国際経済学特論
担当者溝口 佳宏
学年・開講期1年次 後期  [地域経済政策学専攻 博士前期課程(修士課程)]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー

授業の概要(ねらい)

学士課程で提供される国際経済学の内容を踏まえたうえで、国際経済学の発展的な内容に関して講義します。国際貿易理論のうち、企業の異質性に注目した貿易理論を取り上げます。まず、企業の異質性を考慮した貿易理論が現れるまでの国際貿易理論について概観します。その上で、企業の異質性に注目した貿易理論の概要を取り上げます。そののち、企業の異質性に注目した貿易理論の具体的な内容に入っていきます。取り上げるトピックとしては、貿易と賃金の関係、外国直接投資と雇用の関係、貿易利益、貿易政策、輸出と研究開発と企業の生産性の関係などを予定しています。

ディプロマポリシーとの関連については、経済学的手法による地域の実態や国際的な実態を把握する能力という点に、この授業の内容は関連するでしょう。地域経済政策学専攻が示すディプロマポリシーの番号との関連ということでいえば、DP1に相当するということになるのでしょう。

授業の到達目標

この講義での到達目標は以下の2点です。
・国境を越えて行われる財やサービスの取引について分析を行う国際貿易論について、発展的な内容を習得している。
・国際貿易に関する問題について、習得した内容を基にして理解ができる。

成績評価の方法および基準

このシラバスの校正作業を行っている2021年3月上旬の時点で、少なくとも帝京大学宇都宮キャンパスでは、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、2021年度の授業形式に関して、いろいろなレベルでの協議が進んでいます。とはいえ、最終的な決定に至っている訳ではありません。このような状況のなか、この項目について、どの程度の内容を記すべきか判然としませんが、可能な範囲で記述をします。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、当方が学士課程で担当した科目の全てをオンライン授業で実施しました。そして、多くの科目で、LMSを用いて出題した宿題のみで成績評価を行いました。この経験を踏まえ、仮に、この科目をオンライン授業で行う場合には、宿題のみで成績評価を行う可能性が高いでしょう。この場合は、出題された宿題すべてに対して、あらかじめ設定された合格基準を満たした解答を提出していることが、この科目の単位を取得するために必要です。

仮に、この科目を対面授業で実施する場合には、宿題と期末試験で成績評価を行う予定です。この場合、この科目の単位を取得するためには、次の2つの条件を満たすのが必要です。1つは、一定の水準を満たした宿題を提出していることです。もう1つは、期末試験を受験し、一定水準以上の得点を取っていることです。このシラバスを執筆している時点で、無理やりに評価比率を記してみると、宿題30%、期末試験70%といったところでしょう。

いずれにしても、この科目が実際に開始される2021年9月には、どのような授業形式になるのか確定しているでしょう。よって、成績評価の方法や基準に関する詳細は、ガイダンスの際に説明します。

フィードバック方法は、宿題についてはLMSを用いる予定ですので、提出された宿題について、LMSを通じて個別に講評を行う予定です。期末試験については、採点が終了したのちに、必要に応じて簡単な講評を行う予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書この科目ではLMSを利用して資料を配布します。そして、その資料に基づいて授業を行います。
主要な参考文献として、以下を挙げておきます。
参考文献新々貿易理論とは何か田中鮎夢ミネルヴァ書房

準備学修の内容

この科目で必要となる予習は、以下の項目です。
・授業の進度に応じて、授業資料をLMSからダウンロードし、ダウンロードした授業資料に目を通してください。
・可能な範囲で、授業資料で記されている内容の流れや、分からない語句などについて、参考文献を参照してください。

この授業で必要となる復習は、以下の項目です。
・授業で進んだ範囲について、授業資料、授業の際に取ったノートやメモを見直してください。
・分からないところや、興味を持ったところについて、参考文献を読んでください。
・宿題が出された時は、その宿題に取り組んで提出してください。

準備学修に必要な時間は、この授業が2単位科目である関係から、予習と復習を合わせて1週当たり3時間とされています。重要なのは時間数よりも内容とは思いますが、1つの目安にはなるでしょう。予習と復習の時間配分は履修者それぞれに任されますが、この授業の履修が進むにつれて、復習にかける時間が相対的に多くなると思われます。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回貿易理論の比較
第3回産業内貿易、企業の輸出決定
第4回輸出と外国直接投資
第5回企業内貿易、外国への生産委託
第6回貿易と賃金
第7回外国直接投資の類型
第8回外国直接投資と国内雇用
第9回貿易額の実証
第10回自由貿易協定の効果
第11回貿易利益
第12回貿易自由化の勝者と敗者
第13回研究開発と輸出
第14回サービス貿易
第15回全体のまとめ