのダウンロードとインストール,およびScilabとScicosの基本操作の習得 [主テキストの1, 2章;副テキスト2の2,3章参照] |
第2回 | 複素数,ラプラス変換・逆変換,伝達関数,ブロック線図の復習 [主テキストの3, 4章] |
第3回 | 時間応答と周波数応答の復習 [主テキストの5, 6章] |
第4回 | フィードバック系の安定性の復習 [主テキストの7章] |
第5回 | フィードバック制御系の評価とPID制御 [主テキストの8.1-8.4] フィードバック制御系の評価,PID制御の構成・性質・調整法 |
第6回 | Scicosの操作の習得とPID制御シミュレーション [副テキスト1の8.1節,Scicos使用] |
第7回 | コンピュータ実習:PID制御 [Scicos使用] |
第8回 | 状態方程式 その1 [主テキストの9.1-9.3] 状態空間,伝達関数と状態方程式,システムの状態方程式表現 |
第9回 | 状態方程式 その2 [主テキストの9.4-9.6] 特性方程式と安定性,可制御性と可観測性 |
第10回 | 極配置と状態オブザーバ [主テキストの10.1,10.2] 極配置制御・状態オブザーバの設計法と特徴 |
第11回 | 最適レギュレータ(LQ最適制御) [主テキストの11.1-11.2] 最適レギュレータの考え方,2次形式評価関数と最適解,重み行列の設定 |
第12回 | 最適サーボ系 [主テキストの11.3] 外乱抑制とロバスト性,拡大偏差系 |
第13回 | ロバスト制御と適応制御 [主テキストの13.1,13.2] ロバスト制御・適応制御の考え方,H∞ノルム,混合感度問題,MRACSとSTR |
第14回 | 最適サーボ,オブザーバを用いた最適制御,H∞制御のシミュレーション [副テキスト1の8.2,8.3,8.4節,Scicos使用] |
第15回 | コンピュータ実習:最適サーボ系 [Scicos使用] 最適レギュレータへの最適サーボ系の組み込み,重み行列変化による制御特性変化の把握,他 |