担当者 | 梶谷 正行 | |
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学年・開講期 | 1年次 前期 [総合理工学専攻 博士前期課程(修士課程)] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー |
現代の生命科学はいわゆる遺伝子操作を可能とし、さらにその応用として、遺伝子工学を中心とするバイオテクノロジーを生み出してきました。この新しい技術により生物に新しい付加価値を与え、さらには、生物を物質生産の「生物工場」として利用しようとする分子育種も可能となっています。本科目では、ケース・スタディを通じて、その分子育種の基本技術を理解するだけでなく、理工学研究科のDP3にも関連して、その分野の時代的背景やその技術の波及効果にも目を向けてくれるようリードしていきます。
新しい育種技術を、具体例を通して学び、その基本的な考え方と基本技術を理解できるようになることを目指します。
また、この分子育種技術の可能性と問題点について科学的に議論できるようになることも目指します。
演習時の取組み方(発表の量と質)と最終の課題レポートの内容とで評価します。レポート評価のポイントは、テキストに書かれていることだけでなく、参考文献も調べてまとめあげ、かつ、第三者にも伝わるように工夫しているかを重視します。プレゼンの際には、その場でも具体的に指導します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は使用しません。必要に応じてプリント教材を配付します。 | ||
参考文献 |
分野的には、学部学生を対象に開講されている「分子遺伝学」および「核酸工学」、「タンパク質工学」と重複していますが、内容はより専門的になります。また、英文の文献輪読も取り入れていますので、生物学や科学技術を題材にした英文を読みこなす能力が前提となります。プリント教材を事前に配付しますので、教材の量と自分の能力に応じた予習をして講義に臨んでください。
メインには英文読解の演習形式で進めます。状況に応じて、その時代的背景やその後の波及効果について説明を加えていきます。なお、後半には、育種工学に関連する文献を受講生諸君に自由に選んでもらい、そのレポートを授業時間中に発表し、受講生全員で総合討論する形式の回を設けます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 遺伝子工学序論 |
第2回 | DNAを知る |
第3回 | 分子育種の基本的な戦略と技術1(英文読解の演習を含む):制限酵素と結合酵素 |
第4回 | 分子育種の基本的な戦略と技術2(英文読解の演習を含む):発現制御 |
第5回 | 細菌での分子育種1(英文読解の演習を含む):原核細胞と真核細胞の違い |
第6回 | 細菌での分子育種2(英文読解の演習を含む):発現から精製まで |
第7回 | 植物での分子育種1(英文読解の演習を含む):アグロバクテリアによる遺伝子導入 |
第8回 | 植物での分子育種2(英文読解の演習を含む):第一世代と第二世代 |
第9回 | 動物での分子育種1(英文読解の演習を含む):ウイルスを飼い慣らす |
第10回 | 動物での分子育種2(英文読解の演習を含む):実用的な展開 |
第11回 | クローン化タンパク質と糖鎖1(英文読解の演習を含む):糖鎖の構造と機能 |
第12回 | クローン化タンパク質と糖鎖2(英文読解の演習を含む):糖鎖の違いとその生理作用の違い |
第13回 | 課題レポートの発表会1:受講生によるプレゼン(第1回) |
第14回 | 課題レポートの発表会2:受講生によるプレゼン(第2回) |
第15回 | まとめと総合討論 |