ミクロ経済学Ⅰ
担当者溝口 佳宏
学年・開講期2年次 前期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類経済学系科目
区分・単位選必 2単位
科目ナンバー8B201

授業の概要(ねらい)

経済学入門を履修合格している人たちを主な対象として、家計や企業など個々の経済主体の行動について分析する手法であるミクロ経済学の基礎にあたる内容について講義します。まず、経済学入門で取り上げたミクロ経済学の入門にあたる事項について復習を行います。その内容を踏まえた上で、生産者の行動に関する基礎的な事柄について学習します。そして、需要供給分析について応用例を学習します。需要供給分析について学習する中で、弾力性の概念についても取り上げます。そののち、今まで学習した完全競争市場の枠組みでの分析を踏まえた上で、不完全競争市場の分析について取り扱います。この授業(ミクロ経済学I)では、独占市場と寡占市場の分析を取り扱います。

ディプロマポリシーとの関連については、専門分野についての知識・技能という点や、経済学の手法によって地域の問題を調査・研究するという点に、この授業の内容は関連するでしょう。地域経済学科が示すディプロマポリシーの番号との関連ということでいえば、DP1に相当するでしょう。

授業の到達目標

この授業での到達目標は以下の2点です。
・ミクロ経済学の基礎にあたる内容を習得している。
・経済主体の行動やその行動が市場にもたらす影響について、習得した内容を基にして理解し、自分なりに解釈できる。

成績評価の方法および基準

このシラバスの校正作業を行っている2021年3月上旬の時点で、少なくとも帝京大学宇都宮キャンパスでは、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、2021年度の授業形式に関して、いろいろなレベルでの協議が進んでいます。とはいえ、最終的な決定に至っている訳ではありません。このような状況のなか、この項目について、どの程度の内容を記すべきか判然としませんが、可能な範囲で記述をします。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、この科目と類似した科目(ミクロ経済学II・ミクロ経済学III)をオンライン授業で実施しました。それらの科目については、LMSを用いて出題した宿題のみで成績評価を行いました。この経験を踏まえ、特に、この科目をオンライン授業で実施する場合には、宿題のみで成績評価を行う可能性が高いでしょう。この場合は、出題された宿題すべてに対して、あらかじめ設定された合格基準を満たした解答を提出していることが、この科目の単位を取得するために必要です。

仮に、この科目を対面授業で実施する場合には、宿題と期末試験で成績評価を行う予定です。この場合、この科目の単位を取得するためには、次の2つの条件を満たすのが必要です。1つは、一定の水準を満たした宿題を提出していることです。もう1つは、期末試験を受験し、一定水準以上の得点を取っていることです。このシラバスを執筆している時点で、無理やりに評価比率を記してみると、宿題30%、期末試験70%といったところでしょう。

いずれにしても、この科目が実際に開始される2021年4月には、どのような授業形式になるのか確定しているでしょう。よって、成績評価の方法や基準に関する詳細は、ガイダンスの際に説明します。

フィードバック方法は、宿題についてはLMSを用いる予定ですので、提出された宿題について、LMSを通じて個別に講評を行う予定です。期末試験については、採点が終了したのちに、必要に応じて簡単な講評を行う予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストは使用しません。この科目ではLMSを利用して資料を配布します。そして、その資料に基づいて授業を行います。
参考文献としては、さしあたり以下を挙げておきます。
参考文献スティグリッツ ミクロ経済学スティグリッツ(藪下他訳)東洋経済新報社 ISBN: 9784492314357
参考文献マンキュー経済学 ミクロ編マンキュー(足立他訳)東洋経済新報社 ISBN: 9784492315194
参考文献ミクロ経済学 戦略的アプローチ梶井厚志、松井彰彦日本評論社 ISBN: 9784535552029
参考文献ミクロ経済学I 市場の失敗と政府の失敗への対策八田達夫東洋経済新報社 ISBN: 9784492812983

準備学修の内容

この授業で必要となる予習は以下の項目です。
・授業の進度に応じて、LMSから授業資料をダウンロードし、ダウンロードした授業資料に目を通してください。
・可能な範囲で、授業資料で記されている内容の流れや、分からない語句などについて、参考文献を参照してください。

この授業で必要となる復習は、以下の項目です。
・授業で進んだ範囲について、授業資料、授業の際に取ったノートやメモを見直してください。
・分からないところや、興味を持ったところについて、参考文献を読んでください。できる範囲で章末問題にも取り組んでください。
・宿題が出された時は、その宿題に取り組み、提出してください。

準備学修に必要な時間は、この授業が2単位科目である関係から、予習と復習を合わせて1週当たり3時間とされています。重要なのは時間数よりも内容だと思いますが、1つの目安にはなるでしょう。予習と復習の時間配分は履修者それぞれに任されますが、この授業の履修を進めていく中で、復習にあてる時間が相対的に多くなると思われます。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回重要事項の復習(需要と供給、市場均衡、市場の効率性)
第3回生産者の行動(1)生産の費用
第4回生産者の行動(2)完全競争市場における企業の利潤最大化行動
第5回生産者の行動(3)供給曲線の導出、短期と長期
第6回需要供給分析の応用(1) 課税の効果
第7回需要供給分析の応用(2) 価格規制、数量制限
第8回弾力性の概念(需要の価格弾力性、供給の価格弾力性)
第9回市場の失敗とは?
第10回独占市場(1)独占市場での企業の行動
第11回独占市場(2)経済厚生に対する効果、公共政策、価格差別
第12回寡占市場(1)クールノー競争
第13回寡占市場(2)囚人のジレンマ、協調の可能性
第14回寡占市場(3)公共政策と、その効果に関する議論
第15回全体のまとめ