担当者 | 小林 靖之 | |
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学年・開講期 | 2年次 後期 [理工学部 情報電子工学科] | |
科目の種類 | 専門基礎 | |
区分・単位 | 選必 2単位 | |
科目ナンバー | 3E208 |
電子機器を構成するアナログ電子回路について基礎的かつ重要な事項を理解すれば様々な応用に対応できます。そこで、アナログ電子回路の理解に欠かせない基本的な増幅回路と等価回路の概念について講義した上で、様々な用途に対応するアナログ回路について解説します。
講義とともに随時課題レポートによる実習(適宜ペアワーク)を行ない、アナログ回路の理解を深めてもらいます。
この科目は電子回路の講義に重点をおき、対応する電子回路の様々な問題を解く実習を別時間の開講科目「電子回路演習」において行ないます。
この科目は、ディプロマポリシーDP4Eに関連します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において半導体機器の研究開発業務に携わっており、授業では、企業における実体験、現場課題などを踏まえて電子回路について汎用的な実務上の要点も解説します。
ディプロマポリシーDP4Eのうち、エレクトロニクス技術者が習熟すべきハードウェアの基礎知識を身につけることを目標とします。具体的には、電子機器にとって重要なアナログ電子回路システムの基礎的かつ重要な事項を習得し、説明や回路計算ができることを目標とします。
出席率2/3 以上の条件を満たした場合に定期試験の受験資格を与え、
中間試験:40点、期末試験:40点、宿題レポート:20点の100点満点で評価します。
宿題レポート評価点数として、〆切を遵守の上で合格した宿題レポートの数の割合に比例して最大20点を与えます。
フィードバック方法として、提出された宿題レポートを授業期間内に添削し返却します。各宿題レポートの最終〆切は出題日から次回の授業です。これ以降の遅延を認めません。宿題レポートを開講学期内のうちに速やかに返却しますので、各宿題レポートの〆切を遵守してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 「入門電子回路アナログ編」 ISBN:4-274-20317-4 | 家村道雄(監修) | オーム社 |
教科書 | LMSにて講義スライドや資料等を公開します。 | ||
参考文献 | 「専門基礎ライブラリー 電子回路」ISBN:978-4-407-34779-1 | 和田成夫、小松聡 他 | 実教出版 |
参考文献 | 分野ごとに良い教科書や参考書がありますので、授業中に紹介します。 |
7.授業内容に各授業回の詳細を記載しますが、各授業回の予習として教科書該当部分を通読・例題解答し(約1.0時間)、同じ回の復習としてLMSに掲載する課題(宿題レポートを含む)(約2.0時間)を必ず解いて下さい。
科目「電子回路演習」と並行して授業を進めていきます。
本科目で学修する電子回路理論の理解を深めるために、合わせて「電子回路演習」も受講してください。
電気回路の講義を履修していることが大変望ましく、少なくとも直流回路を計算できることを前提とします。
必要に応じて 多めに板書しますので、承知の上で頑張って授業を受けてください。
エレクトロニクス基礎実験やエレクトロニクス実験の受講を考えている学生は、本講義を履修しておいてください。
LMSを利用します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション・各種半導体デバイス(1):pn接合とダイオード:アナログ電子回路に用いる半導体デバイスの基礎と基礎的なデバイスであるダイオードを解説します。 予習として教科書の1章と2章を読んで例題を解いてください。 復習として半導体に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第2回 | 各種半導体デバイス(2)その他・バイポーラトランジスタとは(1):増幅に用いるトランジスタを概説した後、本科目の中心であるバイポーラトランジスタの構造や種類、入力・出力特性について解説します。特にバイポーラトランジスタは電流を増幅するデバイスとして理解してください。 予習として教科書の3.1節~3.3節を読んで例題を解いてください。 復習としてバイポーラトランジスタに関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第3回 | 増幅回路の各種量・バイポーラトランジスタとは(2):増幅度や利得・デシベル(dB)の概念を解説後、バイポーラトランジスタでの増幅後の出力回路と作図法による解析法を解説します。 予習として教科書の3.3節~3.5節,4.4節~4.5節を読んで例題を解いてください。 復習として利得や作図法に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第4回 | トランジスタ増幅回路のバイアス(1):バイポーラトランジスタ増幅回路で重要なバイアス回路の必要条件と基本的な固定バイアス回路を解説します。 