担当者 | 小林 恒之 | |
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学年・開講期 | 2年次 前期 [医療技術学部 柔道整復学科] | |
科目の種類 | 専門基礎 | |
区分・単位 | 必修 1単位 | |
科目ナンバー | 7B207 |
この授業ではDP3の関する知識の習得を目指し、広範な人体の機能の中から以下の項目ついて講義を行います。
1.性と生殖にかかわる機能(第10章「生殖」)
2.骨の成長と形成の機能(第11章「骨」)
3.体内の液体成分の役割(第12章「体液」)
4.神経機能の基本となる神経細胞の性質(第13章「神経の基本機能」)
5.神経系のはたらき①(第14章「神経系の機能」の前半)
将来柔整師やスポーツトレーナーとして十全に活躍するには、ヒトの体のつくりとかたち(解剖学)、その仕組みとはたらき(生理学)ついて正確な知識と理解が不可欠です。これらの基礎科目の習得なくしては柔道整復学の専門科目を理解することは困難です。本講義により人体機能のメカニズムを細胞レベルから全身レベルまで学び、柔道整復学を専門的に学ぶために必要な基礎学力の形成を目指します。
小テスト10%、『生理学学習ノート』のチェック10%、期末テスト80%として評価行います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 生理学(改定第4版) | 彼波一之編 | 南江堂 ISBN-978-4-524-24029-6 |
参考文献 | 人体の構造と機能(第4版) | エレイン N マリーブ | 医学書院 ISBN978-4-260-02055-8 |
参考文献 | トートラ人体解剖生理学(原書10版) | トートラ | 丸善出版 ISBN-978-4-621-30069-5 |
生理学は学生諸君にとってあまりなじみのない理系科目であるため、これを不得意とする学生が多くいます。したがって、講義内容を十分に理解するためには予習と復習が不可欠です。
【準備と予習】
1.レジメ(教科書の内容を章ごとにわかりやすく要約したもの)と講義で使用する図をLMSにあらかじめアップするので、これらを各自でプリントアウトし講義には必ず持参すること。
2.教科書の該当部分を事前に目を通したうえで講義に臨むこと。その際、専門用語でなくても不明の語句があったなら、億劫がらずに辞書等で下調べしておくこと。1.5時間程度。
【復習】
1.講義後、レジメと図を参照しながら講義内容について理解を深めること。
2.各授業の最後にキーワードを提示します。教科書を再度よく読み、講義で使用した図と講義内容を参照しながら、各キーワードの内容を50‐200字程度にまとめ、『生理学学習ノート』を作成すること。1.5時間程度。
生理学の理解には高校教科の生物、化学、物理の知識が必要です。本講義は必要に応じてこれらの基礎知識を補足的に説明しながら進められます。 したがって、理工学部の学生諸君には易し過ぎると感じられるところがあるかもしれませんが、本講義は柔道整復学科の開講科目であることを理解したうえで履修登録してください。
高校教科の生物、化学、物理の知識が不十分と感じている柔道整復学科の学生は、高校理科補習のために開講されている講義を並行して履修し、その講義にしっかりと出席することを強く薦めます。
講義中、理解度を確認するために学生に質問をすることがあります。これは試験ではありません。質問されたときは、どこまで理解できているかを明瞭に答えてくれると助かります。
『生理学学習ノート』の作成は必須事項であり、その書き方は最初の授業で説明します。期間中に個別に『生理学学習ノート』をチェックし、ノート作成が不十分な場合には作り直しを求めることがあります。
指定教科書はわかりづらい記述が多いので、参考書のいずれか一つまたは両方を購入することを強く薦めます。これらの参考書は「解剖生理学」の教科書として書かれたもので、解剖学と生理学の両方の参考書として利用できます。いずれもわかりやすく、定評のある教科書です。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 生殖1 性染色体の異常、性分化、男性生殖器の構成とその性機能について講義します。 |
第2回 | 生殖2 女性生殖器の構成、卵巣周期、月経周期について講義します。 |
第3回 | 生殖3 妊娠と分娩(受精と胎盤の機能)、乳汁分泌とホルモンについて講義します。 |
第4回 | 骨の生理学1 骨の構造、成長、再吸収、再形成について講義します。 |
第5回 | 骨の生理学2 カルシウム代謝とリン代謝、ビタミンD、上皮小体ホルモン、カルシトニン、骨の病気について講義します。 |
第6回 | 体液の生理学1 体液の区分と水バランス、体液のイオン組成について講義します。 |
第7回 | 体液の生理学2 体液浸透圧、体液量、体液ナトリウムイオンの調節機構について講義します。 |
第8回 | 体液3 体液酸塩基平衡の調節(水素イオン濃度、アシドーシスとアルカローシス、血液の緩衝作用)について講義します。 |
第9回 | 神経の基本機能1 神経細胞の形態、静止膜電位と活動電位の発生のしくみについて講義します。 |
第10回 | 神経の基本機能2 神経細胞の基本的性質(閾刺激、全か無かの法則、不応期)について講義します。 |
第11回 | 神経の基本機能3 イオンチャネルの性質、興奮の伝導、跳躍伝導、伝導速度、複合活動電位について講義します。 |
第12回 | 神経の基本機能4 興奮の伝達(シナプス、化学伝達物質、シナプス伝達の特徴、シナプス接続のタイプシナプス前抑制、シナプス可塑性)について講義します。 |
第13回 | 神経系の機能1 体性神経系と自律神経系、末梢神経系と中枢神経系について講義します。 |
第14回 | 神経系の機能2 神経系による内臓機能の調節(交感神経と副交感神経)、視床下部による行動の調節について講義します。 |
第15回 | まとめと期末試験 |