担当者 | 梶谷 正行 | |
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学年・開講期 | 3年次 後期 [理工学部 バイオサイエンス学科] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 5G355 |
次に示すテーマを学修します。
(1)放射線と放射能、 (2)放射線利用機器、 (3)人体への影響、
(4)安全取扱の基礎、 (5)生化学におけるRIの利用、 (6)放射線障害の予防。
前半は、放射線とはどういうものか、それを浴びる(被曝する)とどういう影響が出るのか等について講義します。後半は、主に生化学分野における放射性同位元素(ラジオアイソトープ、RI)の利用の仕方と、それによってもたらされた代表的な成果について講義します。また、放射線障害予防のための法律や利用施設(事業場)独自の規程についても解説します。なお、講義だけでなく、演示実験(デモ実験)や教育訓練用ビデオなどの映像教材も活用する多様な授業スタイルをとります。
なお、この講義では、主に学科DP1およびDP2、DP4に関する知識と技法、態度を修得します。
また、この授業は主に講義形式ですが、「一般的な安全教育」の回では適宜ペアワークを導入し、さらに「基礎知識」の中では適宜演習的な要素を取り入れ、能動的な参加を促します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において研究開発業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。
この講義を通して、放射線に関する誤った情報に惑わされず、その利用の有用性と危険性とを冷静に客観的に判断できるようになることを目指す。
(1)課題レポートを課し(2回を予定)、その作成を通して放射線に対する理解を深めてもらいます。なお、この課題レポートを毎回提出することを、期末試験の受験資格を得るための必要条件の一つとします。
(2)最終成績は、期末試験の結果を中心に、課題レポートの成績も加味して評価します。その配分比は、試験成績を65点相当、レポート点を35点相当としています。
(3)再試験は実施しません。追試験は必要に応じて実施します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 放射線のABC 改訂版(ISBN978-4-89073-212-8) | 日本アイソトープ協会(編) | 丸善出版 |
参考文献 | やさしい放射線とアイソトープ | 日本アイソトープ協会(編) | 丸善出版 |
参考文献 | アイソトープを取扱う前に〜教育訓練テキスト〜 | 日本アイソトープ協会(編) | 丸善出版 |
(1)放射線・放射能を講義する関係上、物理学や化学、数学の基礎知識が必要です。原子の構造や元素の周期律、対数・指数の扱い方などを理解していることを前提に授業を進めますが、復習を兼ねて事前に確認用ワークシートを配付し、提出してもらいます。
(2)「生化学におけるRIの利用例」の講義(都合3回予定)では、生化学の基礎知識も必要となります。なお、バイオサイエンス学科以外の学生が受講している場合も考え、必要最小限の基礎知識を復習しながら進めるよう留意します。
(3)教科書を指定しているので、予習・復習に活用してください。予習に1〜2時間、プリントも含めた復習に1〜2時間の自習が必要です。なお、授業中に触れないページもありますが、教科書全域を試験範囲とします。
(4)開講期間中、2回、「身のまわりの放射線」と題した小レポートを課します。各自で調査の上、まとめてください。レポートは指定書式(段階的な設問形式)に基づいてまとめてもらいます。詳細は講義初回のガイダンスでアナウンスします。1レポートあたり3〜5時間の自習が必要でしょう。
(1)毎回、講義内容のポイントのメモおよび(指定テキストには掲載されていない)図表を収録した独自のプリント教材も配付し、教科書とプリントを元に講義を進ます。プリントを配付した分、講義中の板書事項は少なくなります。
(2)日本アイソトープ協会(編)の教育訓練用ビデオも多数利用します。(1巻20分前後で約10巻)
(3)初回の授業で、より詳しい授業計画や課題レポートの執筆要項などを説明します。履修希望者は必ず出席し、その際に配付するガイダンス資料を受け取ってください。
(4)教職課程履修者諸君へ;中学校理科で放射線の単元が復活し、小学校や高等学校でも放射線教育を取り上げる機会が増えています。(教員免許状の教科が「理科」であるかないかに関わらず)教員を目指す諸君は、将来のために当科目を受講することを強く勧めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 序論(放射線とは何か) |
第2回 | 基礎知識(その1:放射性同位元素(RI)と放射線) |
第3回 | 基礎知識(その2:放射線の物理化学的影響) |
第4回 | 基礎知識(その3:演習編(半減期と減衰など)) |
第5回 | 基礎知識(その4:実験編(逆自乗則の確認、霧箱での検出など)) |
第6回 | 放射線の人体に与える影響(その1:物理化学的影響から生物学的影響へ) |
第7回 | 放射線の人体に与える影響(その2:影響の評価) |
第8回 | 放射性同位元素の安全取扱(その1:一般的な安全教育) |
第9回 | 放射性同位元素の安全取扱(その2:RIの安全取扱) |
第10回 | 放射性同位元素の安全取扱(その3:生化学系分野でのより具体的な安全対策) |
第11回 | 生化学分野でのRI利用例(その1:放射性同位元素標識化合物の特性、検出方法など) |
第12回 | 生化学分野でのRI利用例(その2:アミノ酸、タンパク質合成など) |
第13回 | 生化学分野でのRI利用例(その3:核酸合成など) |
第14回 | 放射線障害の予防、RI実験施設の実際と運営 |
第15回 | まとめと試験 |