人体の機能2(生理)
担当者小林 恒之
学年・開講期1年次 後期  [医療技術学部 柔道整復学科]
科目の種類専門基礎
区分・単位必修 2単位
科目ナンバー7B206

授業の概要(ねらい)

この授業ではDP3の関する知識の習得を目指し、広範な人体の機能の中から以下の項目ついて講義を行います。
1.生命の維持に関係する機能(第5章「消化と吸収」、第6章「栄養と代謝」)
2.体内環境を一定に保つ機能(第7章「体温とその調節」、第8章「尿の生成と排泄」)
3.全身の働きを調節する機能(第9章「内分泌系」)

授業の到達目標

将来柔整師やスポーツトレーナーとして十全に活躍するには、ヒトの体のつくりとかたち(解剖学)、その仕組みとはたらき(生理学)ついて正確な知識と理解が不可欠です。これらの基礎科目の習得なくしては柔道整復学の専門科目を理解することは困難です。本講義により人体機能のメカニズムを細胞レベルから全身レベルまで学び、柔道整復学を専門的に学ぶために必要な基礎学力の形成を目指します。

成績評価の方法および基準

小テスト10%、『生理学学習ノート』のチェック10%、期末テスト80%として評価行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書生理学(改定第4版)彼末一之(編)南江堂 ISBN-978-4-524-24029-6
参考文献人体の構造と機能(第4版)エレイン N マリーブ医学書院 ISBN978-4-260-02055-8
参考文献トートラ人体解剖生理学(原書10版)トートラ丸善出版 ISBN-978-4-621-30069-5

準備学修の内容

生理学は学生諸君にとってあまりなじみのない理系科目であるため、これを不得意とする学生が多くいます。したがって、講義内容を十分に理解するためには予習と復習が不可欠です。
【準備と予習】
1.レジメ(教科書の内容を章ごとにわかりやすく要約したもの)と講義で使用する図をLMSにあらかじめアップするので、これらを各自でプリントアウトし講義には必ず持参すること。
2.教科書の該当部分を事前に目を通したうえで講義に臨むこと。その際、専門用語でなくても不明の語句があったなら、億劫がらずに辞書等で下調べしておくこと。1.5時間程度。
【復習】
1.講義後、レジメと図を参照しながら講義内容について理解を深めること。
2.各授業の最後にキーワードを提示します。教科書を再度よく読み、講義で使用した図と講義内容を参照しながら、各キーワードの内容を50‐200字程度にまとめ、『生理学学習ノート』を作成すること。1.5時間程度。

その他履修上の注意事項

生理学の理解には高校教科の生物、化学、物理の知識が必要です。本講義は必要に応じてこれらの基礎知識を補足的に説明しながら進められます。 したがって、理工学部の学生諸君には易し過ぎると感じられるところがあるかもしれませんが、本講義は柔道整復学科の開講科目であることを理解したうえで履修登録してください。
高校教科の生物、化学、物理の知識が不十分と感じている柔道整復学科の学生は、高校理科補習のために開講されている講義を並行して履修し、その講義にしっかりと出席することを強く薦めます。
講義中、理解度を確認するために学生に質問をすることがあります。これは試験ではありません。質問されたときは、どこまで理解できているかを明瞭に答えてくれると助かります。
『生理学学習ノート』の作成は必須事項であり、その書き方は最初の授業で説明します。期間中に個別に『生理学学習ノート』をチェックし、ノート作成が不十分な場合には作り直しを求めることがあります。
指定教科書はわかりづらい記述が多いので、参考書のいずれか一つまたは両方を購入することを強く薦めます。これらの参考書は「解剖生理学」の教科書として書かれたもので、解剖学と生理学の両方の参考書として利用できます。いずれもわかりやすく、定評のある教科書です。

授業内容

授業内容
第1回消化と吸収1
消化器系の構成と神経支配、消化管の運動(分節運動、蠕動運動)とその調節について講義します。
第2回消化と吸収2
消化液(唾液、胃液、膵液、腸液)の性質と分泌機序、各栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の吸収について講義します。
第3回消化と吸収3
消化管ホルモン、肝臓と胆道系の機能について講義します。
第4回栄養と代謝1
栄養素、高エネルギーリン酸化合物、クエン酸回路、電子伝達系について講義します。


第5回栄養と代謝2
中間代謝(吸収期、空腹期)とその調節について講義します。
第6回栄養と代謝3
エネルギー代謝とその測定、基礎代謝、推定エネルギー必要量について講義します。
第7回体温とその調節1
体温の生理的変動(リズム、年齢や性周期のよる変動)、体内における熱の産生と放散について講義します。
第8回体温とその調2
体温調節、うつ熱と発熱、気候馴化について講義します。
第9回尿の生成と排泄1
腎の構造(ネフロン)と機能(クリアランス、糸球体ろ過量、腎血漿流量)、糸球体ろ過について講義します。
第10回尿の生成と排泄2
尿細管におけるナトリウムイオン、塩素イオン、水の再吸収について講義します。
第11回尿の生成と排泄3
グルコースとアミノ酸の再吸収および尿細管における分泌、排尿について講義します。
第12回内分泌の機能1
内分泌腺とホルモンの一般的性質(化学的組成、分泌調節、フィードバック)について講義します。
第13回内分泌の機能2
視床下部の構造と視床下部ホルモン、下垂体の構造と下垂体前葉ホルモン、下垂体後葉ホルモンについてについて講義します。
第14回内分泌の機能3
甲状腺の構造と甲状腺ホルモン、副腎の構造と副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモンについてについて講義します。
第15回内分泌の機能4
膵臓、精巣、卵巣のホルモン(インスリン、アンドロジェン、エストロジェン等)について講義します。