情報システム開発技法
担当者水谷 晃三
学年・開講期2年次 後期  [理工学部 情報電子工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー3C329

授業の概要(ねらい)

 情報化社会が進展するにつれて情報システムの役割がますます重要になっています。利用者のあらゆる要求に応えるため、情報システムを創造し、高品質なシステムを効率的かつ迅速に開発するための手法が求められています。その手法自体も社会的な要求の変化や情報技術の発展にしたがって進化し続けています。本授業では,情報システム開発の基本的な工程に従いながら、各工程で必要となる知識、観点、技術的手法を扱います。特に情報システム開発の大半を占めるソフトウェア開発に関しては体系的かつ網羅的に扱います。また、近年はハードウェアとして扱われてきたシステムインフラが仮想化技術によって(ソフトウェア的に)構築されるようになり、従来とは異なった観点に基づく新しい開発技法が求められるようになってきました。本授業では近年の動向を踏まえた新しい開発技法や事例等についても扱います。
 なお、この授業は学位授与の方針(ディプロマポリシー)DP4Cに関連します。
 本科目は情報システム開発の実務経験のある教員が担当しており,経験に基づいた実例を含む講義,現場での課題をふまえた演習を行います。

授業の到達目標

本授業は情報システム開発に関わる以下の基礎的かつ技術的な知識および技能の習得を目指します。
・情報システム開発の開発プロセスと、各プロセスにおいてどのようなタスクがあるかを説明できる。
・開発プロセスにおける主要なタスクの内容と成果物を説明できる。
・情報システム開発において用いられる主なツールを使用できる。

成績評価の方法および基準

 LMSによるセルフチェックテストの実施状況15%、演習等におけるレポートの提出状況とその内容30%、定期試験55%の割合で評価し、全体で60%以上の評価点を得た者を合格とします。レポートでは与えられた要件に対して独自の工夫を加えたり、内容を充実させたりするなどの取り組みを評価して加点します。
 課題の採点結果などはLMSに掲載します。また、後述するように事前・事後学習における疑問点などはLMSの掲示板に書き込んでください。授業中にフィードバックします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書最新 情報システムの開発(基礎シリーズ)伏見正則実教出版、ISBN-13: 978-4407309577
参考文献
参考文献

準備学修の内容

 各回の授業終了時に次回の授業内容の予告と予習範囲を示しますので、事前学習として教科書に目を通したうえで、その内容に関連する関連授業(後述)で学んだことを復習してから授業に臨んでください。その際に疑問に思ったこと、わからなかったことなどがあった場合はLMSの掲示板に書き込むようにしてください。授業後は、LMSのセルフテストや課題に取り組んで理解を深めてください。これらの事前事後の学習に、合計でおおよそ3時間を見込んでいます。

その他履修上の注意事項

 情報システム開発の各工程では本学科で学んだ各授業の内容が関わっています。特に、プログラミング、情報技術基礎、コンピュータネットワーク、データ構造とアルゴリズム、データベース論の各授業で学んだ内容は、本授業の前に復習が望まれます。特にJavaを用いた演習を含みますので、情報科学プログラミング1、2の学習内容の復習をしてください。
 本科目は、JABEEプログラムの必修科目で、学習・到達目標中項目6-2に対応しています。

※各回の授業内容は理解状況に応じて変更する場合があります。(テストを定期試験期間中に実施する場合もあります。)

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、情報システム開発の概要、開発工程
第2回プロジェクト計画とプロジェクト管理システム(プロジェクト管理システムを用いた演習、ペアワーク)
第3回要求分析技法(要求分析の基礎、要求工学の概説)
第4回設計手法1(ハードウェア選定、インフラストラクチャ設計)
第5回設計手法2(仮想化技術、SDN、SDI、クラウドコンピューティング)
第6回設計手法3(ソフウェアモデリング、形式手法、UML)
第7回設計手法4(RDB、NonSQL系、データモデリング)
第8回設計手法5(パターン分析、ソフトウェアフレームワーク、高信頼設計技法)
第9回開発管理(工程管理、ソフトウェア構成管理、管理システムを用いた実習)
第10回品質管理1(品質管理技法 概説)
第11回品質管理2(指標とツール)
第12回品質管理演習
第13回システム運用(システム保守、障害・災害への対応と対策)
第14回情報システム開発への知識体系の適用(PMBOK及びSWEBOKの概説)
第15回テスト、まとめ