担当者 | 梶谷 正行 | |
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学年・開講期 | 3年次 後期 [理工学部 バイオサイエンス学科] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 5D249 |
前半は、ウイルスという病原微生物の基本生物像を、分子生物学的な視点から解説する総論的な内容です。後半は、現在注目されているウイルス種(あるいはウイルス群)を毎回一つずつ取り上げ、それらが持つ種々の特徴などを紹介し、講義を通じてそのウイルス種(群)だけでなく、ウイルス全般についての基礎的事項を再確認してもらうスタイルをとります。また、学生自らがウイルスについて調査をし、その成果を発表するグループ学習を通じて、ウイルスに対する理解を深めてもらいます。この講義では、主に学科DP1、さらにDP2とDP4に関する知識と技法、態度を修得します。
なお、「予防と治療」と「発がんウイルス」の回(後述の「7.授業内容」参照)には、学外講師を招聘し、より医学的な視点からの話題も提供していただきます。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において研究開発業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。
ウイルスという病原微生物の基本生物像を、分子生物学的な視点から理解し、他者に説明できるようになることを目指します。
授業目標の達成度を評価するために、学期末に筆記試験を実施します。また、講義と並行して、ウイルスに対する理解を自習で深めてもらうために、課題レポートとグループワークを課します。最終の成績評価は、試験の成績を65点分相当、平常点(レポートとグループワーク)を35点分相当とし、合算して評価します。なお、追試験は必要に応じて実施しますが、再試験は実施しません。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は使用しません。毎回、講義内容のポイントのメモおよび主要な図表を掲載した独自のプリント教材を配付し、これを基に講義を進めます。 | ||
参考文献 | 新しいウイルス入門(講談社ブルーバックス) | 武村政春(著) | 講談社 |
参考文献 | ウイルス〜ミクロの賢い寄生体 | クロフォード(著)永田恭介(監訳) | 丸善出版 |
参考文献 | エッセンシャル細胞生物学(第4版) | アルバーツ他(著)中村・松原(監訳) | 南江堂 |
参考文献 | 新型コロナの科学〜パンデミック、そして共生の未来へ〜(中公新書) | 黒木登志夫(著) | 中央公論新社 |
(1)現代ウイルス学を学ぶためには、分子遺伝学や生化学、免疫学など広範囲な分野の基礎知識を必要とします。受講前の夏休み期間中に、これらの分野の復習をしておいてください。また、講義ごとに1〜2時間の復習を行い、学修内容を確実な知識にしてください。
(2)最近のニュースで取り上げられたウイルスを、1班3〜4人のグループワークで調査してまとめ、その成果をスライド発表してもらいます。このため、新聞などをよく読み、書籍やインターネットなどを利用して調査をしておきましょう。なお、このグループワークには、個人で約10時間、グループとしても約10時間の時間を要すると考えてください。(グループワークの実施要項は、履修登録前ですが、夏季休業に入る前にアナウンスする予定です。)
(3)グループワークの進め方、スライドのまとめ方などは、講義中に指導します。特にスライドに関しては、定期的に添削指導をします。なお、教科書・参考書などに掲載されている図や表がどのようにまとめられているのか、プレゼンテーションという視点から注目し直し、技を学んでおいてください。
(1)初回の授業で、より詳しい授業計画や履修上の注意等を説明します。履修希望者は必ず出席し、その際に配付する「グループワーク」のガイダンス資料を受け取ってください。
(2)「高校生物」ではウイルスを取り上げています。理科の教員免許取得を希望している学生は、(教職課程の必修指定科目ではありませんが)将来あなた自身が教壇に立った時の基礎知識として、必修に準じて履修することを強く勧めます。
(3)教科書を用いず、独自のプリントを教材にしていますので、毎回出席することが重要です。なお、プリントを配付した分、講義時間内の板書事項は少ないことを、あらかじめお断りしておきます。
(4)グループワークに要する時間は講義時間内にもいくらかは設定しますが、原則として講義時間外の「自習」で取り組んでもらいます。
(5)当科目は生物としてのウイルス学です。コンピュータ・ウイルスは取り扱いません。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ウイルス学序論 |
第2回 | ウイルスと微生物 |
第3回 | ウイルスの遺伝子 |
第4回 | ウイルスの感染と増殖 |
第5回 | ウイルス病の予防と治療 |
第6回 | グループワーク(ブレインストーミング法+KJ法の実践、スライドのまとめ方の指導など) |
第7回 | AIDSとHIV |
第8回 | インフルエンザウイルス(その1:ウイルスについて) |
第9回 | インフルエンザウイルス(その2:感染爆発のケーススタディ) |
第10回 | がんウイルスと発がんの仕組み |
第11回 | 天然痘ウイルス〜根絶までの戦い |
第12回 | 新興・再興ウイルス〜なぜ制御できないのか |
第13回 | グループワーク成果発表会(その1:前半10班程度を予定) |
第14回 | グループワーク成果発表会(その2:後半10班程度を予定) |
第15回 | まとめと試験 |