担当者 | 小林 恒之 | |
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学年・開講期 | 1年次 前期 [医療技術学部 柔道整復学科] | |
科目の種類 | 専門基礎 | |
区分・単位 | 必修 2単位 | |
科目ナンバー | 7B205 |
この授業ではDP3の関する知識の習得を目指し、広範な人体の機能の中から以下の項目ついて講義を行います。
1.生理学を理解するうえで必要な化学、生物、物理の基礎(「第1章 生理学の基礎」)
2.血液および血液を全身に循環させる心臓と血管の機能(「第2章 血液」、「第3章 循環」)
3.肺におけるガス交換の機能と血液による酸素と二酸化炭素運搬(「第4章 呼吸」)
将来柔整師やスポーツトレーナーとして十全に活躍するには、ヒトの体のつくりとかたち(解剖学)、その仕組みとはたらき(生理学)ついて正確な知識と理解が不可欠です。これらの基礎科目の習得なくしては柔道整復学の専門科目を理解することは困難です。本講義により人体機能のメカニズムを細胞レベルから全身レベルまで学び、柔道整復学を専門的に学ぶための必要な基礎学力の形成を目指します。
小テスト10%、「生理学学習ノート」のチェック10%、期末テスト80%として評価行います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 生理学 改訂第4版 | 彼末一之(編) | 南江堂 978-4-524-24029-6 |
参考文献 | 人体の構造と機能(第4版) | エレイン N マリーブ | 医学書院 ISBN978-4-260-02055-8 |
参考文献 | トートラ人体解剖生理学(原書10版) | トートラ | 丸善出版 ISBN-978-4-621-30069-5 |
生理学は学生諸君にとってあまりなじみのない理系科目であるため、これを不得意とする学生が多くいます。したがって、講義内容を十分に理解するためには予習と復習が不可欠です。
【準備と予習】
1.レジメ(教科書の内容を章ごとにわかりやすく要約したもの)と講義で使用する図をLMSにあらかじめアップするので、これらを各自でプリントアウトし講義には必ず持参すること。
2.教科書の該当部分を事前に目を通したうえで講義に臨むこと。その際、専門用語でなくても不明の語句があったなら、億劫がらずに辞書等で下調べしておくこと。1.5時間程度。
【復習】
1.講義後、レジメと図を参照しながら講義内容について理解を深めること。
2.各授業の最後にキーワードを提示します。教科書を再度よく読み、講義で使用した図と講義内容を参照しながら、各キーワードの内容を50‐200字程度にまとめ、『生理学学習ノート』を作成すること。1.5時間程度。
生理学の理解には高校教科の生物、化学、物理の知識が必要です。本講義は必要に応じてこれらの基礎知識を補足的に説明しながら進められます。 したがって、理工学部の学生諸君には易し過ぎると感じられるところがあるかもしれませんが、本講義は柔道整復学科の開講科目であることを理解したうえで履修登録してください。
高校教科の生物、化学、物理の知識が不十分と感じている柔道整復学科の学生は、高校理科補習のために開講されている講義を並行して履修し、その講義にしっかりと出席することを強く薦めます。
講義中、理解度を確認するために学生に質問をすることがあります。これは試験ではありません。質問されたときは、どこまで理解できているかを明瞭に答えてくれると助かります。
『生理学学習ノート』の作成は必須事項であり、その書き方は最初の授業で説明します。期間中に個別に『生理学学習ノート』をチェックし、ノート作成が不十分な場合には作り直しを求めることがあります。
指定教科書はわかりづらい記述が多いので、参考書のいずれか一つまたは両方を購入することを強く薦めます。これらの参考書は「解剖生理学」の教科書として書かれたもので、解剖学と生理学の両方の参考書として利用できます。いずれもわかりやすく、定評のある教科書です。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 生理学の基礎1 ホメオスタシス、からだの化学的構成(糖質、脂質、タンパク質)について講義します。 |
第2回 | 生理学の基礎2 細胞の機能的構造(細胞膜、ミトコンドリア等)、生体機能を理解するうえで重要な物理的基礎(拡散、浸透、ろ過)について講義します。 |
第3回 | 生理学の基礎3 細胞における物質の移動(受動輸送、能動輸送、エンドサイトーシス、エクソサイトーシス)について講義します。 |
第4回 | 血液の生理学1 血液の役割全般(運搬、ホメオスタシス、止血、生体防御)と血液の組成について講義します。 |
第5回 | 血液の生理学2 血液の重要な役割である免疫機能について講義します。 |
第6回 | 血液の生理学2 血液型と血液凝固について講義します。 |
第7回 | 循環の生理学1 心臓の構造と心筋の基本的機能(自動性、興奮性、伝導性、収縮性)について講義します。 |
第8回 | 循環の生理学2 心電図、不整脈、心臓のポンプ機能について講義します。 |
第9回 | 循環の生理学3 血管系(血管の種類、構造、血圧)とリンパ管系について講義します。 |
第10回 | 循環の生理学4 循環の調節(神経性調節、体液性調節、局所性調節)について講義します。 |
第11回 | 循環の生理学5 局所循環(冠循環、脳循環、肺循環等)と脳脊髄循環(脳脊髄液と血液-脳関門)について講義します。 |
第12回 | 呼吸の生理学1 呼吸器の構造と換気(呼息、吸息、肺胞内圧、胸膜腔内圧、換気量、残気量)について講義します。 |
第13回 | 呼吸の生理学2 ガス交換(ガス分圧とガス交換の仕組み)、酸素の運搬(ヘモグロビン、酸素解離曲線)について講義します。 |
第14回 | 呼吸の生理学3 二酸化炭素の運搬、呼吸の調節(呼吸の周期性、呼吸中枢、肺換気量の調節)について講義します。 |
第15回 | 呼吸の生理学4 呼吸の異常、特殊環境下の呼吸、人工呼吸について講義します。 |