材料力学3
担当者磯貝 毅
学年・開講期3年次 前期  [理工学部 機械・精密システム工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー1E301

授業の概要(ねらい)

この授業では、2年生で学習した「材料力学1」、「材料力学2」の内容を基盤にして、弾塑性力学の基礎を学習します。
授業は主として講義形式ですが,適宜問題演習を行い、その結果を発表する事で内容の理解を深めていきます。
この授業ではDP2,DP3,DP4に関する知識、技術、能力を修得します。

授業の到達目標

(1)学生は一般化された応力とひずみとその取り扱い法を理解できる。
(2)学生は有限要素法の概要、破壊力学の基礎を認識できる。
(3)学生は材料の塑性変形の物理的意味とその力学的取り扱い法を理解できる。
(4)学生は引張・圧縮、曲げ などの簡単な弾塑性問題の解法を理解できる。
(5)学生はトレスカ、ミーゼスの降伏条件を用いた降伏判定を行うことができる。

成績評価の方法および基準

期末試験の結果(60%)、提出レポートの成績(20%)、及び授業中の小テストの結果(20%)により評価します。再試験は行いません。
授業中に前回の演習問題の返却や解答の解説により、フィードバックを行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書「弾塑性力学の基礎」吉田総仁共立出版(1997) ISBN4-320-08114-5
参考文献「材料力学」清家政一郎共立出版(1997) ISBN978-4-320-08117-8
参考文献「標準 材料の力学」邉 吾一他編日刊工業新聞社(2001) ISBN4-526-04719-8

準備学修の内容

事前にテキストの当該範囲を読み、前回の授業内容との関連を確認しておいて下さい。(1時間)
復習としては授業中に解説した問題を再度解答し、プリント課題やテキストの類題が解答できるように練習をして下さい。(2時間)
第1回の準備学修として、金属材料の応力-ひずみ曲線について復習し、応力とひずみの定義式、並びに弾性変形と塑性変形の違いについてA4サイズの用紙1枚にまとめて持参して下さい。〔「材料力学1」のテキスト(清家政一郎著「材料力学」共立出版(1997))のp.1~9を参照〕 また、第1回の事後学修として、塑性力学の工学的応用についてテキスト等を参考にして400字程度にまとめて第2回の授業時に提出して下さい。
第2回以降の授業の準備学修の内容については授業内で指示します。

その他履修上の注意事項

前提条件として、2年次の「材料力学1」を履修している必要があります。また、「材料力学1」及び「材料力学2」で学習した内容を良く復習しておいてください。これらの科目、または同等の科目を履修していない場合は、独学により材料力学の基礎を学習する必要があります。初歩的なテキストを購入した上で、本科目の学習と並行して自習を進めてください。
授業中に問題演習を行いますので、関数電卓を必ず持参して下さい。事前に電卓を使って指数・対数・三角関数の値を求める方法を自習しておいて下さい。電卓は試験の際にも必要となります。

授業内容

授業内容
第1回弾塑性力学とは : 弾性と塑性、弾性力学と塑性力学、塑性力学の応用分野
第2回引張試験と弾塑性力学 : 真応力と真ひずみ、応力-ひずみ曲線、ひずみ硬化則
第3回応力とひずみ1 : 応力テンソル、コーシーの関係
第4回応力とひずみ2 : 応力の座標変換
第5回応力とひずみ3 : 主応力、応力の不変量、ひずみテンソル
第6回有限要素法概論1 : 有限要素法とは、要素と節点、剛性方程式、境界条件
第7回有限要素法概論2 : 応力・ひずみ解析、実際の有限要素解析
第8回塑性変形と塑性力学 : 塑性変形の物理的意味、塑性変形の力学的取り扱い
第9回引張・圧縮における弾塑性問題 : 負荷・除荷と再負荷、残留応力、バウシンガー効果
第10回簡単な弾塑性問題1 : 弾塑性はりの曲げ、スプリングバック
第11回簡単な弾塑性問題2 : 弾塑性丸棒のねじり
第12回降伏条件1 : 偏差応力、ミーゼスの降伏条件、トレスカの降伏条件
第13回降伏条件2 : 降伏曲面、相当応力、実験結果との比較
第14回弾塑性構成式 : 弾塑性応力ひずみ関係式、ひずみ増分理論、全ひずみ理論、加工硬化の表現
第15回全体のまとめと試験