担当者 | 山本 健兒 | |
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学年・開講期 | 3年次 後期 [経済学部 地域経済学科] | |
科目の種類 | 専門 地域経済系 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 8D201 |
この授業では、地域経済の発展に関する諸理論を概説するとともに、これを踏まえて日本の諸地域の間に存在する経済水準の違いがどのように変化してきたかについて概説します。
この授業は、経済学部のディプロマポリシーのうちDP1「1.日本と世界の経済、地域経済、企業経営及び観光に関わる基礎的理論・知識を修得」すること、および地域経済学科のディプロマポリシーのうち、特にDP2「2.各地域に共通する問題と各地域固有の問題の両方を理解し、説明することができる」ための基礎に関わります。
地域という概念を正しく理解するとともに、地域経済の発展に関する諸理論を理解し、それを踏まえて経済発展に関する日本国内の地域間の違いの実態を説明できるようになることがこの授業の到達目標です。
授業最終回に実施予定の試験で成績評価を行ないます。また、地域や経済に関する基礎的な知識等に関する質問を授業中に口頭で行なう予定です。これはいわゆる「反転授業」の意味を持ちます。さらに、授業内容の理解が確実になったか否かを確認するための簡単な小テストや小レポートを随時課します。これらも最終的な成績評価に反映させる予定です。口頭での質問に対する学生からの解答や小テスト・小レポートについては、その都度教員から正解や解答に至る考え方などを解説するので、これが学生へのフィードバックになります。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『経済地理学入門 地域の経済発展 新版』の第5章 | 山本健兒 | 原書房、2005年 |
参考文献 | 『地域経済論入門』 | 松原宏(編) | 古今書院、2014年 |
参考文献 | 『日本経済地理読本』第9版 | 竹内淳彦・小田宏信(編) | 東洋経済新報社、2014年 |
授業内容に関わるテキスト部分を事前に読み、知らない用語については、自分自身で経済学事典などを用いて調べておくことが求められます。授業を受けた後、できるだけその日のうちに、授業中にとったノート、テキスト、参考文献などをもとにして、学生が自分なりにノートを整理し、作成しなおすことが求められます。日本の諸地域に関する具体的な統計数値については、自分自身で図書館にある統計書やインターネットで取得できる国や県の統計データを調べて独自に計算してみることも事前または事後的な学習内容に含まれます。したがって、パソコンでExcelを用いて統計データを処理したり、図や表を作成したりすることが求められます。予習時間は、学生が受講前にすでに持っている知識によって変わりますが、1回の講義につき概ね1時間前後必要となると思われます。復習も同様です。
授業ではノートをしっかりと取ることが必要です。試験は、授業最終回ではなく、定期試験期間中の実施になる可能性があります。詳細は7月初旬頃に、授業中にお知らせする予定です。
COVID-19の感染状況次第では、教室での対面授業ができなくなる可能性があります。その場合には、オンライン・オンデマンドでの授業形態を考えます。しかし、私のインターネット通信の技能や設備・ソフトウェアが整えば、同期双方向通信での授業展開もあり得ます。いずれにせよ、教室での対面授業ができない場合にはLMSでのレポート提出を毎回全員に求めざるを得なくなります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 「地域経済論」の概要にかんするシラバスに基づく解説と、受講に際しての諸注意 |
第2回 | 「地域経済論」における地域とは何か? |
第3回 | 日本の経済地理学における地域構造論―国民経済の地域的構成と空間的分業 |
第4回 | 経済的地域間格差と産業構造 |
第5回 | 経済的地域間格差に果たす比較生産性と需要の所得弾力性の役割 |
第6回 | 地域間の価値移転 |
第7回 | 地域経済発展の原動力としての移出ベース |
第8回 | M. ポーターの産業クラスター論 |
第9回 | 産業集積とイノベーション |
第10回 | 生産諸要素の空間的流動と地域間格差への影響 |
第11回 | G.ミュルダールの循環的累積的因果関係論、 |
第12回 | 国内地域間格差の逆U字型軌跡論と空間的統合論 |
第13回 | 日本の地域構造と地域間格差の変動 |
第14回 | 日本の中央部に近い地域と縁辺部の地域の経済発展 |
第15回 | 試験、及び総括ディスカッション |