医用エレクトロニクス
担当者小川 充洋
学年・開講期3年次 後期  [理工学部 情報電子工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー3E344

授業の概要(ねらい)

医療用途で用いられている電子装置、電子機器、電子システムについて、その基本原理を解説します。また、これまでに学習した電子工学の応用分野として医用電子工学を捉え、電子工学の理論が実際にどのように用いられているのかを取り扱います。
臨床工学技士国家試験相当もしくは、それよりもやや高度な内容まで含みます。
本科目はDP4Eに関連します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において医用機器に関する開発研究業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

授業の到達目標

・医療用途で用いられている電子装置、電子機器、電子システムの概要について理解できる。
・医療用途で用いられている電子回路の動作原理を解説できる。
・電子工学で取り扱われる理想的な回路と実際の回路の差を知ることができる。
・臨床工学技士国家試験の当該範囲の問題について理解できる。

成績評価の方法および基準

成績評価は授業中の小テストおよび定期試験で行います。成績評価の割合は小テスト20%、定期試験80%とします。
小テストの講評は授業中に行い、定期試験の解説は定期試験後にLMSを通じて行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書臨床工学技士のための 基礎電子工学(コロナ社)ISBN: 978-4339072242
参考文献

準備学修の内容

計算のためにソフトウェアを用いることがあるので、データのバックアップ用のメディアを適宜に準備してください。講義では、三角・対数・指数関数を取り扱いますので、関数電卓を用意してください。
各回で演習を行いますので、復習として演習で取り上げた内容をもう一度解いてください(75分)。
各回に必要な数学の概念を予習のために提示しますので、不安な項目についてはこれまでに受けた数学科目の教科書や参考書で確認・学習してから講義に臨んでください(15分)。

その他履修上の注意事項

解析学の基礎(微分積分および1階2階の線形微分方程式)についての理解を確認してから授業に臨んでください。

授業内容

授業内容
第1回授業の概説。準備学習、復習に関する指導。
第2回電気数学に関する確認(1) 三角関数と対数関数を中心に
第3回電気数学に関する確認(2) 複素数を中心に
第4回抵抗とインピーダンスの差、直流と交流の差。また、複素数によるそれらの統一的な取り扱い。「なぜ複素数を使うのか?」
第5回入力インピーダンスとは? 出力インピーダンスとは?「なぜ心電現象や筋電現象で発電ができないのか?」
第6回演算増幅器(オペアンプ)回路の基礎
第7回演算増幅器(オペアンプ)回路演習。
第8回ダイオード回路と非線形回路の意義
第9回トランジスタ回路およびインピーダンス変換の意義
第10回光デバイスと光デバイス回路。生体光計測
第11回演算増幅器(オペアンプ)回路、アナログ回路の発展的理解。生体電気現象計測
第12回論理演算とディジタル回路
第13回順序回路。また、有限オートマトンの重要性について
第14回変調方式と医用テレメータ・通信。低周波数領域の生体信号を高周波数帯域の通信を用いて伝送する理由とその意義
第15回最新技術の紹介。授業のまとめ