熱力学
担当者篠竹 昭彦
学年・開講期2年次 前期  [理工学部 機械・精密システム工学科]
科目の種類専門基礎
区分・単位必修 2単位
科目ナンバー1C201

授業の概要(ねらい)

熱に関する基礎事項、熱力学の目的と対象、単位、熱エネルギーと仕事、エントロピー、熱力学第一法則、熱力学第二法則、エンタルピー、理想気体の状態変化、各種エンジンのサイクルや効率、燃料の燃焼などを学習します。 この授業では、DP2、4に関する知識、技法、態度を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において製鉄プロセスの研究開発業務に携わっており、授業では、企業での研究開発の実例をあげて、環境・エネルギー課題に熱力学の知識がどう役に立つかなどを説明します。

授業の到達目標

熱力学はエネルギーの変換や移動を取り扱うもので自然現象の一側面を解明する基礎科学の一つです。工業熱力学は、エネルギー変換や環境システムなどの実際問題の解決を目的とした熱力学の応用学です。本講義は、講義計画に掲げた事項・内容について基礎的な原理と法則を理解し、各熱機関の効率を計算したりサイクルの違いを理解できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

定期試験(90%)、レポート課題(10%)に基づいて評価を行います。定期試験の有資格は2/3以上の出席が必要です。提出されたレポートは添削して返却します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『はじめて学ぶ熱力学』    斉藤孝基、浜口和洋、平田宏一オーム社
参考文献

準備学修の内容

高校および大学1年次の物理、化学、数学を理解していることを前提とします。毎回、授業内容の第1回に記載しているように次回の授業箇所の教科書を読み、理解できない箇所を明確にして(約1.5時間)、授業に臨んでください。授業後に、学習した箇所を復習してノートを整理し、指示する演習問題を解いてください(約1~2時間)。課題はレポートとして次回授業開始時に提出してください。課題内容はLMSにも掲示します。

その他履修上の注意事項

授業中に課題演習を行うことがあるので関数電卓を持参してください。理解度によって進捗が前後することがありますので、毎回の授業時に復習課題と次回の予習範囲を具体的に指示します。
なお、教科書の第7章から第12章の内容は、後期の『熱及び熱機関』の講義に対応します。

授業内容

授業内容
第1回熱機器と熱力学
[予習]教科書第1章(p.1-12)を通読し、理解できない点を明確にして授業に臨むこと。
[復習]p.12の演習問題1.1~1.4を解き、レポートとして次回授業開始時に提出すること。
第2回熱エネルギー利用技術(1)(熱エネルギー源、伝熱)
第3回熱エネルギー利用技術(2)(燃焼の化学反応)
第4回熱エネルギー利用技術(3)(燃焼計算)
第5回熱エネルギーと仕事(1)(圧力変化と仕事)
第6回熱エネルギーと仕事(2)(温度とエントロピー)
第7回エネルギーの状態と変化(1)(物質の状態と変化)
第8回エネルギーの状態と変化(2)(熱力学の法則)
第9回エネルギーの状態と変化(3)(エネルギーの変化と流れ)
第10回理想気体の状態変化(1)(状態式、内部エネルギー)
第11回理想気体の状態変化(2)(エンタルピー、エントロピー)
第12回エンジンのサイクル(1)(エンジンの種類)
第13回エンジンのサイクル(2)(カルノーサイクル、自動車のサイクル)
第14回エンジンのサイクル(3)(ガスタービン、その他のサイクル)
第15回まとめと復習
[実習]演習問題の中から指定する複数の問題について別々に代表者に解答を板書して説明してもらいます。