予習として教科書の4.3節,4.5節,5.1節,5.2節,5.5節を読んで例題を解いてください。 復習としてバイアス回路と固定バイアスに関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第5回 | トランジスタ増幅回路のバイアス(2):固定バイアス回路におけるバイアス条件変動の問題に引き続き、バイアス条件変動を解決した自己バイアス回路と電流帰還バイアス回路を解説します。 予習として教科書の5.3節~5.4節を読んで例題を解いてください。 復習として電流帰還バイアス回路に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第6回 | トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(1):トランジスタ増幅回路において直流成分と交流成分を分離する方法と固定バイアス・電流帰還バイアス回路での適用例を解説します。 予習として教科書の4.5節,5.5節を読んで例題を解いてください。 復習としてバイアス回路での直交分離に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第7回 | トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(2):トランジスタをhパラメータによる小信号交流等価回路で扱うモデルを解説します。 予習として教科書の3.4節,4.6節,6.1節~6.3節を読んで例題を解いてください。 復習としてhパラメータに関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第8回 | トランジスタ増幅回路の小信号等価回路(3)・高周波増幅回路:固定バイアス・電流帰還バイアス回路において小信号交流等価回路を適用する方法と入力・出力インピーダンスの概念を解説します。 予習として教科書の6.3節~6.5節を読んで例題を解いてください。 復習として固定バイアス・電流帰還バイアス回路の小信号交流等価回路に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第9回 | まとめと中間試験:これまでの学修成果の評価のため中間試験を行います。試験前に教科書と課題レポート等の十分な復習を行なってください。試験後は理解不足の単元を復習してください。 予習として第1回~第8回の例題や宿題を解いてください。 復習として中間試験で解けなかった問題をやり直してください。 |
第10回 | 演算増幅器(1):演算増幅器(オペアンプ)の概要と単体の機能、そしてオペアンプの基本的回路である反転増幅器を解説します。 予習として教科書の6.5節,12.1節~12.2節を読んで例題を解いてください。 復習としてオペアンプの基礎に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第11回 | 演算増幅器(2):オペアンプの基本的回路である非反転増幅器、ボルテージフォロワ、加算器、積分器・微分器等を解説します。 予習として教科書の12.2節とLMS掲載のオペアンプの資料を読んで例題を解いてください。 復習としてオペアンプの応用回路に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第12回 | 帰還増幅回路・発振回路(1):帰還増幅器として、負帰還増幅器と発振回路の原理、さらに発振回路の例としてRC発振回路を解説します。 予習として教科書の10.1節,10.2節を読んで例題を解いてください。 復習として発振回路の基礎に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第13回 | 発振回路(2):発振回路の例としてLC発振回路・水晶発振回路、さらにPLL発振回路の原理を解説します。 予習として教科書の10.3節~10.5節を読んで例題を解いてください。 復習として様々な発振回路に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第14回 | 高周波の計測理論:高周波回路の理解に必要な分布定数回路の概念、特性インピーダンスとインピーダンスマッチングを解説します。 予習としてLMS掲載の分布定数回路の資料を読んで例題を解いてください。 復習として分布定数回路に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |
第15回 | 高周波や各種の電子計測機器・信号発振器:分布定数回路の概念理解を前提に、インピーダンスマッチングに関わる測定量とネットワークアナライザを解説し、さらに高周波特有の計測器や信号発振器等を解説します。 予習としてLMS掲載の高周波計測機器の資料を読んで例題を解いてください。 復習として高周波計測機器に関する宿題(LMS掲載)を解答してください。 |