技術者倫理
担当者金成 祐人
学年・開講期1年次 Ⅱ・Ⅳ  [理工学部 情報科学科(通信課程)]
科目の種類専門
クラスメディア授業
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー4G101

授業の概要(ねらい)

 「技術者はなぜ説明責任を負うのか」、「ミスは誰の責任なのか」、「莫大な費用がかかっても事故を減らすために設計を改善すべきか」等々、専門的な知識をもつ技術者・研究者だからこそ考えるべき様々な倫理的問題があります。本講義では、技術者が直面する倫理的問題について、具体的な事例を参考にしながら考察していきます。また、倫理学の基本的な学説である帰結主義、義務論、徳倫理学についても学びます。
 なお、この科目はDP5に関連します。

授業の到達目標

・学生は、講義で取り上げる技術者倫理の議論を理解し、自分の言葉で説明できる。(知識・理解)
・学生は、論理的・批判的に思考できる。(技能)
・学生は、批判的読解ができる。(技能)

成績評価の方法および基準

・科目修得試験(100%)
・すべての小テスト・課題に合格すると、科目取得試験の受験資格が得られます。
・課題について、LMS 上でフィードバックを行ないます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『JABEE対応 技術者倫理入門』小出泰士丸善株式会社、2010年
ISBN:978-4621082522
参考文献『誇り高い技術者になろう[第二版]』黒田光太郎・戸田山和久・伊勢田哲治編名古屋大学出版会、2012年
ISBN:978-4815807061
参考文献『はじめての技術者倫理 未来を担う技術者・研究者のために』北原義典講談社、2015年
ISBN:978-4061565470
参考文献『技術者倫理の世界 第3版』藤本温編森本出版株式会社、2013年
ISBN:978-4627973039

準備学修の内容

・準備学習として、その回の講義内容にある問い(例:技術者はなぜ説明責任を負うのか)について考え(30分)、教科書の講義に対応する章を読んでください(教科書にない内容の場合には講義内で説明します)。(60分)
・事後学修として、講義内容を要約して内容を確認してから、LMS 上の課題に取り組んでください(90分)。

その他履修上の注意事項

・本講義では、LMS で資料を配付し、課題・アンケート機能等を使用します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション(技術者倫理とは何か)
第2回組織の中の技術者(スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故はなぜ起こったのか)
第3回説明責任(技術者はなぜ説明責任を負うのか)
第4回製造物責任(正しい使用条件とは何か)
第5回ヒューマンエラー(ミスは誰の責任なのか)
第6回帰結主義(100人を助けるためなら1人を犠牲にしてよいか)
第7回費用−便益分析(莫大な費用がかかっても事故を減らすために設計を改善すべきか)
第8回内部告発(いかなる場合に内部告発は許容されるのか)
第9回知的財産権(アイデアや技術をすぐに一般公開してよいか)
第10回義務論(絶対に嘘をついてはいけないのか)
第11回グローバル化(世界共通の価値観はあるのか)
第12回予防原則(遺伝子組み換え食品は安全か)
第13回環境保全(なぜ自然を守るべきなのか)
第14回徳倫理学(徳のある人とはどういう人か)
第15回人間と技術(そもそも人間にとって技術とは何か)