機械力学2
担当者黒沢 良夫
学年・開講期3年次 前期  [理工学部 機械・精密システム工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー1D202

授業の概要(ねらい)

本科目は機械と関わりの深い振動現象を扱います。機械や構造物が繰り返し負荷を受けて破壊したり、自動車の乗り心地などの問題に対して、設計改良するための重要な基礎工学です。機械力学1で習得した1自由度の振動に関する基礎知識に基づいて、2自由度系、多自由度系、連続体の振動を取り扱います。振動の現象としては、自由振動、固有振動数、強制振動、共振について学習します。授業中に毎回問題演習を行い、必要に応じディスカッション・グループワークを行います。
この授業では、学位授与の方針(ディプロマポリシー)DP2,3,4に関する知識・技術・能力を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において自動車の研究・開発業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

授業の到達目標

学生は、質点・ばね・減衰からなる2自由度のモデルから始めて多自由度と連続体の振動系について、自由振動、固有振動数、強制振動、共振などを学習して、基礎的な原理と法則を十分理解し、計算できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

期末試験(65%) 小テスト(20%) プリントや講義中に出された課題(15%)
※基本的に講義に2/3以上出席しないと成績評価の対象になりません。
小テストは採点後返却し、講義中に解説を行います。プリントは解答例をLMSにアップします。
※過去3年間の平均 履修人数:26人 S評価:7% A評価:12% B評価:18% C評価:30% D評価:9% 欠席・無資格:23%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書機械振動学
(機械力学1の教科書)
岩田佳雄、佐伯暢人、小松崎俊彦数理工学社
ISBN978-4-901683-80-7
参考文献工業振動学 第2版中川憲治、室津義定、岩壷卓三森北出版
ISBN978-4-627-91071-3

準備学修の内容

機械力学1や線形代数(固有値・固有ベクトル、逆行列など)の内容を十分復習してから講義に参加してください。毎回の授業の教材は、前もってLMSに掲載し、授業中に行った問題演習の解答は次の授業までLMSに掲載されますので、しっかりと予習・復習を行ってください。また、“授業内容”に記載した予習・復習を毎回3時間程度行ってください。

その他履修上の注意事項

・関数電卓を毎回持ってきてください。
・“授業内容”はあくまで予定であり、理解度によって進捗が前後することがあります。講義を欠席した際は必ずLMSで進捗を確認し、予習・復習を行ってください。

授業内容

授業内容
第1回2自由度系の振動(不減衰ばね質量系の自由振動、固有振動数)
『予習』教科書P24~99を通読し、1自由度系の振動について復習しておくこと。
『復習』プリント①を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第2回2自由度系の振動(固有モード、不減衰ねじり振動系の自由振動、不減衰車体振動系の上下振動と回転振動の連成)
『予習』線形代数の固有値・固有ベクトルについて復習しておくこと。教科書P104~111を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント②を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第3回2自由度系の振動(不減衰系と減衰系の強制振動、動吸振器)
『予習』教科書P112~117を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント③を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第4回ラグランジュの方程式
『予習』偏微分について復習しておくこと。教科書P120~122を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント④を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第5回マトリクス振動解析(自由振動、固有モードの直交性)
『予習』線形代数の同次連立1次方程式について復習しておくこと。教科書P128~133を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑤を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第6回マトリクス振動解析(モード座標)
『予習』教科書P134~137を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑥を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第7回マトリクス振動解析(強制振動、モード座標を利用した強制振動)
『予習』教科書P137~143を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑦を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第8回小テスト、連続体の振動(弦の振動:運動方程式)
『予習』教科書P102~143が小テストの出題範囲です。講義で扱った公式・例題等を復習し、もう1度自分で例題を解いておくこと。
『復習』講義資料を復習し、確認しておくこと。
第9回小テストの解説と前半のまとめ
『復習』小テストの解説を確認し、間違った問題は必ず自分でもう1度解いておくこと。プリントを次回までに解いて提出すること。
第10回連続体の振動(弦の振動:波動解と振動解)
『予習』教科書P146~151を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑧を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第11回連続体の振動(棒の縦振動:自由振動)
『予習』教科書P152~155を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑨を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第12回連続体の振動(棒の縦振動:強制振動)
『予習』教科書P155~158を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑩を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第13回連続体の振動(はりの横振動)
『予習』教科書P159~168を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑪を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第14回連続体の振動(膜および板の振動)
『予習』教科書P169~173を通読し、理解しておくこと。
『復習』プリント⑫を確認し、問題を解けるようにしておくこと。
第15回テスト、まとめ