航空機工作法
担当者井上 智洋
学年・開講期2年次 後期  [理工学部 航空宇宙工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー2A309

授業の概要(ねらい)

 航空機の構造、および、その部品として適用される材料に関する基本知識や、航空機構造の代表的な工作法である構造組立、板金加工、機械加工、金属接着組立、複合材加工及び表面処理、塗装、ならびに、検査法概要などについて広く解説します。 また、実際の機体(T-2、T-3)をとおして、使われている部品の形状、材質、加工方法等を考察します。
 この講義では、DP2に関する知識習得等を目指します。

授業の到達目標

以下を理解することを目標とします。
(1) 航空機工作の特徴
(2) 航空機構造部品に適用される主な材料、工作法、検査法や加工設備の概要
(3) 基本的航空機構造部材についての工作法の推察

成績評価の方法および基準

 成績は、実機部品の工作法に関する実習レポート(30%)と定期試験の結果(70%)とを合わせて評価する予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 講義テキストにより講義を実施します。このテキストはLMS上に開示する予定です。

(理解を深めるための参考図書)
 半田邦夫著 『航空機生産工学』 (オフィスHANDS)
 『航空機の基本技術』 (日本航空技術協会)
参考文献

準備学修の内容

 講義内容は進捗状況に応じて変更する場合があります。
 提示した参考図書は、講義・教材の学習、および、更に理解を深める助けになります。必要に応じて参考にしてください。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回航空機製造の特色:
 輸送機器としての航空機の構造、生産形態、製造・加工方法などの特徴について、概略を学ぶ。
第2回航空機構造材料(1):
 航空機構造に用いられる材料について、各種の素材および構造部品加工の特徴について学ぶ。
 (1)では構造材料全般とアルミニウム合金、マグネシウム合金をとりあげる。
第3回航空機構造材料(2):
 (1)につづき、チタン合金、鋼、ステンレス鋼、非金属材料をとりあげる。
第4回検査法:
 製造品の品質を保証するための検査の手法に関して、寸法公差, 測定と検査, 非破壊検査なども含めて、概要を学ぶ。
第5回構造組立:
 部品どうしを結合,組み立てて航空機構造にする工作法について学ぶ。
第6回板金加工(1):
 航空機構造の部品加工法のひとつである板金加工についての概説と、曲げ,成形他の各種加工法を学ぶ。
第7回板金加工(2):
 (1)に続き曲げ,成形加工、ならびに特殊加工法を学ぶ。
第8回機械加工(1):
 航空機構造の部品加工法のひとつである機械加工についての概説と、切削加工,数値制御加工などの各種加工法を学ぶ。
第9回機械加工(2):
 (1)に続き、研削加工,他の機械加工法を学ぶ。
第10回金属接着、複合材加工(1):
 (1)では、金属接着技術を用いた部品製造,組立を学ぶ。
第11回金属接着、複合材加工(2):
 (2)では、複合材部品,構造の加工法を学ぶ。
第12回溶接、特殊加工:
 溶接およびその他の特殊な加工法について学ぶ。
第13回表面処理、塗装:
 航空機構造およびその製造工程に用いられる表面処理技術や塗装に関して、その目的や適用方法について学ぶ。
第14回まとめ、および、格納庫の実機による実習(構造部材と工作法の考察)(1):
 ここまでに学んだ内容について、全体を復習する。
 また、格納庫の実機の構造,部品に使われている工作法について考察を行ないレポートを作成する。
第15回格納庫の実機による実習(構造部材と工作法の考察)(2):
 前回に続き実習を行ないレポートを仕上げる。