3次元イメージ科学
担当者近藤 直樹
学年・開講期1年次 通年  [情報科学専攻 (通信教育課程)修士課程]
科目の種類専門
クラステキスト授業
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー

授業の概要(ねらい)

3次元空間における像情報の記録・処理・再生技術は、計算機の飛躍的な能力の高まりに支えられて、今日、新たな発展期にさしかかっています。また、近年のネットワーク/ストレージ技術の爆発的な発達により、得られた膨大な量のデータの転送・蓄積も可能になってきています。これらは3次元的実情報を処理・共有できる技術的枠組みが整いつつある事を意味し、特に医療や福祉、エンターテインメントでの応用が期待されています。
本科目では、3次元像情報を扱うための物理・数理的諸原理(物理光学,画像再構成の理論等)およびその計算機上での実装について学習し、最終的には最大の応用分野の一つである医療用計算機トモグラフィの基礎を学びます。
この科目は、ディプロマポリシー2と特に関連します。

授業の到達目標

3次元像情報を扱うための物理・数理的諸原理およびその計算機上での実装について知識を身に着け、最大の応用分野の一つである医療用計算機トモグラフィの基礎を理解できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

提出されたレポート(50%)と科目修得試験の結果(50%)により評価します。
レポートについては、合否と講評をフィードバックします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書指導書およびLMS上の資料を利用します。
参考書: 「光とフーリエ変換」谷田貝豊彦著,朝倉書店(1992)
「画像処理アルゴリズム」斎藤恒雄著,近代科学社(1993)
参考文献

準備学修の内容

予習としては、指導書と参考書の該当部分に目を通すようにしておいてください(1時間程度)。
復習には、数式の導出やコードの実行を実際に自分の手で行ってみてください(2時間程度)。

その他履修上の注意事項

線形代数・解析の初歩の知識は前提とします。プログラミングの基礎的スキルもあると好ましいですが、授業の前半で簡単な数値計算プログラミング入門を行います。プログラミング言語として、フリーウェアのOctaveを使用します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回画像処理プログラミング1(Octaveのインストールと試用)
第3回画像処理プログラミング2(Octaveの基本的なコーディング)
第4回画像処理プログラミング3(Octaveの基本的なプログラミング)
第5回光の物理1(Maxwell方程式)
第6回光の物理2(波動方程式と光学理論モデル)
第7回像形成の理論1(幾何光学)
第8回像形成の理論2(屈折,反射,吸収)
第9回像形成の理論3(結像のしくみ)
第10回フーリエ変換1(連続フーリエ変換)
第11回フーリエ変換2(多次元フーリエ変換,畳み込み定理)
第12回フーリエ変換3(離散フーリエ変換)
第13回計算機トモグラフィ1(物理的原理)
第14回計算機トモグラフィ2(画像再構成)
第15回計算機トモグラフィ3(最近のトピックス)