サービス経済論
担当者山本 健兒
学年・開講期3年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類専門 基礎系
区分・単位選必 2単位
科目ナンバー8C303

授業の概要(ねらい)

 この講義は、今やあらゆる産業部門を通じて進行していると言われる「サービス化」とは何を意味するか、この問題を考えるために、広義の「サービス産業」を具体的に取り上げて、その歴史と現状を理解することを狙いとします。この授業は、経済学部のディプロマポリシーのうちDP1「1.日本と世界の経済、地域経済、企業経営及び観光に関わる基礎的理論・知識を修得」すること、および地域経済学科のディプロマポリシーのうち、特にDP1「経済学および隣接分野の基礎的理論を理解し、説明することができる」ための基礎に関わります。

授業の到達目標

 経済全体にとってのサービスの意義は何か、広義の「サービス産業」が具体的にどのようなサービスから成り立つのか、それら様々なサービスが経済全体の発展にとって持つ意味、そして高度なサービスを生み出す源などに関する理論と現実を理解することがこの授業の到達目標です。

成績評価の方法および基準

 授業最終回に行なう試験に基づいて成績評価をします。また、広義の「サービス産業」に含まれる様々な産業、さらに各産業の代表的企業に関する基礎的な知識があるか否か等に関する質問を授業中に口頭で行なう予定です。これはいわゆる「反転授業」の意味を持ちます。さらに、授業内容の理解が確実になったか否かを確認するための簡単な小テストないし小レポートを随時課します。これらも最終的な成績評価に反映させる予定です。口頭での質問に対する学生からの解答や小テスト・小レポートについてはその都度、教員から正解や解答に至る考え方などを解説するので、これが学生へのフィードバックとなります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストを教科書とはしません。
参考文献『サービス経済化時代の地域構造』加藤幸治日本経済評論社、2011年
参考文献『サービス化経済入門』佐和隆光(編)中央公論社(中公新書)、1990年
参考文献『サービス・エコノミー』井原哲夫東洋経済新報社、1992年
参考文献『ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか―』P.F.ドラッカーダイヤモンド社、1993年

準備学修の内容

 この授業では特定のテキストを教科書として用いることはしませんが、各回の講義の前に、可能な限り参考文献に掲げた書籍のなかで、該当する箇所を読み、分かりにくい点などが何かということを自分自身で明確にし、その分かりにくい点などを経済学事典等を用いて下調べすることが求められます。また、講義を受けたのちには、できるだけその日のうちに、講義中に取ったメモや参考文献、インターネットで取得できる情報などに基づいて、ノートを自分なりに整理することが求められます。これらの予習及び復習に、各1.5時間程度かかると思われます。

その他履修上の注意事項

 授業中に教員が話したことを素早くメモに取ることが必要です。

授業内容

授業内容
第1回この講義に関するシラバスの解説と受講上の注意、及びサービスの原義
第2回広義の「サービス産業」の内容
第3回サービス経済化の意味
第4回事業所サービス業とは何か?
第5回消費者サービス業とは何か?
第6回サービス経済化の地域的差異
第7回事業所サービス業の立地特性
第8回地方中心都市におけるサービス業
第9回介護サービス業の隆盛
第10回地方中枢都市におけるサービス業
第11回情報サービス業の立地特性
第12回巨大都市とサービス業
第13回サービスと知識
第14回新しい知識が生み出される環境
第15回試験と総括ディスカッション