技術業倫理
担当者金成 祐人
学年・開講期2年次 前期  [理工学部 機械・精密システム工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー1J203

授業の概要(ねらい)

 「技術者はなぜ説明責任を負うのか」、「ミスは誰の責任なのか」、「莫大な費用がかかっても事故を減らすために設計を改善すべきか」等々、専門的な知識をもつ技術者・研究者だからこそ考えるべき様々な倫理的問題があります。本講義では、技術者が直面する倫理的問題について、具体的な事例を参考にしながら考察していきます。
 この授業は主に講義形式ですが、教員からの一方的な情報伝達ではなく、ディスカッションの時間を設けると共に、希望者によるプレゼンテーションを行います。
 なお、この科目は、DP1、2、3、4に関連する科目です。

授業の到達目標

・学生は、講義で取り上げる問題を理解し、自分の言葉で説明できる。(知識・理解)
・学生は、論理的・批判的に思考できる。(技能)
・学生は、批判的読解ができる。(技能)
・学生は、プレゼンテーションができる。(技能)

成績評価の方法および基準

・定期試験:80%、講義への積極的な参加(意見を言う、テクストを読む、発表、総括):20%
・毎回の講義にある考察の時間でフィードバックを行います。また、発表についてフィードバックを行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書LMS 上で講義プリントを配布します。
参考文献『JABEE対応 技術者倫理入門』小出泰士丸善株式会社、2010年
ISBN:978-4621082522
参考文献『誇り高い技術者になろう[第二版]』黒田光太郎・戸田山和久・伊勢田哲治編名古屋大学出版会、2012年
ISBN:978-4815807061
参考文献『はじめての技術者倫理 未来を担う技術者・研究者のために』北原義典講談社、2015年
ISBN:978-4061565470
参考文献『技術者倫理の世界 第3版』藤本温編森本出版株式会社、2013年
ISBN:978-4627973039

準備学修の内容

・第2〜11回:毎回の講義の教材は、前もってLMSに掲載されます。その回の講義内容にある問い(例:技術者はなぜ説明責任を負うのか)について考え(30分)、LMSの教材を使って予習をして講義に臨んでください(30分)。また、事後学修として、試験に向けて講義内容を要約してください(120分)。
・第12・13回:発表希望者は発表準備をしてください(180分)。
・第14回:総括希望者は担当する回の講義内容を要約し、短い考察を用意してください(180分)。

その他履修上の注意事項

・後期の「倫理学」とあわせて受講することが望ましいですが、必須条件ではありません。
・本講義では、LMS で資料を配付し、アンケート機能等を使用します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション(技術業倫理とは何か)
第2回説明責任(技術者はなぜ説明責任を負うのか)
第3回製造物責任(正しい使用条件とは何か)
第4回ヒューマンエラー(ミスは誰の責任なのか)
第5回費用−便益分析(莫大な費用がかかっても事故を減らすために設計を改善すべきか)
第6回内部告発(いかなる場合に内部告発は許容されるのか)
第7回知的財産権(アイデアや技術をすぐに一般公開してよいか)
第8回グローバル化(世界共通の価値観はあるのか)
第9回予防原則(遺伝子組み換え食品は安全か)
第10回環境保全(なぜ自然を守るべきなのか)
第11回人間と技術(そもそも人間にとって技術とは何か)
第12回プレゼンテーション①
第13回プレゼンテーション②・総括について
第14回総括
第15回試験とまとめ