特別講義Ⅱ
担当者山本 健兒
学年・開講期3年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー8F302

授業の概要(ねらい)

 この特別講義では、中央ヨーロッパの歴史、社会、経済に関する特徴について講義します。

授業の到達目標

 世界の中で最も豊かな生活水準を享受している国々が集まる地域の一つとして中央ヨーロッパを挙げることができます。その諸国、すなわち、ドイツ、オーストリア、スイスなどから成り立つ地域が、いかにしてそうなりえたのか、その歴史と現代における社会および経済の特徴と問題点を理解することがこの授業の到達目標です。これは経済学部のディプロマポリシーの中でDP1「日本と世界の経済、地域経済、企業経営及び観光にかかわる基礎的理論・知識を修得」すること、および地域経済学科のディプロマポリシーの中でのDP2「各地域に共通する問題と各地域固有の問題の両方を理解し、説明することができる」に関係します。

成績評価の方法および基準

 授業最終回に実施予定の試験で成績評価を行ないます。また、ヨーロッパに関する基礎的な知識等に関する質問を授業中に口頭で行なう予定です。さらに、授業内容の理解が確実になったか否かを確認するための簡単な小テストや小レポートを随時課します。これらも最終的な成績評価に反映させる予定です。口頭での質問に対する学生からの解答や小テスト・小レポートについては、その都度、教員から正解や解答に至る考え方などを解説するので、これが学生へのフィードバックになります。
 試験は、授業最終回ではなく、定期試験期間中の実施になる可能性があります。詳細は12月初旬頃に、授業中でお知らせします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストを教科書とはしません。
参考文献『中央・北ヨーロッパ』朝倉世界地理講座―大地と人間の物語― 第9巻 山本健兒・平川一臣(編)朝倉書店、2014年
参考文献『中欧論―帝国からEUへ―』ジャック・ル・リデー白水社(文庫クセジュ)、2004年
参考文献『中欧の復活―「ベルリンの壁」のあとに―』加藤雅彦日本放送出版協会(NHKブックス)、1990年
参考文献『物語スイスの歴史』森田安一中央公論新社(中公新書)、2000年
参考文献『ドイツ史10講』坂井榮八郎岩波書店(岩波新書)、2003年
参考文献『物語ドイツの歴史』阿部謹也中央公論新社(中公新書)、1998年
参考文献『物語オーストリアの歴史』山之内克子中央公論新社(中公新書)、2019年

準備学修の内容

 この授業では特定のテキストを用いません。しかし、参考文献欄に掲げた文献の中から適宜選んでその内容を講義することがあるので、図書館を利用して、講義の事前あるいは事後に、関係する箇所を読むことが求められます。そのために1.5時間程度の時間を必要とすると考えられます。講義中に取ったメモ及び参考文献などをもとにして、ノートの整理という意味での復習をしっかり行うことが求められます。ノートの整理だけで1回の講義につき約1.5時間は必要になると考えられます。

その他履修上の注意事項

 授業に積極的に出席し、講義内容をその場で素早くメモに取り、講義修了後、できるだけその日のうちにノートを整理することが必要です。なお、参考文献のうち山本・平川編(2014)は最も重要ですが、これの価格はあまりにも高すぎるので、学生に対して購入することは求めません。図書館を利用してください。

授業内容

授業内容
第1回シラバスの解説と受講にあたっての注意事項
「中央ヨーロッパ」諸国の豊かさ
第2回日本と欧州における「中央ヨーロッパ」概念の共通性と違い
第3回「中央ヨーロッパ」概念の曖昧性と政治性
第4回「中央ヨーロッパ」の産業発達
第5回「中央ヨーロッパ」における領域形成史(1)ドイツの国境変遷史
第6回「中央ヨーロッパ」における領域形成史(2)オーストリアの国境変遷史
第7回「中央ヨーロッパ」における領域形成史(3)スイス連邦形成史 
第8回「中央ヨーロッパ」諸国の連邦制と多様な地方自治(1)ドイツ
第9回「中央ヨーロッパ」諸国の連邦制と多様な地方自治(2)オーストリア
第10回「中央ヨーロッパ」諸国の連邦制と多様な地方自治(3)スイス
第11回「中央ヨーロッパ」諸国における移民(1)ドイツ
第12回「中央ヨーロッパ」諸国における移民(2)オーストリア
第13回「中央ヨーロッパ」諸国における移民(3)スイス
第14回「中央ヨーロッパ」諸国から日本が学ぶべきこと
第15回試験と総括ディスカッション