特別講義Ⅱ
担当者松尾 浩一郎
学年・開講期3年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー8F302

授業の概要(ねらい)

テーマは「空間化された文化」です。現代都市における公共空間の現状と課題について検討します。とくに社会学・文化人類学の観点から人々の経験と空間との関係性に焦点を合わせます。授業の進め方としては、まずテキストを精読し、それを踏まえて一人一人が考え、皆で議論するという方式で行います。教科書として使用するのは、米国の文化人類学者セサ・ロウの近著『Spatializing Culture: The Ethnography of Space and Place』です。

授業の到達目標

現代都市における公共空間の現状と課題について説明できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

テスト、レポート、平常点で評価します。得点配分はテスト40%、レポート40%、平常点20%です。テストは論述式とし、知識の修得度とその応用力を問います。レポートは学期中に2回課します。授業内容を整理しそれを踏まえた考察を加えるレポートを書いてもらいます。平常点は授業中の文献講読への貢献度や質疑応答等の内容をもとに評価します。フィードバックは最終回に行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書Spatializing Culture: The Ethnography of Space and PlaceSetha LowRoutledge (ISBN 978-1-138-94561-6)
参考文献公共空間の政治理論篠原雅武人文書院(ISBN 978-4-409-04089-8)

準備学修の内容

授業の進行に応じて予習課題と復習課題を指示します。それらの課題に取り組んだ成果を整理してノート等にまとめ、授業に活かせるようにしてください。(あわせて3時間程度)

その他履修上の注意事項

教科書の入手方法については初回の授業で説明します。教科書は英語で書かれていますが、英文を読むことが難しくても授業は理解できるように工夫したいと思います。とはいえ、読むための努力をすることは必要です。

授業内容

授業内容
第1回空間と場所のエスノグラフィ
第2回ユニオンスクエアからの問い
第3回空間と場所の概念
第4回空間と場所の学説史
第5回空間の社会的生産
第6回サンホセのパルケ・セントラルの事例
第7回台北の士林夜市の事例
第8回空間の社会的構築
第9回フィラデルフィアのインディペンデンス国立歴史公園の事例
第10回ベイルートの歴史地区の事例
第11回言語・言説と空間
第12回ニューヨークとワシントンDCの集合住宅の事例
第13回地域を超える空間
第14回まとめ・テスト
第15回テストの講評と復習