材料強度学
担当者橋本 敬三教員紹介
学年・開講期3年次 前期  [理工学部 航空宇宙工学科]
科目の種類専門基礎
区分・単位選必 2単位
科目ナンバー2D302

授業の概要(ねらい)

航空機が発明されて以来、その安全性、信頼性の確立には材料強度学の寄与によるところが大きいといっても過言ではありません。65年前のコメット機による事故から航空機に要求される材料の機械的特性は大きく変化してきました。本講義は、航空機・宇宙機に用いられている金属材料の強度、破壊現象について、技術者が持っておくべき知識を基礎から学びます。弾性力学を基礎にして、格子欠陥と転位、応力―ひずみ関係、材料の強化機構、高温におけるクリープ現象、破壊力学、疲労現象についてできるだけ平易に講義を行います。この授業は主に講義形式ですが演習問題についてはグループワークを行い、お互いに議論をします。この授業ではDP1、DP2に関する知識、技法を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において高強度金属材料の開発業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

授業の到達目標

学生は航空機あるいは宇宙機に用いられる材料にはどのような機械的性質が必要かを材料強度学の観点から次の(1)~(7)について説明できることを目指します。 
 (1) 弾性論の基礎  
 (2) 格子欠陥と転位 
 (3) 応力―ひずみ関係  
 (4) 材料の強化機構  
 (5) 高温におけるクリープ
 (6) 破壊力学 
 (7) 疲労現象

成績評価の方法および基準

定期試験(80%)と演習課題の成績(20%)によって評価します。課題は採点し、LMSでフィードバックします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書材料強度学加藤雅治、熊井真次、尾中 晋朝倉書店 ISBN-13: 978-4254236934
参考文献図でよくわかる機械材料学渡辺義見 三浦博己 三浦誠司 渡邊千尋コロナ社  ISBN-13: 978-4339046052
参考文献入門 転位論加藤雅治裳華房 ISBN-13: 978-4785361068

準備学修の内容

固体の力学1を予め履修しておいてください。LMSに授業内容と関連資料を掲載します。米国のペンシルベニア大学の学部生向けに作られたDVD教材 ; Introduction to Engineering Materials" C.J. McMahon を使って、講義内容を視覚的に捉えたアニメーション(英語)で理解を深めます。『予習』は教科書を通読し、技術用語を調査する(1時間)。『復習』はLMSの資料を参考にノートを補足し、LMSの確認テストを行ってください(2時間)。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回弾性論の基礎(1): 応力とひずみの定義、せん断応力とせん断ひずみについて
第2回弾性論の基礎(2): 等方弾性体のフックの法則について
第3回格子欠陥と転位(1): 欠陥の種類と転位について
第4回格子欠陥と転位(2): 結晶内の刃状転位とらせん転位について
第5回格子欠陥と転位(3): 弾性論で導かれる転位のもつ応力場について 【演習1と議論】
第6回応力-ひずみ関係(1): 応力―ひずみ曲線について
第7回応力-ひずみ関係(2): くびれの開始条件について
第8回材料の強化機構(1): 固溶強化、析出強化について
第9回材料の強化機構(2): 分散強化、結晶粒微細化について 【演習2と議論】
第10回クリープと高温変形(1): クリープ変形とは?
第11回クリープと高温変形(2): マクロな変形、温度およびひずみ速度の影響
第12回破壊力学と破壊現象(1): グリフィスの脆性破壊の条件について
第13回破壊力学と破壊現象(2): 平面ひずみと破壊靭性について
第14回繰り返し変形と疲労(1): 疲労き裂成長について、パリス則について 【演習3と議論】
第15回テスト、まとめ